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…部屋に戻った私は困惑していた。
(明日って?いくらなんでも早すぎるわ。
いや、まって。前回も次の日だったわね。
すぐ会えて嬉しい!だなんて。思ってしまってたもの。
はあ、最悪だわ。
明日に備えて、少し情報を整理しないといけないわね。)
私は机から、日誌とペンを取り出し書き出した。
(婚約者候補ということは、私は今10歳。
思い出すのも嫌だけど、レオンハルトもローズマリンも同じ年齢だったわね。
ちょっとまって、レオンハルトにはお兄様がいたわよね?
2歳違いのアルフレッド第一皇子...
確か、正妻のエミリア様の子で、今から1年後に馬車事故で亡くなるのよね。そこから、エミリア様も体調を崩されて、追うように亡くなるのよね。
………ん、ということは、まだこの事故は防げるんじゃないかしら?そしたら、第一継承者であるアルフレッド第一皇子が、国王になる。
レオンハルトは国王になることは出来ないし、ローズマリンも皇妃にはなれず、私を処刑することはできないんじゃないかしら……?
よし!とりあえず、アルフレッド第一皇子の事故を防ぐことから考えてみよう!そしたら、何か変わるかもしれない!
明日は、レオンハルトから情報を収集することにするわ。)
トントン
「お嬢様。よろしいですか?」
「どうぞ。」
エマは一枚の手紙を持ってきた?
「クロム家からお茶会のお誘いですが、いかがされますか?」
(アリーシャ・クロム侯爵令嬢ね。以前は、婚約者候補で大騒ぎだったから出席しなかったのよね。それで孤立してしまった。そのせいで、レオンハルトとローズマリンなんかに依存してしまったのよ。)
「行くわ。便箋を用意してちょうだい。」
エマに便箋を用意してもらい、承諾の返事を書く。
「これをクロム家に返信しておいて。
あ、あと何を手土産にしようかしら。」
「んー、では最近出来たはやりのお菓子など如何ですか?
宝石みたいに綺麗で可愛くて、
とても美味しいみたいですよ。」
「そうなの?見てみたいわ。
今日は午後、予定は無かったわよね。
街に行ってみようかな。準備お願いできるかしら?」
「かしこまりました。」と、エマは足早に部屋を出た。
昼食も終え、街にいく支度を整える。
「久しぶりの街ね。そのお店以外にも色々みて回りたいわ。」
エマと談笑していると、
トントン
「お嬢様、馬車の準備ができました。」と
護衛騎士がやってきた。