3話目
ども。ぐだぐだしてるまま3話目です。何とぞ。
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それから数週間。
僕と文目ちゃんは毎日一緒に下校していた。
最初は鋸を出される恐怖で渋々……ではあったものの、今では僕も習慣になってしまい、特に何も言わなくても下駄箱で文目ちゃんを待つようになった。
「…遅れてしまい、すみません、でした」
「あ、ううん。全然大丈夫だよ。」
いつも通りに文目ちゃんと並んで歩く。
ぽつりぽつりと短い会話は交わすけど、基本的には僕も文目ちゃんも無言だ。
「………」
「………」
「……、あの。」
「ん?」
「桜野さん、は、いつも体育、見学してます、ね。」
「え、あ………う、うん。まあね。」
「どうして、です?」
「う……えぇと…」
答えに詰まる。
どうしよう、男なのを隠してるからとは口が裂けても言えないし……。
「うーんと、い、いろいろ、あるんだよ。」
「いろいろ?」
「そ。僕にもいろいろあるの。」
「そうですか。」
文目ちゃんは『…いろいろ、ですか……』と小さく呟いて、
「変なこと聞いて、すみません、でした」
と、思ったよりあっさりと引いた。
もう少し問い詰められるのも覚悟してたんだけれど………まあ、ゴシップとかには無関心なタイプの娘だし。大して知りたいわけでも無いのかもしれない。
文目ちゃんは最後にもう一度だけ、
「………いろいろ、ありますから、ね。」
と繰り返して、それ以降口を開くことは無かった。
けれど、彼女の表情が心なしか嬉しそうだったのは………多分、気のせいなのだと思う。
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ぐだぐだしたまま3話目でした。
ゆっくりやってくので良かったらこれからもよろしくしてやってください。