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第二話 ウィノナ・ウォーカー

 

 5 転身


 エノラは、前と同じ景色の中にいた。

 針葉樹と豪雪の森を抜けた先には、古い橋が続いている。橋は真ん中で途切れ、真下では炎が唸りを上げる。松枝を焦がし、転落した馬車を焼き尽し、黒煙が空へと舞い上がっていく。

 白と黒を基調とする悪夢が、いつものように広がっていた。

 視界が転じる。次々と映るのは、横転した荷馬車と、生きながらに炎で焼かれながら首をもたげて暴れる、二頭の馬。

 いななきは聞こえてこない。地面を叩く蹄の音もない。

 傍にある、大木の枝に胸を貫かれた馬方と同じであった。一杯に見開かれた白目。無数の皺。あらん限りに開けられた口。どちらも、筆舌しがたい断末魔を物語る。

 幼き日のエノラは仰向けに倒れ、火の粉が彩る空を見上げている。

 腕に力が入らない。骨が折れているという認識はあった。体中に棘が突き刺さり、顔も焼けていると分かった。すべての感覚が閉じている。

 ふと、視界に二人の顔が映り込む。若い男女である事までは分かる。双方の輪郭が黒く染まりはっきりしないのが、エノラには憎らしかった。

 同じタイミングで出てくる彼らの素顔は、いつもブラックボックスになっている。頭の中にある記憶の棚に鍵が掛かっているのか、別の自分が頑なに忘れようと中から抑えているのか、そもそも、目の前で繰り広げられている記憶が偽物で、実在しない、まったくの妄想か。 

 二人の霞みがかった顔は、いわば検閲という暗示なのかもしれない。何かしらの真実を知るのを恐れるあまり(誰が? ――私?)、肝心な箇所にインクを垂らしたのだ。

 ――お父さん……お母さん……。

 彼らのいる場所は、ずっとずっと遠くにある。星の数にもなる町や村を過ぎ、果てなき荒れ地を歩き、何度も峠を越え、氷の海を渡ってもたどり着けない、最果ての終着地はまだ程遠い。

 会いたい。その思惟だけが曖昧な思考を仄かに照らす。

 とうとう、二人が立ち上がり、エノラの視角から外れていく。

 ――行かないで。

 エノラは声なき懇願を漏らす。空しく、男女の姿は消えていった。また、いつものように自分は置いてけぼりにされたのだ。

 空が、月と星々と共に下がっていく。吊り天井のように加速し、空が地上へと殺到した。燃える森や荷馬車、馬や死体が次々と押し潰されて消えていく。

 夜空に圧迫される体。やがて骨が砕け、飛び出した内臓が破裂し、眼球が抉れ、体中の血が噴き出た挙句、溝の走る脳みそが弾け飛ぶ。

 消失する寸前、一際、のどの底から絶叫を上げた。

 幼女のエノラ・グリードも、阿鼻叫喚のパノラマもすべて消えた。


 薄暗い廃墟の中、十九歳のエノラ・グリードは叫びながら目覚めた。

 最初、首に圧迫を感じて咳込んだ。新鮮な空気を求め、喘息のような呼吸が漏れる。続いて、強烈な喉の渇きが襲う。顔や手をやると、結露のように汗でまみれている。首には、細い針金が巻かれ、背中の鉄柱に結んである。

 エノラは身を少し起こして、周りを窺った。

 鉄の骨組みが並ぶ、広い廃墟。地面には所々に一斗缶やドラム缶が置かれ、雪水が音を立てて落ちる。天井には照明がいくつか鎖と一緒に吊るされている。さらに、廃墟の中心には、大型のバッテリーが小さな駆動を立てている。過去の文明の置き土産であり、エノラも歴史書でしか知らない代物だった。今いる場所も同様だ。

 自分が生まれるずっと昔に、戦禍が何世代にも跨いで続き、代償として、この世界は永遠の氷河期にある。復興もままならず、人々は集落ごとに散らばり、細々と生活している。文明は冬眠し、大戦の遺物が荒れ地に放置されたままとなっている。

