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僕らは世界の英雄になった。  作者: 宮崎和花
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ノアとペネロペー3

 ねえ、ペネロペ。

 ノアはもう、何度もその言葉を呟こうと思ったかわからない。喉まで出かかっているというのに、ペネロペの顔を見ると、どうしたって出てこない。

 誰もいない教室は、びっくりするくらい静かだった。

 二人とも、ただ、単調に床の埃を掃いている。

 もしもペネロペに掃除をしろなんて言われずに、そのまま家に帰っていたら、と考えてしまう。

 そしたら、今頃父の書斎で好きなだけ本を読むことができていたに違いないのに。

 自分の情けなさ過ぎる根性に、ノアはため息しか出てこない。

「そろそろきれいになったよね?」

 ペネロペが、ノアをジロリと見る。

 う、うん。

 ノアは即答した。ペネロペは、有無を言わせぬ口調だった。

「オノオ先生に、言ってかえんないと。

 めんどうだなああ、もう」

 身から出た錆なのに、ペネロペはブツブツと文句を零す

「手伝ってくれて助かったよ」

 そんなこと、ないよ。そう言わないとまた怒られそうで、ノアは曖昧に笑う。

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