涙。
私はお母さんと話している時、ふと考えるのをやめた時、自分と同じ年代の人を見かけた時、妹を見ていた時、
ふと、涙がこぼれることがある。
なぜかはわからない、いつからかも。
昔は涙では無くため息だったような気がする。
どこかで見た。「ため息をつくと幸せが逃げるのではなく、幸せが逃げたからためいきがでる」のだと。
もしそうならば、この涙も、何かが逃げていったから出るのかもしれないと、そう思った。
そうでないのなら、私の中のなにかが体の中に止め切れなくなってあふれでたのだろう。
それが何かはわからない、わかりたくないとどこかで思い、考えないように、しかし消すこともなく、大切にしまっている。
いつか、それがわかるようになりますように、と。
人は光があってこそ闇を認識する。
私はその時の涙を、ため息の理由がわかる時まで仕舞っておこう。
あの時の私の涙よ、いつか私の糧とならん。