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GESU FOUR MAN ARMY  作者: 白黒 鈴
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一三:仕事準備



 メイドのメルさんからシーツを渡され、ベッドメイキングを終えた後、アスカが某貞子宜しくベッド上段から垂れ下がってくる。


「マークス、武器変えたい」


 アスカは四人の中で二番目にプレイ時間が少なく、そして持っている銃器も片手で数える程少ない。その為に他の銃が必要なときは銃職人ガンスミスでもあるマークスから借りていた。


「分かった。どんなのがいい?」

「取り回しがきくのだったら何でもいいよ」


 抽象的な要望ではあるが、本人の体格でも扱いやすい事を考慮し、マークスは頭の中に候補をピックアップしていく。

 候補が纏まってきたとき、チャーリーに肩を叩かれる。


「ついでによ、俺のデザートイーグル返してくれよ」

「あーはいはい、あれか。ちょっと待て」


 渡す武器も決まり、≪WEAPON BOX≫を召喚。まずは納められた幾つかのケースの内、三つを取り出す。

 一つ目は黒いハードガンケース。ABS樹脂で頑丈に出来ており、長さは九〇センチ程で大抵の突撃銃アサルトライフルが収納可能な代物。

 もう二つはOD色の弾薬箱アモボックス。片方は黄色で英文が記載されていて、もう片方は英文を『MAGAZINE』と赤く塗り潰している。


「まずはアスカ。てか降りてこい」

「はいはい」


 すると軟体動物の如くヌルリと降りてくる。


 液状化した猫かコイツは。


 そんな事を思いつつもガンケースをベッドに置き留め具を外す。そしてケースの取っ手をアスカに向けて開き、中身を見せる。

 ケースが黒ければ、中にある銃も黒く、そしてそれはとても四角くて、異形。

 銃口の上下に棘が生えており、銃把グリップが無ければ無駄にデカイ鈍器にしか見えない。

 そして銃の端に太いマガジンや小道具が並べられている。


「なにこのゲテモノは?」

「こいつはステアーAUG-9mmを魔改造したものだ。昔、ネットサーフィンしてたらP90にスパイク取っ付けたのがあってな。ストライクフェイスって言うんだが、ソレを参考に外装パーツを造って取り付けた。それと使用弾薬は5.56mmに戻してある。名付けて≪AUG-CQB≫」

「そのまんまじゃん」

「まず特徴的な銃口周り。さっきも言った通りスパイク取っ付けて、ぶん殴れるようにした。上はピカティニーレール、下はグリップ底まである。ただ構造上フラッシュハイダーが潰れてる上に銃身も短いから、撃ちまくると眩しくて命中精度が悪い。あれなら鈍器にしてもいい」


 アスカはAUG-CQBを手に取り構える。右手はグリップを握るが、左手はストックやスパイクの底に添えて感触を確かめる。


「フォアグリップが無いから、代わりにグリップの前にあるガード部分で銃は保持してくれ。スパイク部分の補強と固定の兼ね合いで、ガードをパーツで包んでネジ止めしてある。マグウェルグリップみたいにしてあるから握りやすいはずだ」


 言われた通りにガード掴んで構える。ストックを肩に当てたり、脇に挟んだ状態で握り具合を確かめたら、左手に持ち変えて構える。


「グリップはチェッカリングを施してあるから握りやすいぞ」

「あれ?これどうやって狙いをつければ良いの?」


 レール上部に間隔を空けて取り付けられた二つのパーツを指差す。


「ここのツマミを押してみろ」


 教えられたのはパーツの右側面に突き出たツマミ。押すと、バネの力でサイトが直立する。


「サイトはMagpul社製のMBUS Gen 2っていうフリップアップサイトだ。要望があれば別のに変えるが?」

「いや、いい」


 左側面のコッキングハンドルを引き、軽快な金属音と共にボルトが後退し、引き金を引く。


「コッキングハンドルは折り畳み式。コートの裏に隠した時とか、背中に当たっても刺さり難いようにな。後、お洒落」

「ちょっと使いづらいけど…別にいいや」

「マガジンはAUGの固有のプラスチックタイプじゃなくて、M16系のSTANAGマガジンに対応している」

「で、この太いマガジンは?」


 アスカが手に持ったマガジンは長く、そしてワインボトルのようにくびれている。


「5.56×45mm NATO弾が一〇〇発入る複複列弾倉ハイキャパシティーマガジン。弾幕張って足止めしたい時とかに使え」

「わかった」


 マークスは二つの弾薬箱をベッドに置いて開ける。


 黄色の文字が書かれている弾薬箱には、蓋の無い茶色の小箱が敷き詰められており、小箱の中には先端が緑色に塗られた弾が見える。

 もう一つはマガジンとマガジンローダーが詰めてあり、弾は入っていない。


「マガジンとM855カートリッジ(グリーンチップ)。弾は四五〇発分入ってる。マガジンは箱に普通の三〇発入りが五本と、その一〇〇発入りの奴で計六本。CJWEPONS社製のマガジンローダーも入れてるから弾込めは楽だ」

