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....おじょ...お嬢...お嬢様....
「お嬢様!!!!いつまで寝てるんですか!
起きてください!!」
「、、はっ!!い、、生きてる?」
「何言ってるんですか?もー寝坊なんて、珍しい!
大人っぽいと思ってましたが、お嬢様もまだまだ子供なんですね!ふふっ!」
そういって、優しい笑みを浮かべるのは、専属侍女のエマだ。
「エ、、、エマ?あなた、結婚したんじゃなかったの?」
キョトン
「まだ寝ぼけてるのですか?まだまだ結婚の兆しすらないですよ?もーお嬢様たら。ふふふっ。」
笑うエマに対して、私は困惑していた。
(どういうこと?エマが結婚していない?)
ふと、手を見ると明らかに小さい。
ばっ!とベットから立ち上がり、鏡をみる。
(....なにこれ?子供の時の私?私、死んだわよね?)
首を触ると今でもゾクッとその感覚が思い出させる。
(...夢だったのかしら?いや、違うわ。あれは絶対に現実だった。信じられないけど、巻き戻った...のかしら?)
「お嬢様?そろそろ朝食の準備をしないといけませんよ?」
その言葉に、はっ!となり
「エマ!お父様とお兄様は?!!」と尋ねる。
「??一緒に食べられますよ?
公爵様は戦争も終わられましたしね。」
(よかった、、。お父様もお兄様も生きてるのね。ちょっと待って。戦争が終わったってことは、私が第二皇子の婚約者候補に選ばれる頃じゃなかったかしら?候補に選ばれて、舞い上がった私はお父様に婚約者になれるようにわがままを言ったのよね。はあ。ほんと愚かだわ。今度は絶対選ばれないようにしないと!)
準備も終わり、朝食会場に向かう。
ギィー
「おはようございます。お父様、お兄様。」
美しいカーテンシーで挨拶をするレティシア。
「ああ、おはよう。レティ。」
優しい笑みを浮かべるお父様。
「レティ。おはよう。珍しく今日は遅かったね?
はやく食べようか。」
優しく気遣いながら、ちょいちょいと手招きして呼んでくれているお兄様。
(...だ、だめ。泣いちゃ。変に思われちゃう。)
その姿をみて涙が出そうになったが、
ぐっと堪え席に座るレティシア。
……カチャカチャ
「ところで、レティシア。皇族とかに興味はないかい?」
「え?皇族ですか?」
「父上。それではレティに伝わりませんよ?
きちんと伝えたほうがいいのではないですか?」
はあ、と呆れ顔のお兄様。
「うむ。それもそうか。」
と髭を触りながら、頷くお父様。
「レティ。レティに第二皇子の婚約者候補の打診がきている。何度か第二皇子にお会いしたりしないといけないんだが、、
どう思う?」
(あ、これは巻き戻る前にも言われたわ。
今日だったのね。婚約者って言われて、舞い上がってしまったのよね。)
「そうですか。王命と言われれば、仕方のないことです。
会うことは会いますが、私は婚約者は嫌ですわ。」
ときっぱり断る私に対し、お父様は驚いて
「そうなのか?
てっきり、レティは皇妃になりたいと思っていたぞ?」
私は慌てて、
「え、以前は憧れはありましたけど、やはり私には荷が重いと思いますの。」
「そうなのか。まあでも、候補になってしまったからお会いだけはしないといけないんだ。わかるね?」
「それは承知しております。お会いするのはいつですの?」
お父様は、困った顔をしながら、
「えっーと、それが明日なんだ。」と言った。