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転生少女は雑貨屋になりたい  作者: conon
第一章 幼少期
23/64

1-23 妖精

23話目です。

コアトリス様が結構強引だったお話。パワフルお爺ちゃん

『はぁ~…疲れるわい…』

「お手数お掛けします…」

『お前さんのせいではないわい。申し訳さなそうにしておるが、それは儂の方じゃ…神からの啓示、そしてこの儂等でもどうにもできんかった【死の大地】の復活に【精霊核】の保護…この短期間でどれだけこの【ガー・ナーク】を助けられたか…』

「でもそれは、神様の力で…」

『神の力を使い、ここまでにしたのはアデールお前さんじゃ!』


 色々偶然が重なったりした結果なんだけどな…目が泳いでる気がする…


『儂が見た限り、お前さんは役目をしっかり果たしておる。赤の奴は残っておるみたいだがのう』

「すいません…夜が真っ暗な環境に慣れていなくてですね…申し訳ないです…」

『話が進まん!お前さんはちょっと遠慮が過ぎるぞ!』

「すいません…」


 最後のシイクッキーをコアトリス様が口に運ぶ。あう…


『お前さんは良くやった。ここからは儂等精霊の出番じゃ!この地はお前さんのもんじゃ、好きなように生きるといい。この【ガー・ナーク】に生きる者として必要な知識は授けてやる。気負わんで良い。楽しく生きたらいいのじゃ…わかったな?』


 ウェンネス様と同じだ。この世界はとっても優しい…

 この生を、明るく楽しくやりたい事をやって生きる!そして出来る手助けをするぞ!


『お前さん…儂等を助けようとか思っとるじゃろ…』

「心を読んだんですか!?」

『そんな効果はないと言っとるじゃろ!顔を見れば解るわい!』

「そ…そうですか…?」

『お前さん、言っても聞かぬタイプだのう…解った、こうしよう。お前さんに使命を与えよう』


 思わず背筋がピンと伸びた。何を任せられるのだろうか…


『たまに出かけてもかまわん。ここで精霊核を守り、正しい世界の在り方をここで行って欲しい』

「はい!」


 そこからは色々なお話を聞いた。

 マテバシイをテーブル一杯に広げて皮を割りながら…時間は大事です。


 魔法については、基本的にウェンネス様のいう事は合ってるらしいが妖精が絡んでくる。

 なんと魔樹(マナツリー)からは一つの属性をもった妖精が生まれるらしい。妖精は精霊以上の存在でないと見えない。妖精と同じ属性の生物を好みその周辺を漂っていて、魔法を使う時に補助してくれる。この補助が精密度や威力・持続時間だそうだ。

 思ったとおりの威力がでないのはその種類の妖精が補助してくれてないかららしい。

 私の"ホール"が範囲固定なのは、精密や調整ができる子がいないからだそうな…かなしい…でも大丈夫!土の加護がついたのでこれからは精霊が増えるんだって!楽しみ!


 私の属性についても教えてくれた。七属性全てあるんだって!

 でも今は光と闇は使えないらしい…空が曇ってるのは雲じゃなく黒魔素が蔽ってるから。

 光と闇の精霊は世界に昼と夜を与える役割。今はその力が弱まってるからその2属性は使えないみたい。

 もっと土地が広がって白魔素が増えると空が晴れて属性が使えるようになるんだって!今は【緑の精霊(タピオキス)】様がいる大森林の上しか空がないらしい…

 そして【緑の精霊(タピオキス)】様はとても気難しいらしく…森属性の魔法はその大森林にいる種族の一部しか使えないらしい…妖精も気難しいって事ね…


 一般教養は、何てことない…地球と似通ってた。

 1日は24時間、1ヶ月は30日、12ヶ月あって呼び方も一緒だった。本来は3ヶ月毎に季節が変わるが、今は黒魔素の影響で固定されてしまっているらしい…3・4・5月が春、6・7・8月が夏、9・10・11月が秋、12・1・2月が冬。雨季は存在せず、今は7月位の季節にあたる。かなり地球してる。時計は、人族の魔道具にそういうのがあるらしいけど一般的には【時の花】を使うんだって。1時間毎に色が変わるらしい…珍しい花じゃないからそのうち見つかるだろうってさ。

 言語は世界共通語の他に種族言語があるらしいんだけど、人族に関しては種族言語は過去の物らしく、古い文献にある程度で学者以外は使わないらしい。世界共通言語は後で知識をくれるって!やった!