 ここの住人は、上手くそれらを使いこなしているようだ。

 確か、連中にここへ連れて行かれ――。

「おはよう」エノラの背後で声がした。

 慌てて振り返ると、古びたドラム缶の上に、見覚えのある少女がチョコンと腰かけていた。自分を拉致した野盗の頭脳、ウィノナ・ウォーカーであると、冷酷な言動と共に思い出すのに少し時間を要した。

 野盗に襲われている幼気な子供を熱演して、レイナードと呼ばれる仲間を自分達で殺しておいて、隠した戦利品を聞き出すためだけに甦生を要求し、断ると、無関係の商人を連れてきて、見せしめに殺そうとした。

 確か、儀式は無事に終わった直後に、意識が遠のいたのを思い出した。

はたして、レイナードの甦生はうまくいったのだろうか? もしくはとっくに目的を聞き出され、用済みにまた殺されたか?

 遅れて訪れた頭痛に顔をしかめつつ、エノラはすぐに否定した。もしもそうならば、自分や目の前の少女を含め、ここにいる者全員が死んでいるはず。

 “あれ”は、一般人が太刀打ちできる相手ではない。

「怖い夢でも見た?」

 ウィノナの一言に、思わず言葉に詰まる。薄い青のルージュを塗った唇を歪め、「夢の中で、アイツらに代わる代わるレイプされたとか……」

「甦生は、成功したのですか?」

 少女が無言で指さす先に、例の腫瘍が鎮座していた。もはや掌に乗る大きさではなかった。すでに一メートルに肥大化し、表面には膜が張っている。赤い液体で充満する水槽内で、人型に出来上がりつつ物体が漂う。

 エノラは、重荷が少し晴れた。ここまでならば、半分が成功したと言える。目測で、あと半刻ぐらいには、“孵化”が始まるだろう。

「ホントにビックリした。“プルートの民”は、嘘じゃなかったんだね」

「疑っていたのですか?」

「少し。でも今は信じるよ」

 少女はドラム缶から下りて、巨大になった腫瘍の周りをまじまじと観察するように歩く。赤い半透明の膜を通し、興味深げな大きな瞳が映る。先刻までの冷酷な振る舞いを無視すれば、純真な子供と変わらない。

 一周し終えたウィノナに、「水を少し、頂けますか?」

「お安い御用」と落ちていたガラスの器を拾い、息を吐いてコップを覆う埃を落とすと、端に置いてある一斗缶から雨水をすくった。

「犬の小便じゃない事は保証する」

 今頃になって気づいたのだが、首や足と同様に、両手が後ろに回されていたのが前に戻されて結んでああった。

 エノラは渡された器を引っ手繰り、一気に飲んだ。鉄臭い酸味が、乾燥した口内を刺激する。卑しい自分の醜態は容易に想像できる。それでも、エノラはすべて飲み干した後も、容器の隅々を舐めつくした。

すべては、生きるためだった。楽しげに眺める少女の視線も構いやしない。

 人間は余裕があると、些細な違和感に気がつくものだ。少女の服装が違う。確か、儀式までは紺色の地味な古着だったが、今では下はジーンズに、上は首の周りにファーのあるダウンジャケットを着ている。頭に被っている、迷彩模様のバンダナの向きも微妙に変わっている。水色のルージュも前より艶やかに光る。

