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プロローグ

初めての投稿作品です。初心者なりに頑張ります。

『この御伽噺は設定からして馬鹿げている件』






魔法。それはファンタジー小説では定番と言えるファンタジー上の存在にて非現実的存在。それ故に、魔法の定義は物語によって様々である。魔法の使用には魔力を必要としたり、逆に魔法は詠唱のみで魔力の消費を必要としないものも。詠唱の長さによって魔法の威力が変化すれば、逆に魔力の消費が増えるだけで詠唱を必要としないものなど、魔法そのものの理解まで違うことだってある。

そして、魔法と近い存在の魔術も同様である。魔法と魔術をイコールと捉える場合もあるが、魔術は基本魔法とは違う見解が多い。魔術がだまし技のトリックとするなら、魔法は非現実的現象を引き起こすチート技である。魔法とは魔術の上位であり、次元が違う程、効果や威力が違う。しかし、ファンタジー世界の中では、魔法のような力業では世界観のボス的存在の、例えば魔王に挑もうとしても勝てないのが定番である。戦略を必要とされるものなら、尚更魔法より魔術のほうが戦況の覆しに打ってつけなのだ。つまり、ファンタジー世界において力のあり方は、必ずしも強ければ言い訳ではない。ましてや、ドラ○エや、ファイ○ルファンタジーの村人が勇者が現れる前に魔王倒したら面白いだろう。物語は面白ければ勝ちなのだ。勇者は現れてそうそう、村人に出し抜かれて魔王を倒されたと知れば、どんな顔をするだろうか?魔王を倒した村人に恐怖するか、もしくは唖然とし、立ち尽くすだろうか?

さて、そろそろ本題だ。この物語は、魔王を倒した村人がこのファンタジー世界を支配し、勇者を家畜にした物語。その可哀想な勇者を助けるべく、魔王の子孫が村人に挑むというおかしなお伽噺。




1話



世界は変わった。この世界の絶対的支配者であった魔王が倒され、今や恐怖するものがない。その魔王を倒したのは紛れもなく勇者……ではなく、村人だった。そして、気づいたのだ。意外に自分達の存在はこの世界にとって大きな存在であったことに。魔王に怯え勇者を待たなくても、村人が団結すれば魔王以上になれると。想像しえなかった出来事に、このファンタジー世界はそれでも、何でも起こりえると。ならば、あり得るのではないのか?この世界の支配者が我々(村人)であっても。

それからは早かった。村人は自分達の国(世界)を築き、出遅れてやって来た勇者を捕まえ、自分達に従わせるようになった。



ここには魔界の森。

「ゴードン、どうだった?奴は見つかったか」

ゴードンと呼ばれた男、元は村人Aと言う名だったが、今はちゃんと名前が存在した。体つきは頑丈で村では鍛冶屋をやっていた。武器の製造はプロで、中でも取扱いに難しいオリハルコンを使用した武器を作れる。元は勇者の為に最高の武器を用意するつもりが、魔王討伐の一件で自分で使うことなった。鍛冶屋は、武器の試し切りと言う武器の性能の確認に、どの武器でも使い慣れなければならなかった。だから、武器の扱いは一通りできる。つまり、村人でも戦いは出来たのだ。

彼は魔王討伐のメンバーの1人『炎天のゼロ』だった。そして、そのゼロのゴードンに声をかけた男もまた、魔王討伐メンバーの1人『旋律の歌い手・九九』だった。歌い手の九九は村の教会の神父さんだった。ドラ○エで言うザ○リクを使える、頭の上が寂しいおっさんだ。

「いや、まだ見つからん。魔王の残党はあらかた始末したからな」

「だが、残党が1人でも生き残りがいたら厄介だと言う村長の言う事もしかりだ」

「分かっているが、世界に散らばったやつらを追いかけるのは、やはりそう簡単ではないな」

「泣き言は聞きたくない。私も少し参っているのだ。こっちまで、やる気を無くす」

「すまん」

「まったくだ。やつらを誘き出す作戦も、どれをやっても奴らは出て来なかったんだ。地道にやるしかあるまい」

「そう言えば、勇者の中に敵を索的できる魔法使いがいたが使えないのか?」

「家畜の女か。子供に見えて魔女。私は、あの歪ましい能力者を今すぐ火あぶりにしたいが、まぁ……索的魔法は使えないらしい。敵と判断されなければいけないらしく、その魔法は逃げる相手を敵と判断しないとかで、全く役にたたないとのことだ」

それを言われ、ますます肩をすくめるゴードンは他の者に撤退命令を出す。

「ここには奴らはいない。他を当たるしかあるまい」

「次は魔界地下の洞窟か」

「森にもいないとなるとそこしかいないが、気になるのは魔王を倒してから、奴らを一度も見かけないのが少し気掛かりだ」

まさか、魔王を倒すと魔界の残党もやられたことなるのか?まだ、確定しない限りはどちらにせよ確かめる他ないが。

「洞窟か」

場所的に、こちらが不利になりそうな場所。だからこそ、そこに逃げ込んだ可能性が大だが、あまり行く気にはなれない。

「犠牲がでないのは難しいか」




その頃、勇者達は村の修復に労働を費やしていた。魔界からの怪物達がつけた爪痕は魔王撃破後も残っていた。その修復に勇者達は毎晩働かされていた。

最初は村人達がどうやって魔王を倒したのか気になりつつも、村復興に協力していた。が、数日後、村人から勇者の扱いは悪化した。最初は宿屋だったのが、牢屋になり、食事もパンと牛乳だけ。協力が、いつの間にか従わされていた。

どうやら、村長の命令らしいそれは、その扱いに難なく抵抗できたものの、勇者が村人を襲うことは出来ず、またこの扱いの理由には納得できるものだった。

村人の声は、「早く現れ魔王を倒してくれれば、我が子は失わずにすんだ」、「今更勇者様が出てきて、何をしてくれるの?魔王が倒された後に出てきたのは、実はわざとじゃないの?この卑怯者!」まぁ、色々罵倒され勇者は心が折れたのだ。抵抗する気を失った彼ら勇者は、せめて村の復興ぐらいでも力にならないと、勇者の存在意義が完全になくなってしまう。まぁ、魔王が倒されただけでも存在意義はないも同然ではあるが、彼らにとっては復興に向けての労働が唯一の慰めであった。だから、別に扱いについても今更抗議の申し出をだす理由はなかった。



しかし、勇者達はまだ知らなかった。魔王に子孫がいたことを。





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