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髪飾り×鋸  作者: R:C
9/9

8話目

ども。

お久しぶりですー。



+×+×+×+×+×+×+×



文目ちゃんが学校に来なくなってしまってから3週間。

やっと覚悟を決めた僕は、文目ちゃんの家へと(住所はクラス名簿で調べた)向かった。

『椚田』と言う表札がかかっている、古めかしい大きな家。

深呼吸をして、インターホンを鳴らした。


『……はい』


中年女性の声が、スピーカーを通して聞こえる。


「あの、えっと……文目ちゃんの、…友達の桜野柚樹といいます。文目ちゃんに会いに来たんですけれど……」


『…そう。わざわざありがとう』


プツリとインターホンは切れ、代わりに引き戸の扉が音を立てて開いた。

その先には、40代くらいだろうか、優しそうな雰囲気の女性が立っていた。


「えぇっと……柚樹さん、だったかしら」


「はい」


「文目は部屋にいるから行ってあげて。あの子の部屋は二階の一番手前の部屋だから」


「あぁ……ありがとうございます」


「ええ。ごめんなさいね、今はお菓子は切らしてしまっていて……。」


「大丈夫です。文目ちゃんと話したらすぐ帰りますので」


そう。と、おそらく文目ちゃんの保護者にあたる女性はうなずいて、それから微妙な表情で僕に告げた。


「今のあの子を見ても……どうか、嫌いにならないであげてね」



+×+×+×+×+×+×+×



木造の階段を上がり、文目ちゃんの部屋の前で立ち止まる。

『今のあの子を見ても……どうか、嫌いにならないであげてね』

その言葉の意味はよく分からなかったけれど、覚悟を決めた手前、後にはひけない。

深く深く深呼吸をして、僕は扉をノックした。


「文目ちゃん。えっと、桜野だけど。入ってもいいかな?」


返事はない。

仕方なく、扉を開け、中に入った。

文目ちゃんの部屋。

片付いている、というより、最低限の物しかない。本棚と、勉強机と、ベッド。ポスターはおろか、カレンダーすら貼っていない。

そして。

ベッドの上に、膝を抱えて座っている文目ちゃんに対し、僕は笑顔で言った。



「はじめまして、美作文目ちゃん」



+×+×+×+×+×+×+×




ありがとうございました。

いつの間にか8話目です。

これからもよろしくお願いします。

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