 ウィノナは口笛を吹いて、ドラム缶に伸び乗った。瞬間、少し顔を歪めながら、股に手をやって擦るのを、エノラは見逃さなかった。

 彼女が咄嗟に顔を逸らしたのを怪訝に思ったのだろう、少女は「どうしたの?」と問い質した。

「え、と……あの商人は、今どこにいるのです?」

「三番のシャッターの中で寝てるよ」

 ウィノナが示す方に、二階の廊下の真下にある壁にシャッターが並んでいた。三番はちょうど真ん中にあった。もしかしたら、装備も置いてあるかもしれない。

「あなたはずっと彼らと一緒に?」

「うん、二年前ぐらいから、ずっと一緒に暮らしてんの」

 無理に言葉を濁しながら、エノラは言った。不躾だが、相手は野盗なので構う必要などない。燻っていた好奇心が勝ったと言った方が相応しいだろう。

「あなたは、あの男達に春を売ったのですか?」

「何それ? イミフ」

「いえ、何でもありません……」

 エノラが黙りこくっていると、ウィノナは何かつぶやいて、束の間、トタンの天井を見上げてから、彼女の方へ向き直った。大きな瞳が一際怪しく光る。

「したよ。あんたが寝てた間も、兄貴と」

 悪びれもなく恥ずかしげもなく……。エノラは言葉に詰まった。

「なぜ……」

「分からないかな? そうしなかったら、今頃はあんたと話してないよ」

「彼らに脅迫されて?」

「違う。最初の時、自分から裸になったの」

 エノラは目の前の少女が自分と同じ人間とは思えなかった。どうして、それまでに自己を蔑にできるのか。好きでもない行為で、連中に媚を売るのだろうか?

「なぜ、あなたは平気でそんな……」

「だから言ってんじゃん。そうしないと殺されるから。ついでに言うと、あの商人を殺そうとしたのも、あんたにハッパをかけるため。あんたが死ねば、腹いせにあたしまで巻き添えを喰らうかもしれないでしょ」

 ウィノナは、エノラがさっきまで使っていたコップを拾い、飲み口の汚れを拭く事なく、同じく一斗缶の水を飲んだ。少女の、薄いルージュの塗られた幼い唇が、跡の残る位置と重なる。

 何とも言い難い不快感に、エノラは思わず目を逸らした。

 水を飲み干すと大きな伸びをして、少女は言った。

「あたしのする事はね、全部理由があるの。ちゃんと理に適ってるの」

「例え理由があったとしても、あなたのしている事は――」

「面白いね、あんた。正しいとか、悪いとか、変なこだわりがあるんだ」

 この世界に共通した法律はない。村や街によって定められているが、中には旧時代的にくじや多数決、首長による恣意的な裁きで決められる場合もある。だが、目の前の少女には、法律以前に根本的なものが欠如している。

 否、そうではない。ウィノナには彼女なりのルールが、それも確固たる法が存在するのだ。子供は大人と違い、モノの見方が直進的で率直だ。オブラートを包まず、むき出しにした本質を基準に自己のルールを当てはめ、そして行動するのだ。

 本質的な要素とは、すなわち、自分が得をするかしないかのいずれか。

「あんたは、あたしをインランやキチガイか何かと思ってんでしょ? そこらのガキと違って、頭のネジが飛んじゃってるとか」

 ウィノナはドラム缶から下りると、エノラの前に腰を下ろした。

「でもね、あたしからすれば、あんたとはあまり違わないよ」

「似ていません。私とあなたとは、性別を除けば、生まれも年齢も人種も境遇も考え方も能力も、ついでに言えば、身長も体重も違います」

 一気に言い切ったエノラに、少女は盛大に吹き出した。

「あんた、面白いね! でも違う。目が似てるの」

「私は黒。あなたは、オッド・アイで――」

「あんたの目は未来に向いてる。そこへ歩く足も持ってる」

 少女の言葉が、まるで詩を歌うように軽やかに躍る。澄み切った声は、廃墟の中に静かに響き消えていく。

 この子は、腹話術師みたいに声をいくつも持っている。エノラはそう思った。

 ウィノナは懐から、小さな手鏡を取り出した。両面が鏡になっているそれの端をつまんで、自分とエノラの間にかざす。

「痛めつけられてる時、あいつらは眼中になかった。この大ピンチを脱した後ばかりをずっと考えてた。違う?」

 鏡を遠ざけたり近づけたりして、そこに映る自分の顔と、向かいのエノラの輪郭に合わせる。エノラの虚像も、向かいにいる少女の顔と合わさる。

「あたしの頼みを断った時、初めてあんたの顔が二つに分かれたみたいだった。正しいと思いたいのと、本当にこれでいいのかって――」

 鏡に映る左半分の顔がほころび、エノラの脈が乱れた。ウィノナの実像は微笑するが、嘲りは窺えない。

「あたしは、甦生術師にどういう掟や決まりがあるのか知らないけどさ、その正義を信じたままだったら、あんたは助からなかった。あの商人のおじさんもそう。あんた達は、押しつけのルールに殺されるところだったんだよ」

