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...一悶着ありながらもお茶会は滞りなく進んだ。
(そろそろ、アルフレッド第一皇子の話を聞き出さないと。)
「ところで、レオンハルト第二皇子。」
「いや、僕のことはレオンと呼んでほしいな。」
(え、嫌ですわ。というか、隣のローズマリンがとても睨んでくるのに気づかないのかしら。この人は。)
「では、レオンハルト様。お兄様のアルフレッド第一皇子はお元気ですか?なかなかお目にかかる機会が少ないもので。」
「ああ、兄上は、僕もあんまり会わないから分からないけど、元気なんじゃないか。あの人は何でもできる超人だからね。」
レオンハルトはとても嫌そうに言うと、
マリンローズが手でレオンハルトの頬を挟み、
真っ直ぐ目を見つめながら
「もう!レオンってば!いつも言ってるでしょ?
あなたはあなたで、お兄様とは違ってていいのよ。
あなたにはあなたしかない沢山良いところがあるんだから!」
と言うと、
「あははは。そうだよな。
元気出たよ。いつも、ありがとう。ローズ!」
笑顔で応えるレオンハルト。
(えっと、、、、何してるの。この人たち。
自分達の世界に入ってるのね。)
呆然としているレティシアにローズマリンが
「ああ!申し訳ございません。
いつもレオン、、いや、レオンハルト様にしていて。
レティシア様の前ですることではないのに...。」
(私は、こんなにレオンハルトと仲良いのよ?っていうアピールかしら?本当にくだらないわ。まあ、アルフレッド第一皇子の情報も全然ないようだし、帰るとしますか。)
「いえ、全然気にしてませんわ。
むしろ仲がとても良さそうで、羨ましい限りです。
では私はここで、失礼させて頂いてもよろしいでしょうか。」
ローズマリンはえ?嫌な顔しないの?みたいな顔で
キョトンとしている。
「ああ、そうだな。レティシア嬢、またお会いできることを楽しみにしています。馬車までエスコートさせて頂いても?」
「お願いしますわ。」
そう言い、レオンハルトの腕をとり、ちらりと
ローズマリンのほうを見ると
凄い顔で睨んでいる。
馬車に到着し、
「では、失礼しますわ。」
美しいカーテシーをし、レティシアは馬車に乗り込む。
(ふふふ。とても疲れたお茶会だったけど、あんな顔が見れたら、満足だわ。でもまだまだよ?レオンハルト、ローズマリン。地獄に落としてやるわ。)
レティシアが帰った皇城では、
「はあ、可愛かったなあ。レティシア嬢。」
惚けるレオンハルト。
「そ、そうね。」
(はあ?私の方が可愛いに決まってるでしょ?
レオンの隣は私なの。決まってるの。
なんなの公爵令嬢だからって。むかつくわ。
...あの人に相談しなくちゃ。
あの女なんか無茶苦茶になればいいのよ。ふふ)