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トントン


「お嬢様、おはようございます。

入ってもよろしいですか。」


「どうぞ。エマ。おはよう。」


エマはにっこり笑顔を私に向けてくれる。


「今日は第二皇子と初めてのご挨拶ですね。

もともとお嬢様は美しいですが、今日はいつも以上に

美しくしましょうね。」


張り切るエマに対して私は、

「いや、ほんとほどほどでいいからね。

ほどほどで。」

と呆れた笑みを浮かべるのであった。


「お嬢様。ドレスはこの間、購入した青いドレスにしようと思うのですが、アクセサリーはいかが致しましょう?」


「んー、ネックレスはアクアマリンにして、イヤリングもお揃いにしようかな。ブレスレットは、、あ、そうだ。このブレスレットにしてくれるかしら。」


そう言って、机の中にしまっておいたアルから貰った

魔法石のブレスレットを取り出す。


「とっても綺麗な色のブレスレットですね。かしこまりました。」


着々と準備を進めていると、


トントン


「ちょっといいかい?レティ。」


(お父様の声だわ。昨晩はお城に行ってたのよね。)


「はい、どうぞ。」


少し疲れた様子で部屋に入ってくるお父様。

「おおー!とっても綺麗だなあ。

ますますアイリスに似てきた!」


アイリスとは、私を産んで亡くなった母のことだ。


「とっても綺麗だよ。レティ。

あ、話というのはだな。レティ、君がレオンハルト第二皇子の婚約者候補というのは、この前伝えたよね?」


「はい。以前、朝食のとこに仰ってました。」


「んー、それが、最有力候補になってるみたいなんだ。

レティは荷が重いと言ってたから、昨日、国王に候補から外してくれと言ったんだが、なかなか他の貴族がうるさくて、無理みたいなんだよ。すまない。

まだ決まった訳ではないんだが、一応伝えておこうと思ってな。」

少し肩を落としながら話すお父様に対し、


「お父様、私のためにありがとうございます。

王命なので、仕方ないです。」


(お父様も、板挟みで難しい立場...これ以上は迷惑は掛けられないわ。私が頑張らないと。)


お父様に心配な目で見送られながら、

城へと向かう馬車へ乗り込んだ。


馬車の中では


「お嬢様、大丈夫ですか?

顔色が少し悪いようですけど、、、。」


「大丈夫よ。ありがとう、エマ。」

(殺された相手に会いに行くのだから、

そりゃ顔色も悪くなるわよね。

前回と同じだと、馬車から降りると

レオンハルトがエスコートに待っていて、

庭園にいくのよね。

そこで、お茶会がはじまる。

始まってそうそう、マリンローズが来て、

紹介されるのよね。

あの時は仲良くなろうと必死だったから、

流してたけど、普通、婚約者候補が来たら

他の女を呼ぶのは非常識だわ。

ああ、、本当に行くのが嫌だわ。

このまま着かなければいいのに....)


私の思いも虚しく、馬車は城に着いてしまった。


ガチャ


「レティシア・フォード公爵令嬢!

お待ちしていました。

私はレオンハルトと申します。どうぞお見知り置きを。」


金色の髪を靡かせ、手をすっと差し出してくる様は

まさに絵本の中の王子様のようだ。


(....私はこの見た目に騙されたのよね。)



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