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第7話 衝撃
「ヒ…ヒロミ~!!」
グッタリして動かないヒロミを
ユージが抱き抱え
車まで運ぶ…
息はある…ホッとする反面
どうしたのかわからなく
パニック状態のユージ…
かすかな声でヒロミが言う
「薬があるから…」
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
あれか!!とユージが思い出した
しばらく肩で呼吸をしていた
ヒロミが小さな声で言う
「心臓がね…もたないんだって…」
ユージはこれまでの人生で
味わったこともないような憤りを感じ
拳を握りしめた…
気持ちを無理に抑えながら
ユージが言う「いつから…なの?」
「……子供の頃からよ…」
顔色が戻りつつあるヒロミが
またあの笑みで答えた
何も知らなかった悔しさと
手立てを思いつかない自分に
ユージは震えた……無力だ…