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転生少女は雑貨屋になりたい  作者: conon
第一章 幼少期
19/64

1-19 充実したおままごと

19話目です。

生活が整い始める1歩のお話。

 そこから本当に忙しかった。


 最初に切った木のどんぐりを集めた。食べられるかは確認できてないけど全部集めた。

 全ての枝を切り落とし、大雑把なサイズごとにまとめて山を作っていく。

 考えていた加工品の分以外は薪として使う為に"ウィンドシックル"でカットした。鎌なのに斧。カット 自体はそう難しい事はなかった。ネックなのは運搬…7歳に薪運びはちょっとつらい。


 その場でカットできてしまうので3時間程かけて1本の木を解体した。

 カットしながら体調の変化を気にしていたが魔力(マナ)は大丈夫そうだ。"ウィンドシックル"を使うたび魔力(マナ)が抜けるのを微かに感じるので減ってはいるはず。魔樹(マナツリー)ほぼ独り占め状態と【神の落し子】の効果なのだろう。ありがたやありがたや。


 1本の解体が終わり、加工予定の材料を棲家の方に運んで戻るとマツバシイが生えていた。

 

「お?1・2・3!3本!生えたっ!ッシャアア!」

 思わずガッツポーズを取った。とりあえず3本とも切り倒した。生えたとこすまんね。


 夜も作業を進めるのに薪が急務だったので"ブロアー"で小枝達の乾燥を試みる。

 【常用魔法】は生活を助ける小さな魔法。ほんの一瞬から数分続く程度を指すらしい。

 私の服は質が悪いのですぐ乾く。5分位までは使った長時間はない。魔力(マナ)の問題もあるので長時間使かえるのかを試す実験も込みで"ブロアー"を発動してみた。

 結果は成功。魔力(マナ)も大丈夫そう。私の魔力(マナ)も体質もすごいな…運搬能力が足を引っ張るけど…


 "ブロアー"を発動し、ユスラウメの回収。昼食に食べる用。籠ちゃん1杯分取れた。

 合間をみて再収穫をしっかりやろう。


 マツバシイの所まで戻って作業再開。

 どんぐりを集めつつ枝をカットしていく。葉の山も凄い事になってきた。これどうしよう。

 たまに"ブロアー"を確認していて気が付いた。さっき枝のカットに"ウィンドシックル"を使った。魔法を2個同時に使えてる?魔法は複数使えるの?


 思い立ったが吉日。風と火を混ぜて"ドライアー"の魔法を完成させた。

 空に向かって使ってみたけど"ブロアー"同様吹っ飛びそうな強風にはならなかった。


 小枝達の乾燥は"ドライアー"に任せ、どんぐりの回収再開。実は木材のカットよりどんぐりの前回収のほうが時間掛かってる…色々おかしい…

 枝のカットを終えた幹の両端を落とし、丸太にしたまま放置する事にした。後でゆっくり使えばいい。

 落とした両端を板状にカット。"ウィンドシックル"さんマジ便利。思ったように動いてくれる。


 釘は無いのでアラレ組の加工をし30×20×15の箱にするパーツを量産していく。当て木をして石で打ち込み組んでいく。ハンマーがほしいなぁ…これだけ精密な加工が出来てるのに組む方に時間が掛かるなんて…

 やっとの思いで3個箱組み上げたところで辺りが暗くなり始めた。

 集めてあったどんぐりを箱に入れ、小枝を抱えて棲家に戻る。2往復し枝を運びユスラウメを回収した頃には日が暮れる寸前だった。ギリギリセーフ!


 転生10日目の夜、はじめての焚き火。火は"ライター"であっさりついた。ちょっと解せぬ。


 夜は欲しかった加工品作成。

 "ウィンドシックル"さんは更なる進化を遂げ、くり貫きや丸いカットまで出来るようになった。万能すぎて名前を変えようかと思った程だった。


 昼は採取と多きな加工に薪作り。夜は遅くまで加工品作りを進めた。




 "大地豊穣"の効果の切れる3日後、転生12日目の夜。

 私はやりきった達成感を感じながら焚き火に当たってユスラウメを食べていた。作ったばかりの木製タンブラーを片手に…食事しながら水分を取れるのはとてもありがたい。


 この3日間本当に忙しかった。

 今解決できそうな簡単な問題は全て解決できた。「充実したおままごと」クラスにはランクアップできたと思う。一端休日を挟んで今の在庫を調整したり、魔法の練習をして、何日かしたら"大地豊穣"を行おう。

 そしたらまた植物が増えて色々できるようになるかもしれない…


「あれ?もしかして別に焦ってこんなに急がなくてもよかったんじゃ…」


 植物が変わるのは困るけど、木自体は何かしらまた何処かに生えてくるんじゃ…

 "3日間取り放題"って自分で言った言葉で暗示にかかって、自分でいつでも"3日間取り放題"にできる事を完全に失念していた…


「馬鹿すぎるでしょ…かなり張っちゃったよ…」


 焚き火がパチパチと音を立て、12日目の夜が更けていった───

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