「知ったような事を言わないで下さい」

 絞り出した抵抗にしては脆弱で、エノラは歯がゆい気分だった。

 ウィノナは、肩をすくめて手鏡を仕舞うと、エノラの背後に回り、ペンチを使って首に巻きついたワイヤーを切った。

 真綿で締めつけられる息苦しさが嘘のように消える。

「これは、あたしからの褒美。皆には内緒だよ」

 ウィノナは耳元で囁くと、彼女の足元に寝そべった。小さな手がエノラの黒いローブをゆっくりと巻き上げる。電気が走ったように、傷だらけの体が震えた。生暖かい少女手は、脛から膝小僧、そして膝から腿へと露わにしていく。

「あたしは汚いよ。どう言われても文句はないの。でも、まだ子供なんだ。切り抜ける方法なんて少ない」

 ウィノナの指が、むき出しの太股を滑る。そして、外の雪と同じ白い肌にそっと頭を乗せる。こそばゆい感触に耐えながら、エノラはバンダナから覗く金髪を見つめた。

「あたしだって、もっと生きたい。まだ、こんな所で死にたくないよ。どんな辛い目に遭っても、もっと生きて、早くこんな大人の女になりたいもの……」

 少女が欠伸を漏らした。我慢してそのままにしておくと、やがて寝息を漏れ出し始めた。気を許しているのか、敢えてそうしたのかは分からない。

 エノラはゆっくりと、針金で拘束された手を少女の首にかけた。

 とてもか細く、小さく脈打つ命の熱さが手に伝わってくる。これで少しでも力を入れれば気道は容易に塞がる。

 ウィノナを殺せば、後は考える頭のない三人組のみ。ペンチも目の前の少女が持っている。手足の拘束を切れば、いつでも逃げられる。連中にしてみれば、目的はとうに果たしたはず。彼女の死に気づくのが遅れる可能性だってある。

 では、なぜ? エノラは自問した。この手に力が入らない。相手は子供だから? 好き好んで悪人になっているわけではないから?

 そうではない。今、ここでウィノナを殺して逃げたら――。

「アリエッタは一人ぼっち。かわいそうなアリエッタ」

 寝言みたいに、少女はつぶやいた。エノラは手を硬直させ、咄嗟に細い首から離した。

 今、ウィノナを殺せば、当然、あの商人は殺される。その結果を喜ぶのは、おそらくは死んだウィノナぐらい。敢えて油断してみせているのだ。

 あんたとあたしは同じ。見据える未来に近づくためなら、何だってする。人殺しも、見殺しも。不敵な笑顔を浮かべる寝顔が、そう語る。

 己の無力を自虐するためか、股を枕にまどろむ少女の頭を、エノラはさも愛おしげに撫で続けた。黒い瞳を、ずっと高い天井を向けたまま。


 ――数十分後、レイナードの“孵化”が始まった。


 6 案内役


 出産は陣痛から始まる。再生者の“孵化”もまた同じである。

 二メートルぐらいの肥大化した膜の中で、レイナードが覚醒した時、無数の赤い泡が弾けた。驚愕に弾けた顔が、外から眺めても窺える。バタつかせる厚ぼったい手足は、空を切り、膜全体を揺らす。

