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16、アイデアの枯渇を恐れるな!

 いやあ、本当にいるんですねえハ虫類宇宙人! MIBを呼んで捕獲してもらいましたよ。今頃アメリカで解剖されている頃でしょう。いやあ、持つべきものは友達ですねえHAHAHA。ま、宇宙人も来るバーということで箔もつきましたね、いっひっひ。にしても、あの毒液がついたあとの皮膚がやけに痛いんだけど大丈夫でしょうか。まあいいか! さあ仕事だ!

 おや、そこのカウンター席に座るはプロ目指して勉強中のアイハラさんじゃないですか。どうしたんですか、あなたに泣き顔は似合いませんよ。え、お前にそんな甘い台詞は似合わない? ははは、一本取られちゃいましたね。え、なんですって? 最近アイデアが枯渇してきたような気がしている? 昔みたいに手当たり次第描けなくなってきたですって?

 個人的にはいい傾向だと思いますけどね。

 え? 何が? ですって?

 うーん、そんなあなたには、イエス・アンド・ノーのナツメグ添えでも。ああ、お代はけっこうです。涙を流す乙女からお金を頂くわけにはまいりません。


 アイデアの枯渇。よく、プロの小説家がそんなことを言いますね。

 まあ、確かに小説を書いていくうちに、アイデアが枯渇したような気分になることがあります。とくに、大きな作品を書き終えた後なんかは虚脱感と一緒に頭が真っ白になって、「あ、もう書くものがないや」となってしまいます。でも、そうやって「書くものがない」と言っている作者さんの多くも、また何かを書く日々に戻るものです。

 それに、ですね。アイデアっていうのは、作り手であるからには普通に息を吸って吐いているだけでそのうち思い付くものです。

 そもそも、小説を書く人と言うのは、他人よりも物事の道理や本質に気づくことのできる、言い換えればすごく心が無防備な人です。なので、小説を書いている人というのはどういう風に生きていたってショッキングな出来事に出会ってしまいます。あ、でもですね、それは他人から見れば大した出来事じゃないんです。たとえば、上司に怒られた、とか、恋人と楽しい時間を過ごした、とか、友達と喧嘩をした、とか。普通の人がつい日常の風景としてやり過ごしてしまう日々の中で、小説家という人は、「そういえばあの上司、怒ってるときに鼻毛が出てたな」とか、「女の子ってああいう笑い方をするんだなあ」とか、「ああいう静かな立ち上がりからあそこまでボルテージって上がるもんなんだなー」とかいう驚きや気づきを経て、深く考え込んじゃうような人種なのです。ですので、そういう人はフツーに生きていればそのうちショッキングな出来事に出会って、またネタが浮かぶという寸法です。

 というか、むしろ、一度真っ白になるくらい書いてみた方が絶対にいいです。

 というのも丸屋、二年ほど前に本当に頭が真っ白になったことがありました。本当にもう何も書くものがない、どうしよう! と。でも、今でもこうして小説を書いているということは、やっぱりアイデアの泉がわいてきた、ってことなんですよ。

 そうですね、あの頃はとにかく旅行に行ったり音楽を聞いたり本を読んだりして色々と吸収してました。そしてある日、また書きたいという気分になってプロットを組んで書いていくうちに、また頭の中で物語が動き始めました。そうして今に至ります。

 これ、特にプロを目指して勉強中の方に向けて喋りますが、アマの内に「アイデアが枯渇した!」という状態を経験しておくといいと思います。どういうことかというと、一度経験して乗り越えたことっていうのは、次にやってきても対処可能です。それに、幾分精神的ダメージも小さく済みます。でも、プロになって初めてそういう経験をしてしまうとかなり精神的に辛いんじゃないでしょうか。

 なので、早いうちに一度枯渇させてみるのも一興です。

 ときに、そういうことを書くと、こうお思いの人はいませんか?

「アイデアを枯渇させてそのまま浮かばなかったら小説家になれないじゃないか!」

 うーん、そういう人は、申し訳ないんですけど、ちょっとアウトラインからあなた自身を見直した方がいいと思います。小説家になりたいから小説を書くっていうのは本末転倒です。小説を書き続けたいから人は小説家になるのであって、その逆はきっとすぐに行き詰ります。なぜなら、そういう人は小説家になった時点で目標を果たしてしまうからです。

 とにかくですね、アイデアの枯渇というのはよく起こりがちなことですし、そんなもんを恐れているようじゃあ楽しい創作ライフはやってきません。なので、いっそのこと、「枯渇」と仲良くなっちゃいましょう、というのが丸屋の結論です。

 アイデアが枯渇した時には遊び倒して、アイデアが浮かんだら小説を書くような、そんなライフスタイルを楽しむのだって人生ではありませんか!


 というわけです。

 いいじゃないですか、枯渇したって。

 そして、枯渇している今は暇なんですから、どうですか。僕と踊りませんかセニョリータ。

 うわ、殴るのは止めてください!

 え? 寝言は寝て言え?

 ええごもっともですからもう殴るのはやめて!


さらっと書いてますが、実は、20作くらい創作をしている方が筆を折る一番の原因はこのアイデアの枯渇だったりします。

なので、丁度それで悩んでいる方、頑張ってください。意外に粘ればイケるものですよ!

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