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…………どうして、こうなってしまったの。


寒く暗い牢獄にポツンと1人の令嬢が佇む。

かつては、美しい銀髪だった髪もお婆さんのような白髪のようになり、絶世の美女と謳われた面影はもうない。


カツ、カツ、カツ、、、


「言い様だな。レティシア・フォード。

お前にはここがお似合いだよ。」


目の前にはかつての婚約者、レオンハルト第二皇子がいた。


「レ、、、レオン、、、。」


「その名を呼ぶな!罪人が!

その名を呼んでいいのは、ここにいるローズただ1人だ!」


隣には美しいピンクブロンドの髪を持つ令嬢、そして私の親友ローズマリン・ゴーン男爵令嬢がいた。


「やめて、レオン!レティを追い詰めないであげて。あなたのお父様である、この国の王様を暗殺してしまったことは許せないわ。でも、それは法が裁いてくれるって信じてる。レティ?罪を認めて、()()()()()()?」


優しい笑みを浮かべるローズは、

牢獄に舞い降りた天使のようだった。


「ローズは本当に優しいな。おい、レティシア。

明日、お前の刑が決まる。俺は絶対お前を許さないからな。」


そう言い放ち、レオンは行ってしまった。


1人残ったローズは、私に

「ねえ、レティ?なんでこんなことになったかわかる?」


「ロ、、ローズ!私!やってないの!

あんな優しい王様を殺すなんて、あり得ない!

ローズなら信じてくれるよね?!」


そう叫んだ私に

「知ってるよ?レティがやってないってことは。

だってね?やったのは、私だもん。」


ローズは美しい微笑みを浮かべた。


「........え?」


ローズは語りだした。

「私ね、レオンのお嫁さんになりたかったの。

子供の時からずっーと。でもね、邪魔者がいたんだあ。

それがね、レティ?あなたよ?

公爵の娘なんだかしらないけど、私はずっーとレオンの隣にいたの。あなたより、レオンのこと知ってるし、愛してるわ。

だからね?どうやったら、あなたを消せるかずっと考えた。

そしたらね?ある人が教えてくれたのよ?

この方法を。

あなた本当になーんにも気づかないんだから!

楽しかったわあ。

でもね、、もうそれも終わり。

悪役のあなたが死んで、主人公の私はレオンのお嫁さんになって、皇妃として幸せに暮らすのよ。

よかったわね?大好きな親友の踏み台になれて?

よかったわ。最後に話せて。

じゃあね?大好きな親友、()()()()()。」


ローズは美しいピンクブロンドを靡かせ、

私の元を去って行った。


私は呆然となり、その去って行った跡を

ただただ見つめていた。


.......翌日


「判決を下す!罪人、フォード公爵家、レティシア・フォードは国王暗殺の首謀者とし、死刑に処す。フォード公爵家は取り壊し、公爵家みな死を持って罪を償うこととする。」


処刑台の上には、父であるクレイモント・フォード、兄のエイモンド・フォードの姿があった。


「っー!!!!お父様!!!!

お兄様!!!」


ガシャン!!!!!


(あ、、あ、、私のせいで、、、、。

あんなに優しかったお父様とお兄様が、、。)


コツコツ、、、


涙でぐしゃぐしゃになった顔をあげると、

そこにはローズが。


「最後にレティとお話したいと思ったの。」


そう涙ぐみながら言い、私に耳元まで近づいてきた。


「この姿を見るために、あなたの処刑を1番最後にしたのよ?ふふっ。ほんといい気味だわ。」と呟き、


「あなたがしたことは、許されない。けど、あなたと過ごした日々は忘れないわ!私はあなたの分まで幸せになります!」


と、涙を流しながら高らかに宣言するその姿に、観衆はわぁーと歓声をあげ、拍手が鳴り響いた。


処刑台の上にのぼり、こう思った。


(.....私は家族をこんな目にあわせた、絶対にあいつを許さない。あいつ達を許さない。

死んでも、()()()()()()。)


ガシャン



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