プロローグー嘘の幕開けー
初投稿ものです。
人狼ゲームが好きで、現実のリアルに置き換えて物語を作ってみました。意見貰えるととても嬉しいので、是非ともよろしくお願い致します。
今夜も一人死ぬ。明日になればもう一人殺されてる。僕が選ばれるかも。それでなくとも殺されるかも。
日も暮れてきた。そろそろ、アナウンスが流れる時間か…
「それでは、今夜処刑する者を一人選んでください。」
相変わらず淡々としてる。機械かな?いや、人の声っぽいな。いくら考えてもよくわからないや。そもそも今考える事じゃない。わかってても、考えてしまう。
「時間です。結果報告を致します。八票の投票により、井上誠二さん、処刑台へどうぞ。」
誠二か。僕は入れてないよ。僕は違う人に入れたよ。
言葉にはしてないけど、そう何度も喉で言う。
「な、なんで俺なんだよ!!予言者だって言っただろ!なんで信じてくれないんだよ!」
「だから、予言者は私だって。第一にあんたの占い、的外れだし、発言も的を射てないのよ。狂人か狼で見られても仕方ないわ。」
「は、はぁ!?お前の方が的外れなんだよ!わけわかんねー奴しか占ってねーじゃねーか!理由も大したこ…」
ブシュゥウウ
誠二の首筋から真っ赤な糸が飛び出る。それも無数だが纏まった綺麗な糸が。先端の方はほつれている。
見慣れた光景だ。いや、見慣れちゃいけないはずなのに、人は慣れる事に逃げる。
地面を真っ赤に染め上げて、誠二はその場に崩れ落ちた。その背後に、鈍く光る血にまみれた日本刀を鞘に収める執行人。
そう。誠二は多数決の末、選ばれ、処刑されたのだ。