鏡よ鏡、46
チャイムがなった。 「…」
今日は
わたしだめになっちゃうだろうな
秀を確認して解錠した。
「入っていい?」
ひとみは頷いた。
秀の指は瓶詰めの水飴にそうっと沈ませるような 浸すような
「秀ちゃん?」
ひとみの二本の指を秀の唇にあてて、中に滑り込ませた。秀の口の中の粘膜を撫で上げて
「こんなかんじにして…」
秀は口の中のひとみの指の動きと同じになるようにした。ひとみは秀の唇を捻ってつねった。秀の指も捻ってつねる。
わたし、どうしてこうなんだろ…そうか…わたし…いま欠落を埋めようとしてるな…男と別れたいときは…男から失踪したいときね…イキたいときは、自分から失踪したいときね…