第5話 私は、ユーチューバーに、なりたいっ
今回は健一という新キャラが出ますが、最初から書いてないだけで、いました。
いたんです。
学校
「私は、サッカー部に、なりたい」
「なにユーチューバーになりたいみたいに言ってんだよ」
時間は昼休み。僕はいつものメンツである橋爪漢太、そして高梨健一と共に昼食を食べながら喋ってる時にいきなり漢太が宣言しだしたのだ。
僕達はみんな帰宅部である。
「どうしたの、いきなり?
人間の友達いないからってサッカーボールと友達になろうって魂胆?CANTA」
「お前もなんでいきなりローマ字読みなの!?いつも通り、かんたでいいじゃん!
流石にそれは言い過ぎだよ…ケンちゃん」
「はっ!何言ってんだよ?俺は全世界の生きてるもの、またそれ以外とお友達だぜ?」
「なんで俺がフォローしたのに意味不明な返ししてんだよ!!!俺がバカみてーじゃねーか!!!」
「で、なんでなりたいの?ユーチューバー」
「話がすり替わってる!!?」
「ユーチューバーもいいけどさ……今はサッカー部に入りたいんだーー、だってなんかカッコイイじゃん??」
「はぁ……嘘つくなって…僕は知ってるよ?君がサッカー部のマネージャーに恋をしていることを」
「いやいや、うちのサッカー部マネージャーいないだろ」
「………そうだったないなかった
そうだった…でも、いつの間に……」
「お前が入学した時からだよ、しったか
……まぁ、漢太が入りたいならいいんじゃないのか?3人で帰るのが2人になっただけだろ?」
「寂しい言い方するね……快太………」
「あああ……いや、別にそんなつもりで言ったわけじゃないよ……悪い、気分悪くさせたな」
「うんうん!!いいよ!じゃあ、入部届け出してくる!!」
「切り替え早いな!!!!!助かるけど!」
ドアを突き破り、階段を飛び降りる音がした。
「なんでドア開けないの!?人生に立ちふさがる壁は全てぶち壊していく系男子ですか!!?」
「……お前も毎回よくつっこむね…、もうみんなあんなの見慣れたのに。
でも、ほんと何でだろうね……サッカー部なんて」
確かにそうだ。運動はできる方だが、特にサッカーができるなんて聞いたことないし、なにより時期が時期だ…。
……ふと頭によぎるものがあった。
昨日のことである。校門前で健一を待っていると、漢太がぼーっとサッカー部の方を向いていたので、
「何してんだ?」
「…………え…?あぁあ…ぃやなんてえもななないいいよぉお」
「いや、明らかに怪しいだろ!!!嘘つくの下手か!」
とりあえずそこでは言及しなかったのだが、あの時、サッカー部を応援してる誰か、あるいはサッカー部の誰かに見とれていたに違いない。
これを健一に説明すると、
「なるほどね……男かもしれない、か」
「いやまぁ、可能性としてね?」
「男かもしれない…か」
「だから可能性の一つとしてね?」
「男かもしれない……か」
「3回も言うなって!!!なんでそんな男推しなの!?ちょっと期待してるの!?」
パリーーン!!!!!と窓を割って、漢太が飛び込んできた。
「お前もさー、ほんとなんで全部ぶっ壊すスタイルなの!?!?」
「へへっ!!入部したぜ!これからはサッカー部って呼んでくれよ?」
「『クラッシャー』って呼んでやるよ…!」
それから漢太は、サッカー部の練習に日々打ち込んでいった。
野球部とグランドの取り合いの喧嘩をしたり、顧問の体罰に激怒し殴り飛ばしたり、サッカー部を潰そうとした生徒会を蹴り飛ばしたり……
そして出来事は突然起きた。
「なぁ……俺…、もうだいぶサッカー部として活躍したからそろそろ…………告ってくるぜ…」
「全然そんな描写されてないし、サッカー部としてじゃなくて人間として衰退してるからね!!ろくな噂流れてないよ!」
「告るって、誰にだい!?可愛い子かい?子猫ちゃんみたいな子かい?かばおくんみたいな子かい?」
「子かい子かいうるせえよ!!!かばおくんみたいな子とか死んでも聞くんじゃねえぞ!!!」
「じゃあ行ってくる!!」
「人のセリフ聞けよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
彼のぶち破った床に向かってそう叫んだ。
続きはこの後、0時過ぎに投稿します。
よろしくお願いします。