「やり方は?」

「まずマガジンにローダーをセットする。次にクリップ」


 手に取ったのは薄い金属板クリップで固定された一〇発の弾。小箱にはこれが三つ入っていて、一箱で通常のマガジン一つに相当する。


「こいつを中に入れて、上からロッドで押す。引き抜くとロッドに付いてる磁石でクリップが取れる。簡単だろ?」

「うん、ありがとう」


 そして弾込めを()()()()()ベッドの上で始める。


「自分のベッドでやれ」

「お前のモノは俺のモノ、俺のモノは俺のモノ、よ」


 弾倉片手にドヤ顔で指差すアスカ。


「何処のガキ大将だ」


 それを鼻で笑いながら≪WEAPON BOX≫から小さめのガンケースを取り出して置く。

 ただ、先のガンケースと違い小さく、痛々しいと呼べるまでにアニメキャラのステッカーが貼ってある。


「じゃ、次はチャーリーの嫁さん」

「待ってました!」

「調整には苦労したぜ。それに試し射ちしたらとんだじゃじゃ馬だった」

「それより早く開けろ」

「はいはい。それではオープンセサミ」


 開いたケースに鎮座するのは世界最強市販拳銃の一つ、砂漠の鷲(デザートイーグル)

 艶の無い黒で構成されたフレームとバレルに対して、スライドとグリップは乳白色で仕上げられてあり、グリップには戦乙女ワルキューレ(R-18仕様)のメダルが嵌めてある。

 一般的な銀色に輝くクロムメッキ仕上げや、艶の無い黒一色で仕上げられた銃とは違い、このデザートイーグルはどこか艶かしさを憶える。


 ケースには他にも空弾倉、弾の詰まった箱、ビニールに入った銀色の弾。


「こいつは……最高だ」


 口角を上げて拳銃を眺めるその顔は、悪人の顔と大差無い。


「注文通りに以前の44マグナム仕様から50AE仕様にモデルチェンジした。後、マズルブレーキを追加させてもらった」

「おかえり~俺の相棒ぉ」

「もし擬人化したらどんなキャラになる?」

「プラチナブロンドのダイナマイトボディなお姉さん」


 何となくで聞かれた質問に真面目な顔で己の欲望を平然と答えるチャーリー。そんな仲間チャーリーにマークスは肩をすくめる。


「持ってみろ」

「すげぇ、手に吸い付くようだ」

「お前の手に合わせてグリップを削ったり盛ったりしたからな」

「つまり俺好みのオンナになったと?」

「そういうこった。大事にしてくれ」

「コイツは?」


 手に取ったのはビニールで包装された銀色に輝く弾頭。一発一発が真空パックで閉じたのが七発分連なっている。


「純銀で造った特製炸裂弾。いわゆる『銀の弾丸』ってやつだ」

「御守りにしちゃ厳重に封してるな」

「銀は酸化しやすいからな。大事にしろよ」

「おう」


 予備弾倉と通常弾もセットで渡し、自分の装備も準備し始める所で気付く。上で寛いでいるギルだ。


「ギルは何かいるものあるか?」

「特になし。FN-SCAR-H(ふんすか)あるし」


 問題無さそうなので支度する。


「じゃあ、寝てるなら弾込め手伝って」

「おやすみ~~ 」


 少しでも楽をしようとするアスカだが逃げられる。ならばチャーリーを利用しようとするが、当の本人はM4A1にツインドラムマガジンを装着したものを撫でまわしていた。


 M4A1はアメリカ陸軍兵士の大半や特殊部隊等に配備されているカービンライフルで、ニュースで米軍兵士が持ってる黒い銃は大体コレかその系譜。


「何してんの」

「ツインドラムマガジンって良くね?巨乳みたいで」

「巨乳死すべし慈悲は無い。それにどっちかて言うとナニでしょ」


 すると今度は股に銃床をあてる。


「コイツを見てくれ。コイツをどう思う?」

「折るのと潰すのと抉るの、どれがいい?」

「どれも嫌に決まってんだろ!」

「じゃあ、靴下以外脱がして逆さ吊r「早くしろ」……はい」



 アブナイ方向にこれ以上行かせる訳にはいかないので、マークスはアスカの額をどついて終わらせる。


 取り出すのは洞窟探索の時に使っていたMP5KPDW。この屋敷は全体的に観て広くは無いが狭くも無いので、短機関銃が丁度良い。これをM110SASSと一緒に持つ。

 弾の配分は(装填している分も含めて)MP5KPDWが四、M110SASSは二、ベレッタ92FSは二の計八本を持ち歩く。


 マークスの支度が終わる頃には二人も準備完了していた。


 アスカはステアーAUG-CQBとベレッタ92FS。

 チャーリーはM4A1とデザートイーグル50AE。


 ギルは最初から変わらずFN-SCAR-HのCQBモデルとベレッタ92FS。


「お~し、気合い入れて仕事行くぞー!」

「「「う~い」」」

「あ、気合いの入れ方はお任せします」



※複複列弾倉もツインドラムマガジンも弾が一〇〇発入るシロモノ。見た目は前者が極太のバナナで後者はタマタマの大きいち○こ。

※デザートイーグルのグリップに嵌めてあるメダルの戦乙女ワルキューレ(R-18仕様)は、胸部装甲がかなーり大型で装甲板は剥き出しです。



M4A1について

カテゴリ:カービン銃(分隊支援火器仕様)

使用者:チャーリー

使用弾薬:5.56×45mm弾

装弾数:30+1発(本編ではツインドラムマガジン仕様の為100+1発)


アクセサリ

・Trijicon社製 TA47 ACOG(上部)

・ハリス社製バイポッド(下部前側)

・バーチカルグリップ(下部後ろ側)


備考

 チャーリーの取り出したのはハンドガードがナイツアーマメント社製レイル・アダプター・システム(Rail Adaptor System)搭載型(いわゆる四面レールタイプ)のM4A1。

 ツインドラムマガジンはBeta Company製のC-MAG。予備弾倉としてチャーリーの腰には二つ収納されている。



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