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業者
「ああ〜、これですか?」
業者に見てもらい、さっそく天井に小さな穴を開けて、カメラを投入。
業者の腕前とタブレットに映し出されるカメラの映像を交互に見る。
「おや? これはこれは……」
うん? なんだ、これ?
タブレットには、灰色のなにかが折り重なるようにかたまりを映し出している。
「ネズミ、ですかね? どうします? 大家さんに連絡した方がいいんじゃないですか?」
たしかに。このままだと、ネズミの下で生活することになる。それはとても不快だ。
「ネズミってこれ、生きてるんですか?」
「いや、死んでるっぽいですね。でも、かたまっておなじところにいるのはめずらしいな?」
どうやら業者にもわからないことがあるらしい。
てっきり単なる雨漏りだと思っていたのに、不愉快を通り越して不快だ。
大家さんに電話をかけるが出ない。おかしいな。まだ昼間なのに。
「どうしますぅ?」
考えたあげく、引っ越すことを決めた。これ以上の出費はたくさんだ。
つづく