 ちなみに、私と精霊様達は同じ言語を喋ってないんだって…

 私は日本語で、精霊様は神聖語で会話してたとか…波長を合わせる事でリアルタイム翻訳されてただけらしい…その波長合わせは精霊様の魔法なので私は使えないみたい。残念だね…


 

『さて、そろそろ赤の奴をどうにかしてやらんとな…』

「そうですね…」

『お前さんのおった世界に夜は無かったのか?何を怖がっておるんじゃ…』

「えっと、夜はあったんですけどね…」


 街頭一つない大自然の闇は深すぎる…月明かりもないし…


『儂はな、精霊魔法と土魔法しかつかえん。是しか方法がないのう…』


 そう言うとコアトリス様は地面に手を当てた。

 すると土がモゴモゴと動き始め5個の白い水晶が出てきた。


『ほれ、ライトクリスタルじゃ…魔力(マナ)を送ると光る。これは特別じゃぞ?』


 ニヤリとコアトリス様。大事な魔力(マナ)なのに…


「ありがとうございます!」

『ほれほれ、いくぞっ!こっちじゃ!』

「え?どこいくんですじゃ?」

『水の奴がここにおるのに、近くで火の奴を目覚めさせたら酷い事になるぞ!ほれこっちじゃ』


 いつの間にか【火の精霊核】を手にしたコアトリス様が、スタスタと歩いていく。早いっ!


「あ!あの!!コアトリス様!?ど…どこまで、行くんですか!?」


 私の"大地豊穣"の範囲を飛び出し、ヒョイヒョイと岩場を超え【悪魔の頂】へ進む。


『この位離れればいいかのう?ここでよいか?』

「えっと、どうして離れるんですか?」

『火と水はな、正反対の属性じゃ。力が弱ければ互いを打ち消しあえるが、大きな力の働く地では…』

「どうなるんですか!?」

『儂の予想が正しければ大丈夫じゃ!』

「えー!?本当に大丈夫なんですか!?」

『目覚めの地じゃ…共生するじゃろ…』


 コアトリス様が【火の精霊核】を地面に置き、さぁさぁと促す…私がやるの!?

 言われるがままに魔力(マナ)を送る…ぐおっ!また吸われてるっ!!!


『火の奴め、お前さんの魔力(マナ)が美味いとみえるな…ほれっ!逃げるぞ!!』


 そういって私の首根っこを掴んで飛んだ。


「ぐぇっ!えぇ!?キヤァーーーーッ!!!」


 遠ざかる【火の精霊核】。地面に潜っていくのがみえた。


『ほれ、おちつけ!始まるぞ!』

「ゲホッ!ゴホッ!!…な、何がですか?」


 地面が揺れている…地震!?揺れはドンドン大きくなり、ピタッ!っと止まった。


「え?」


 へたり込んだまま【赤の精霊核】の方を見るが岩で何も見えない。

 次の瞬間、轟音と共にブシュュュゥーーーーーー!!と言う音が響いた。


「アッツ!アチアチッ!何?何何!?お、お湯!?」

『ほっほっほ!思った通りじゃわい!温泉じゃよ?知らんのか?』

「知ってます!知ってますけど!アッツ!知ってますけど何で!?」

『まぁ一度戻るぞ。落ち着くまで時間が掛かるじゃろ』


 そういうと何事も無かったように踵を返した。コアトリス様の足は、やっぱり速かった───

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