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第28話 迷い
「もう…いいんじゃない?」
カオルの放った言葉が
カオルの表情が
頭から離れずにいたユージ…
だが…何かを伝えようと
一生懸命なヒロミに
背中を向ける様なことはしたくないと
あくまでも
自身の信念と決断に従順なユージ。
ヒロミの退院後、何日かしたある日
ユージはヒロミをドライブへと
連れ出していた
本来なら ヒロミが
神秘的で好きだという
蜃気楼を海まで
見に行くつもりだった
夏だけではなく
通年、天気が良ければ
見られるのだと••••
しかし
まだ体調は油断を許さないだろうと
遠出を避けた…
川のせせらぎが聞こえる場所に
車を停めると
ヒロミが口を開いた。
「あのね…
また、手術が必要なんだって…」
ユージは絶句した…
そして
電話をしてきた時の元気の無さと
今までの全ての謎が
解けた瞬間でもあった
ただでさえ、華奢な体に
再度メスを入れるのか…?
やっぱり、あの時
医師が父親を呼び出した訳は
これだったんだ!!
何かあれば即検査や
手術を迫られるだろうと
ヒロミは知らされていないのか
ユージは言えずにいた事が心苦しかった…




