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蜃気楼の先へ  作者: ナオクール
27/31

第27話 優しさ

工場で仕事をしていたユージの

携帯電話が鳴った…

それは…ヒロミからだった


退院を認められ

今度はゆっくりと話せるという

嬉しい気持ちとは裏腹に

ヒロミの声のトーンが低いことに

ユージは不安を覚えていた


見舞いに行く度に

早く退院したいと願っていたヒロミが

なぜ、あんなにも落ち込んだのか…

念願叶ったはずだろ!?

ユージは術後の経過が

気になって仕方が無かった



その翌日…

カオルが差し入れてくれた

弁当箱を返し忘れていたことに

気がついたユージは

キレイに洗った弁当箱を

カオルの店へと届けに出向いた…


「気にしなくて良かったのに…」

優しい口調でカオルは答えた。

そして、

ユージの頭へと目を向け

続けて言った

「いい加減…髪切ろうよ

今日は暇だから切ってあげる♪」


微笑みながら店の中へと招き入れ

ユージの髪を切り始めると

離れてからの生活のことや健康状態…

それは心配で仕方がないと

いったところだろうか…


「まだお見舞い行ってるんでしょ?

病気の娘…どうなの?」


「!?」

ユージは思わずカオルを見た…

目を合わすこともせず

淡々と髪を切り続けるカオル


「手術は無事…終わったけど…」

そのハッキリしない結果にカオルは

「何? 何かあったの?」


ことの経緯を説明し

結果的にこの先も会い続けることを

告げてしまったユージ…

そこで初めてカオルの表情が曇った

「ねぇ? もう…いいんじゃない?」

何かを断ち切る様に

言い放った言葉に聞こえた…


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