プリン
ナ「前回のおとぎ物語。狼さんは乙女」
赤「で。何で追いかけて来たんですか?」〈仁王立ちしてシンデレラを見下ろしています〉
シ[あの……なんと言えばいいか]〈正座しています〉
狼「言えばって……喋ってないじゃん」
シ[捨てられていたと言いますか。なんといいますか]
赤「捨てられた」
狼「なんかただならぬ事情があるみたいだな」
シ[ええ! そうなんです!]〈ページをめくる〉[もうあんな家には居たくありません。あんな]〈ページをめくる〉
[人のプリンを勝手に食べる家なんて!!]
狼「あ。なんかどうでもいいような内容だった」
赤「どうでもいい?」
シ[聞き捨てなりませんね]
狼「あれ? もしかして地雷踏んだ?」
赤「プリンと言う至高の食べ物のことをどうでもいいと言う狼さんのセンスには絶望すら覚えますね。埋まりますか?」
シ[あのプルプルした触感。カラメルとタマゴの運命の出会い。そこから織りなす味のハーモニー]〈ページをめくる〉[わからないなんて最低です]
狼(何故俺はプリン一つでここまで言われなきゃいけないんだ)「ああ~。わるかったよ。なら家帰ったらプリン作ってやるから勘弁してくれ」
赤&シ「[!!」]〈二人とも口からよだれ垂らしてます〉
赤「なら早く材料買って帰りましょう」
シ[スーパーならすぐそこにありましたよ。いや~楽しみです]
狼「痛いからリード引っ張るな。
てか。いつの間にかお前、家にくることになってるじゃないか」
シ[細かいことは気にしない主義です]
ナ「プリンの絆は厚かった」