事情聴取というやつ。
前話を一部内容差し替え済みです。
我は恐怖に震えている──目の前にはソファーに座り足を組んで我を見下ろす小娘…様。背後には真っ黒と言う形容しか仕様がない笑みを浮かべた邪神より怖い気配を持つ名状しがたき者。小娘…様の横には女従者が銀色に光る器具を器用にくるくる回しながら我を見ている。
我は前後に挟まれ小さくなった体が更に縮んだ用な錯覚を覚えた。
我の身体に何かベルトで括り付けられてるが、何ぞこれ?
何故に、こうなった。
そうだ。
冷たい水から無意識で身を守るために結界張った、我。
結界張った所為だか判らんが、我が言った「小娘、我を放置するな」が聞こえたらしい。
そんでもって──現在に至る。
なんか小娘様がめっちゃ偉そうなんだが……。
足組んで観察しにきてるー。
7~8歳の子供の子供らしさ何処行った……?
それでもって背中側は異様に寒い。なんというか冷気を感じる。
うん、あれだ。
名状しがたい恐怖の対象……。
思いっきり睨まれてる気がするぅー。
たーーーーすーーーーけーーーーてーーーー!
「部屋に結界張ってあるから会話出来んだろ」
「犬さんは何処から来たのかな?」
名状しがたい恐怖の以下略。
やっぱそーいうの出来るんですね。って我が聞きたいんですけどー。
「嘘つくと一応わかる器具つけてるからね?」
「……。」
えーっと、我……拾われた先やっぱり不味かった?
「答えられないの?」
小娘様、声がドス効いてますが……。
ねぇ、なんでそんなに貫禄あるのーっ!?
いや、アホ国王より貫禄あるんだけどー!?
「しゃ、喋りますってーーー!だから、睨まないでーーー!」
威厳が無いと言われればそれまでである……がっ、我、背に腹は変えられない……。
連中が怖い。
その一言である……。
我は喋った。洗いざらい。
何ならもう、聞かれてないこともおまけで喋っちゃう!
「……フェンリル、ねぇ……」
名状しがたい恐怖の以下略だと呼びづらいので……その邪神より以下略をエドワードと言った。
あれ……我、疑われてる?
「……神狼という割には神々しさは?」
何か手に持った器具をカシャカシャ鳴らしながら、小娘様の女従者──ユカと呼ばれてた──がどう見てもいかつい刃物で遊んでいる危ない女である。
ねぇ、何でそんな物騒なもの持ってんの……?
というか、我、下げられてる……?
「……良く見ると犬って言うよりタヌキに見える」
あっれ、タヌキが良く解らないけどさらっと酷いこと言われた気がするんだけどー?
何気に小娘様が一番酷い気がするんですけどー!?
「てか何で神狼が東京のど真ん中にいるわけだ?」
「……そんなの我が一番知りたいんだが」