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チダイイ村と魔法小学校


PLAYしますか?


→はい

いいえ




1、チダイイ村




勇者となってまだ日が浅い勇者――レガシーは、ある村にたどり着いた。

旅を始めたばかりのため、そこは初めてたどり着いた村――チダイイ村だった。


爽やかな風が吹き、レガシーの頬を優しくでて通りすぎてゆく。

辺り一面に広がる緑の芝生が、さざ波のようにゆったりと揺れていた。


歩いていると、民家があちらこちらに建っていた。看板に『ソダイー』と書かれた店もあり、入ってみると、100ゼニーで買える商品が所狭しと並べられていた。


店を出て更に歩を進めると、どこからかニワトリの鳴き声がする。目をやると、木の柵の中には数羽のニワトリがたわむれていた。

のどかな村だ。


レガシーは、木の柵のそばに立つ、一人の村人を発見した。

ストーリーを進めるため、村人に近づいてみた。


「この村は魔王に支配されとります。百年の時を経て、勇者がやってくるという言い伝えがありました。今年はそう、ちょうど百年目。あなた様が勇者ですな。お待ちしておりました」


もう一度、近づいてみた。


「魔王を倒すには、まず、この村で勇者の賢者に魔法小学校へ六年間、通わせる必要があります。なお、魔法小学校では、一人の賢者に対して勇者は一回の修行をしてもらわねばならないのです」


A、そうなんだ

→B、なんだと!?


「なんだと!?」

「修行の種類は四種類あります。学級修行、文化厚生修行、交流修行、地区修行です」


A、どれでも、がんばります

→B、どれが一番楽なのだ!


「どれが一番楽なのだ!」

「噂では、出てくる回数が多いものの一回の修行が楽なのは文化厚生修行、出てくる回数は少ないものの一回の修行が大変なのが交流修行と聞いております」


→A、では、文化厚生修行にしようか

B、では、交流修行にしようか


「では、文化厚生修行にしようか」

「失礼ながら、あなた様は討伐の仕事をされていますか?」


A、していません

→B、いかにも


「いかにも」

「あなた様と同じように討伐の仕事をされている者は、交流修行の場合、イベントのお手伝いなので土日に修行できるため、わざと交流修行を選ぶ者もいると聞いております。魔法小学校の修行のために、討伐の仕事の有給休暇を使いたくないとの理由です」

「ふむ、なるほどな。ためになった。礼を言うぞ」

「ご武運を……」


レガシーは〈祝福の知識〉を得た。

レベルが0から500に上がった。




2、魔法小学校Try1




レガシーは自宅を出た。

ファイトゲージを使い、魔法小学校を目指した。

今日は懇談の宴が催されるのだ。その宴の勝者に修行のめいが下されるらしい。


魔法小学校に近づくにつれ、不穏な音楽がどこからともなく流れ始めた。


門の前には、門番と思われる魔物が二匹、剣を振りかざして待ち構えていた。

門を通ろうとしたが、奴らに剣で制された。


「何者だ!?」

「この魔法小学校に通う賢者の勇者だ。通せ」

「勇者証を携えていない者は通せぬ。見せろ!」


A、これです

→B、持っていません


突然のことだった。目の前に剣が振り下ろされた。瞬時に剣をよけて体勢を整える。

何度も襲いかかる剣に、レガシーは何度もよける。そして、武器ポーチから剣を出したが、遅かった。


ザシュ!!


レガシーは傷を負った。動きが明らかに遅くなった。


ザシュ!! ザシュ!!


立て続けに斬られた。

どんどんハートのボックスが減っていった。


「く……!」


息があがる。抗うことも許されず、そのままレガシーは倒れ込んだ。

意識が遠のいていった――


GAME OVER


→リトライする

ゲームをやめる




3、魔法小学校Try2




武器ポーチに勇者証を入れて、レガシーは自宅を出た。


途中、道端にある朝市の売れ残りの菜の花を見つけた。100ゼニーと書かれた缶に100ゼニーを入れると、菜の花をむしゃむしゃと食べた。お陰でハートのボックスが2個、回復した。

ファイトゲージを使い、魔法小学校を目指した。


魔法小学校に近づくにつれ、不穏な音楽がどこからともなく流れ始めた。

門の前には、門番と思われる魔物が二匹、剣を振りかざして待ち構えていた。

門を通ろうとしたが、奴らに剣で制された。


「何者だ!?」

「この魔法小学校に通う賢者の勇者だ。通せ」

「勇者証を携えていない者は通せぬ。見せろ!」


→A、これです

B、持っていません


勇者証を見せると、不穏な音楽があっさり止まった。簡単に門をクリアすることができた。


校舎に入ると、土足厳禁のため、多くの勇者が武器ポーチからビニール袋を出して靴を入れていた。

勇者は武器ポーチを見たが、ビニール袋がなかった。仕方なく、邪魔にならないよう隅の方に寄せて靴を置くことにした。


すると、どこからともなく不穏な音楽が流れ始めた。


「何者だ!? そこへ置いてはならん!」


見ると、魔物が叫んで近づいてきた。


「この魔法小学校に通う賢者の勇者だ。なぜ置いてはダメなんだ」

「ここはマンモス校だ! 一人が置けば『置いてええんや~』ってなって勇者の靴で溢れるではないか! このような愚行、何人なんびとたりとも許さぬ!」

「ほとんどの勇者は持ってきている! うっかりさんは私ぐらいだ! 一足ぐらいいいではない……」


ザシュ!!


レガシーは倒れ込んだ。

意識が遠のいていった――


GAME OVER


→リトライする

ゲームをやめる




4、魔法小学校Try3




チダイイ村のソダイー店で、ビニール袋とスリッパを合計210ゼニーで買うと、レガシーはそれらを武器ポーチに入れ、勇者証が入っていることも確認してから、ようやく魔法小学校に向かった。なかなか懇談の宴までいけないのが歯痒い。


勇者証を見せて門を通過した。武器ポーチからビニール袋を出して靴を入れ、スリッパに履き替えた。


遂にレガシーは賢者の元へ向かうことを許された。


魔法小学校の内部は、巨大な洞窟のようになっていた。薄暗く、でこぼことした土の壁の洞窟が、遠くの方まで延々と続いている。それは巨大な生物の喉のようで、歩いていると、まるで飲み込まれていくような錯覚に陥った。


時折、蝙蝠こうもりが羽ばたいて通り過ぎていく。レガシーの心は何度も折れそうになった。


レガシーの賢者は、地下二階の突き当たりにあるイチノサンというほこらが学びのらしい。ここで懇談の宴という闘いが行われるのだ。


すると、またもや蝙蝠が通り過ぎていった。嫌な予感がする。

レガシーは息を殺しながら、更に奥深くへと突き進んでいった――


→セーブする

読んでくださって、ありがとうございました。

次回に続きます。次回で完結予定です。

評価も★★★★★のように入れて頂けると、凄く嬉しいです。書く気力が沸いてきます。どうぞ、よろしくお願いします。

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