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第26話 不明
久々のあいさつに
工場まで弁当を届けに来たカオル…
ユージは複雑な心境だった。
なぜなら…
ヒロミを見舞った帰りに見た光景が
脳裏に焼き付いていたからだ。
仲良さそうに話をする
カオルと見知らぬ男性の存在…
今ごろになって弁当を差し入れなど
ユージはカオルの行動が
さっぱり分からなかった…
あれ以来…カオルの所へは
髪も切りに行っていない
ただ…ひとつ言えるのは
泣き晴らした様な顔はしていなかったことに
ユージはほんの少しの安心があった…
ようやく気持ちも落ち着き
ユージのことを振っ切れたのか…
いつか見た男性とのデートに持って行く
手作り弁当だったんじゃないのか?
カオルは自身の身をもって
確かめに来たのかも知れない
会っても泣かずに居られるのか?とか
だとしたら…
最初で最後の差し入れ
なるかもしれないな…
そう思ったユージだった。
何日か経ち…工場での作業をしている
ユージの携帯電話が鳴り響く…




