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蜃気楼の先へ  作者: ナオクール
7/31

第7話 衝撃

「ヒ…ヒロミ~!!」

グッタリして動かないヒロミを

ユージが抱き抱え

車まで運ぶ…


息はある…ホッとする反面

どうしたのかわからなく

パニック状態のユージ…

かすかな声でヒロミが言う

「薬があるから…」


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

あれか!!とユージが思い出した


しばらく肩で呼吸をしていた

ヒロミが小さな声で言う

「心臓がね…もたないんだって…」

ユージはこれまでの人生で

味わったこともないような憤りを感じ

拳を握りしめた…

気持ちを無理に抑えながら

ユージが言う「いつから…なの?」


「……子供の頃からよ…」

顔色が戻りつつあるヒロミが

またあの笑みで答えた


何も知らなかった悔しさと

手立てを思いつかない自分に

ユージは震えた……無力だ…

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