第6話 回想
待ち合わせをした場所に
ヒロミが現れた
ユージは思わず絶句した…
ユージの記憶にある
清楚で腰にまで届くような髪の長い
制服やスーツの似合っていた
あのヒロミではなかった…
長かった髪は
短く肩までになって
以前よりも痩せていた
と言うより…やつれている
何かあったと
一目で分かるほどに
猛暑の中歩いて来るには
そうとう辛かったのか
息も荒く…むしろ…
苦しそうなヒロミに
ユージは戸惑いから
ヒロミに近付くまでに
多少の時間がかかるほどだ
「どうしたんだ…?」
久々の挨拶よりも先に
ユージの口をついて出た言葉だ
「…うん…」
息を整えながらヒロミは
ほんの少しの笑みを浮かべながら
ユージを見た…
「あのね…私…持病があったの…」
「!!」
ユージは稲妻に打たれた様な
衝撃が全身に走った
そして•••
付き合っていた当時…
同じ様に苦しそうなヒロミを
見た事を思い出したのだ
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車で山へ 涼みに行き
河原で足を浸しながら
歩いていた時のこと
「水が飲みたいな…」
そう言うヒロミをそこへ残し
車へと飲み物を取りに帰るユージ…
戻ってみると驚く程の
汗をかいたヒロミがグッタリしている
「ヒ…ヒロミ~!!」