プロローグ#1
プロローグ#1
秘密は、多い方が楽しみは増える…だろ?
これはまだ…ほんの先のお話。
こんな未来が訪れるなんて、私は何一つ想像が付かなかったな。
ふと思い出す。
私が辿った、夢も希望も無いような現実の事を…
夢を見ていたんだ。
そして憧れだってあった。
憧れを抱いて、年を重ねるにつれ世間からは「拗らせている」と白い目で見られ続けて…
少しでも夢の舞台へは近づいていったのに…
憧れの人は、、更に遠くの世界に居るみたいで、、、ずっと自分が許せなかった。
あの人のように美しくない。
あの人のように笑顔で立ち振る舞えない。
あの人のように声が可愛くない。
あの人のように、あの人のように、ってずっと自分を追い込んで…追い込んで‥‥
比べていた。
今思えば、あまりにも馬鹿げてるなって…本当にそう思うんだ。
私は私の世界が
彼女には彼女の世界があって
その“世界”が違うなんてごく普通で、当然の事だって言うのにね。
おっと、、お喋りが過ぎたかな?
さてと、、、
「緊張してる?」
「い、、いえ…!そんなことわわ‥‥」
「よしっ、おまじないを掛けてあげよう!」
「おまじない…ですか、、?」
「そうそう!手を出して~」
「ひぅん!?」
小さく小刻みに震える手を触る…と、びくんっ…と身体が少し跳ねたのを感じる。
「あはは、、ごめんね…」
「い…いえ!それで、、どうして手を?」
「それはねぇ~、こうして‥‥こうして‥‥ほら、この掌に書かれた文字を飲み込んでみて?」
「文字…を飲み込む…?」
「ほーら、いいからいいから」
「え、、えーと…、、ハムッ」
戸惑いつつも、その掌にあるであろう字を口に勢いよく寄せ…小さな口で口内へ放り込む。
しかしその後…掌を見つめて、首を傾げてしまう。
「飲みましたけど‥‥これに何の意味が…?」
「えっとね、私が書いたのは…私の故郷の文字で言う…ヒトって言う文字を表す字なんだ」
「ヒト…ですか、、ぇ、、ミューア…人間を飲んじゃったですか…!?」
「あはは、字だから安心して、私の故郷ではね【どんな人が来ても丸呑みしちゃうくらいの心で立ち向かう!】みたいな、おまじないをこうして緊張してる時はやるんだよ」
「そうなんですね…!ミューア、人間丸呑みにしながら頑張ります!!!」
そう決意を述べながら「えへへ」と笑う彼女
「丸呑みにするくらいの心だからね~!って、、あはは、緊張はもう大丈夫そうだね」
「はい!これもユヴェーラ様のお陰です!」
「そんな事は‥‥っと、、そろそろ皆待ちきれなさそうだよ、行ってあげて」
「はい!ユヴェーラ様!行ってきます!!!」
彼女は輝かしい大舞台へと姿を消す。
私が望んでも成れなかった、その先へ…彼女はきっと進み続ける。
でも後悔は無い。
私と彼女では生きる“世界”が違うのだから。
私は私の世界を生きなければならないし
「守らなければならない」
「ユヴェーラさん!夜の部について相談が…って、、あれ…?今さっきまで此処に居た筈…だよな、、?あれぇ…?」
さぁ 始めようか
剣と魔法と音楽に満ち溢れた、異世界の新たなる歴史の一ページを。
存在自体が謎だが…神秘的で誰にも劣らない美貌を持つ少女、ユヴェーラ・リーフォン
何かに夢を抱き…幼いながらにして輝かしい道を進む少女、ミューア
彼女達が引き起こす奇跡は
この異世界に何を齎し、何を動かすのだろうか?
「期待しているぞ、七星 琉々歌」
「うっ、、なんだか肩が重いなぁ…」
あ、これ以上のあらすじはまだひ・み・つだぞ?
そこの観測者様方?
ども作者、神果みかんです。
って事で!思い切って新しいの作りました!
ゆっくり書きます!
そして、楽しく書きます!!
それが一番だと気付きましたから!
って事で…次話を、お楽しみに~!