第31話 最終話
寒い日が続いたある日
職場から家路に着く頃には
かなりの雪が積もり
車の流れも悪かった…
信号が赤になり、先頭車輌のユージ
自転車で走ってきた人が
ユージの目の前で転んでしまった…
思わず車から飛び出して
抱きかかえると女性であり
彼女は辛そうな声を出し
「すっ…すみません ありがとうございま…」
!!!
なんと!!
それはカオルだった
「大丈夫か!?」
ユージは自転車を片付けると
カオルを車に載せ病院へと向かった。
医師からは打撲だから…とのこと
二人でホッとしていると
カオルがポツリとつぶやいた。
「やっぱりユージくんじゃないと
私ダメだと思う…」
恐らくユージは今ごろになって
分かりきっていた自身の決断が
あまりにも遠回りだったことを
痛感させられた。
何日かしてユージはカオルを連れ
ドライブへと出かけていた。
ある場所へと向かっていたのだ
そう…ヒロミの墓前に…
カオルは初めて
ヒロミの亡くなった事実を知り
また、ユージが自分と過ごさなかった
時間の意味を深く理解していた。
「ヒロミさん
ユージくんは私が必ず幸せにするから
現実の世界では一緒に居させてください。」
カオルはあえて声にして
ユージへと伝えたようだった
あの夏の出来事から早くも5年が過ぎ
ユージとカオルの間には二人の子供がいる。
ユージは
子供達のはしゃぐ姿を見ながら
心の中で語っていた。
「幸せな時間をありがとう
これからもっと頑張らなきゃな…
そして…ゴメンね
君のところへは行けないけど…
たくさんのこと本当にありがとう」
そして
ユージとカオルは
海の遠くに浮かぶ蜃気楼を指差し
子供達といつまでも
見ていた
ユージ
カオル
ヒロミ
それぞれの立場や気持ち
伝わりましたでしょうか?
たくさんの方々本当に
最後まで
読んで頂きありがとうございます
内容や設定について
作者自身、初投稿なので
ツッコミどころ満載かと
思いますが、何か感じるものが
伝わってくれたら、と思います
次作がいつになるのか
分かりませんが、
執筆の魅力がなんとなく
見えた気がしております
今後とも暖かい目で
見守ってください




