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彼女の彼  作者: こはる
変な奴・・・
4/53

 

「ねぇ……?恵梨、愛奈を見に行ってみない?」



 ……やっぱり愛奈のことが気になって……



 恵梨に聞いてみた。




「でも……」



 ……恵梨……??



「恵梨?……どうかした?私の噂の事なら、もう、知ってるし、いいのに」


「……うん……」



 ……あれっ?



 いつもの恵梨なら……



 ミーハーだから……乗ってくるはずなのに……





 恵梨……どうかしたの?



 私の噂の事だけじゃないのかな?




 ……何か他にあるの?




「有紗、おはよう!」




 もう……!



 ……うざいなのが来たし……!



 冬馬……この微妙な空気読んでよね……。



 冬馬とうまって無駄にうるさいから……



 朝は余計にムカつく……!




「冬馬……おはよう」



 私が冬馬を無視してるから、代わりに恵梨が答えてあげてる。



 冬馬なんか、うざいし放っておけばいいのに。



「恵梨ちゃんもおはよう!二人とも、なんか暗くない?有紗が朝が弱いから、恵梨ちゃんも苦労するな……?」


「そうだよ!冬馬からも、注意してよ!」


「有紗、具合悪い?それとも、どうかした!?」



 冬馬が私に顔を覗かせてくるから……!



 ……近いし……!



 もう……!



 ちょっとやめてよね……!




「……冬馬……朝からうざすぎなんだよ ……!!」



 冬馬の前のめりな、テンションの高さに……



 頭が痛い……。




 頭が痛くて……私が頭を机に突っ伏すと……




 ……冬馬が……



「おやすみ……」


 って、突っ伏してる私の頭を、子供の頭をなでるように撫でてきたから……




 ちょっと……何するのよ!!



 まじ、気持ち悪いから……!

 


 ……気安く触らないでよね……!!




 冬馬って……本当にうざいから……!




「有紗……冬馬にもう少し、優しくしてあげなよ?」



 恵梨が私に言ってきた。



 冬馬に冷たい態度をとる私に……恵梨はいつもそう言うけど……。




 でも……

 


 その気もないのに優しくなんてできないし。



「冬馬、有紗に告白断られても……態度が変わらないし……だから少しは優しくしてあげなよ?」



 別に、頼んでないし……!



 ……もう……


 ……どうして冬馬は、私に告白なんかして来たんだろう……?




 ……告白なんてしなければ……




 ……普通に友達でいられたのに……。





 確かに、冬馬はいい奴だけど……




 でも……



 優しくして……



 どうするの?



 優しくして勘違いされたくないし……。




 考えると頭がますます痛くなってきた。



 ……駄目だ……限界……。



「恵梨、分かってるよ。……なんか、頭が痛い……保健室行ってくる……」


「大丈夫?ついて行くよ?」


「いいよ、大丈夫だから……」




 恵梨の気持ちは嬉しいけど一人になりたかったから。




 立ち上がると……目の前が一瞬歪んだ……!



 頭が痛くて、くらくらする……!



 やっぱり……



 朝は苦手だな……。








「失礼します……」



 保健室のドアを開けると、中には誰もいなかった。





 あれ……?



 先生もいない……?





 まぁ、いいや……ゆっくり寝れそう。




 カーテンを開けると、ベッドには先約がいた。





 誰か寝てる……。



 でも、隣のベッドは、空いてるみたい。




 頭は痛いし……





 ……もう、怠いし……限界……。





 私は、空いてるベッドに横になった。






 頭が痛いし……寝よう……。









「愛奈!大丈夫!?」




 ……少しは寝てたのかな……?



 突然の大きな声に……!



 びっくりして目が覚めた……!





 でも……!?



 あれ……今……!?



 ……愛奈って呼ばなかった!?




 まさか……??




 あの……愛奈かも……??






 でも、呼んだ男子は誰だろう?



 吉野くんじゃないみたいだったけど?





 もしかして……!




 もう一人の幼なじみかも!?




 えっ……本当にそうなら……




 ……見てみたいかも……!





 気になって……ベッドから起き上がってみた。




 少し寝たからか、頭がすっきりしてる。



 もう、起き上がっても、ふらふらしなかった。





 私が急に起き上がったから、隣の男子が私を見てきた。





 うわぁ……!!



 ……うそっっ!




 綺麗な顔立ち……!!



 超、美少年だよ……!!




 ……そういえば、入学した時に、みんなが騒いでた男子がいたけど……




 この子の事かも?




 じゃあ……この子が……?



 もう一人の幼なじみなのかな?



 でも……



 人気者の二人の男子を一人占めするなんて……!





 愛奈ってどんな子?




 ……見てみたい!



 私は、隣のベッドを覗き込んでみた。




 覗き込む私に……



 男の子があからさまに嫌な顔をして私を見た。



 ……私も……悪かったけど……



 そんな睨まなくても……いいでしょ?




「なんだよ!お前……!?」



 天使みたいな顔立ちのくせに……いきなり毒ついてきた。



 ……そんな言い方なくない!?



 なんか、嫌な感じ……!



「大きな声で、びっくりさせたのは、そっちでしょ!?」



「ごめんなさい……寝てたのに……」



 男子ではなく、愛奈が私に謝ってきた。



 ……別に、愛奈に言ってないし……愛奈に謝ってもらっても……




 でも……



 私は、私に顔を覗かせてる愛奈を見た。





 えっ……!



 なんだ……



 普通……!



 どこにでもいる……普通の女の子……。




 この子が、本当に愛奈なの!?



 ……吉野くんが大事にしてる……



 あの……愛奈なの??



 まさか……違うでしょ?




 愛奈って同じ名前なだけかも?




海瑠(かいる)も謝りなさいよ!」



 愛奈が男の子に言ってる。



 愛奈は海瑠って呼び捨てにして……



 仲よさげ……。




 だけど海瑠は謝る様子がないみたい。



 聞こえないふりして……違う方を見てる。



 ……もう、むかつくな……!




 私がひねくれているのか愛奈の言葉を素直に受け取れなかった……。



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