7話目
ども。
お久しぶりです。7話目です。
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翌日。
いつも通りの時間にいつも通りの恰好で、文目ちゃんは学校に来た。
「桜野さん、おはようござ。」
「えっ?」
「います。」
「あ、あぁ……うん、おはよう。」
不自然に目をそらす僕に、文目ちゃんは『?』と首を傾げる。
「桜野さん。具合、が悪いなら、保健室に行かなくちゃ、駄目。ですよ?」
「ううん、大丈夫だよ…」
昨日。
いろいろありすぎた。
良いこととは、とても言えないことが。
ノートの血痕。
『ごめんなさい』。
そして--------美作小詩さん。
やっぱり、文目ちゃんに言うべき…だよなあ。
「……………、あのね、文目ちゃん」
「何です、か?」
「昨日、きみの叔母さんって人が来たよ。」
「……!」
文目ちゃんは少しだけ目を丸くした後、
「----……何て、名乗って、ましたか?」
「えっと……美作小詩、さん。」
その名前を聞いた瞬間。
文目ちゃんは、露骨に顔をしかめた。
いつも無表情の文目ちゃんらしくない。
そして、
「…生きてたんだ、あの人。」
と。
小さな声で、呟いた。
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いつもの帰り道。
文目ちゃんと少しだけ距離をとって歩く。
「…………… …。」
「え? な、何か言ったかな……?」
「……何でもない、です。」
次の日、文目ちゃんは学校に来なかった。
その次の日も。その次の日も。
僕と文目ちゃんの間に、決定的な亀裂が入った瞬間だった。
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7話目でした。
読んでくださりありがとうございます。