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第3話 不安
「あのね…相談があるの…」
どこか頼りなく力の抜けた
ヒロミが言うその言葉に
ユージは拒めない事を悟った…
近々…会わなければ…
電話を切り
歩き出しながらユージは考えていた
しかし…こんなことを
カオルに話せる訳もなく
どうしたものかと…
たどり着いたアパートで
既にカオルが夕食の用意をしていた
「ただいま…」
ユージは電話のことを悟られない様に
声のトーンを上げた
「お帰り~♪」
明るく笑顔の絶えないカオルには
いつものユージと違うことが
分かっていたが、あえて聞くことは
しなかった…
そのうち話してくれるはずだし…と
何日か経ったある日…
その日休みのユージは
「今日はちょっと実家に行くから…
遅かったらご飯食べてて…」
出勤前のカオルに伝えた
「えっ…あ…うん」
今までに無かった行動に
カオルは不安を抱いた…
この前帰って来た時みたいな顔してる…