「あたしら、何もしなくていいの?」

 さすがに不安になったのか、ウィノナは言った。

「出産と同じです。他人が手伝っては、意味がありません。自らの力で膜を突き破り、この世の空気を吸わなければ、その命は数分と持たないでしょう」

 とは言え――肥満体の再生者の場合は、中肉中背よりも成功する確率は高くない。赤ん坊のように大差がないわけではない。帝王切開もできなければ尚更だ。

「ホントにでけえ赤ん坊だな」

 小男のスワイブが笑いを漏らす。

「まさか、言葉が話せないとは言うんじゃあねえだろうな? 戦利品の在り処を話せないんじゃ、まるで意味ねえぜ」

 その心配はないだろう。再生者は、死ぬ寸前までの技能、知力、知識や記憶は持ち越している。最初は曖昧かもしれないが、大半は時間と共に思い出していく。

 お互いのためと思い、エノラは口火を切った。

「ウィノナ。彼を甦生させたら、殺さないと誓って下さい」

「なんでさ?」

 再生者を殺すと、死霊という魔物となり、生きた人間を喰い殺す。殺された人間もまた、死霊となって人を襲う。

 必要最低限の内容だけを説明した。彼らは短気だと分かっている。

「ハッ! どうせ、ハッタリに決まってら!」

 案の定、禿頭のクックが高い声で喚いた。長身のトールも笑い転げる。エノラが想定していた通りの反応だった。

「分かった」ウィノナはそれだけ答えた。

 少女の横に立つスワイブが目を丸くする。

「こんな奴の言う事を信じんのかよ?」

「嘘は、自分につくから嘘になるの。私を殺せば再生者が死ぬとか、その死霊になるとか。こいつの言ってる事はおそらく本当だよ、お兄ちゃん」

 これでいいだろという感じで、一瞬、少女がウィンクを投げる。

「でもよお――」

「もうすぐ、潮が満ちる頃です」エノラが遮った。

 肥満体の再生者が手で引き裂き、ついに膜を破った。破裂した事で、羊水よりも血肉に似た、膜の赤い液体が溢れ出る。太い両手を広げるようにして、再生者、レイナードの、赤子の産声とは似て非なる咆哮を響かせた。

 厚ぼったい肉の垂れた体が倒れた後も、激しい呼吸音が聞こえてくる。

「キモい」

 ウィノナは一人に合図した。トールが恐る恐る濡れた体に近づく。

「おい、お前、レイナードか?」

 その手が肩に触れる。ヌメヌメする感触に、長身は顔を歪ませつつ、顔を無理やり持ち上げた。丸く、肉の垂れ下がった顔に、二重顎、厚い唇に、小さな目に、短い坊主頭。野盗達は、その再生者を生前の仲間と認めた。

「間違いねえ。こいつはレイナードだ」

 レイナードの目がかっと開かれた。子供のように小さく怯えた目が、一同を見渡す。次第にその頭がプルプルと震えだした。

「ウィノナ、約束です。私達を解放して下さい」

 これで彼らの悪夢から解放されるはずだった。しかし、少女はエノラに向かってボーガンを構える。

「まだだよ、エノラ。約束はまだ終わってないよ」

 どこで名前を知ったのか気になったが、今はそれどころではない。

「レイナードは生き返ったじゃないですか」

「あたしは、戦利品の在り処が分かったら解放するって言ったけど、生き返らせただけで帰すとは言ってないよ」

 したり顔の少女は、意地悪く口を歪める。

「でも、まあいっか。エノラは特別に解放してあげる。でも、あのリンゴ揚げ商人はダメ」

「揚げリンゴ?」

「あのオッサンの荷物にたくさん入ってたの。アリエッタのために、あんな甘ったるい物を売り歩いてたみたい」

 極寒のため、どこもかしくも揚げ料理が主流だが、さすがにリンゴというのは初めて聞いた。おいしいかどうかは、本人から買って試食するしかないだろう。……くだらない事を考えている暇はない。

 強く首を振り、エノラは少女を睨みつけた。

「最初から、逃がす気なんてない癖に……」

「じゃあ、新しい条件ね。戦利品が無事に帰ってきたら、商人とあんたの荷物の一切合財を返してあげる。これでいい、エノラ?」

 手下達の嘲笑に耐えながら、エノラは少女の約束を交わした。

 

 ウィノナは翻り、倒れたままのレイナードに近づく。手にボーガンを構えながら。

「会いたかったよ、レイナード。あの世の居心地はどうだった?」

 青年は、死にかけた魚みたいに唇を震わせ、床に這いつくばりがら後退する。生前にどんな死を迎えたのか如実に語っている。雪上車で追いかけられ、果てには生きながらにして轢き潰されたのだ。死の記憶が否応なく殺到する恐怖は、エノラでも容易に想像できた。

 まさか、本人も自分を殺した人間と再会するとは、夢にも思わなかっただろう。

「ダメだよ。皆の戦利品を持ち逃げして、あの世へトンズラこくなんて」

 ボーガンの矢先を頭に突けられ、レイナードが小さく叫んだ。

「どこに隠したの?」

 彼は何も言わず、ただ頭を振るう。十分な言語能力を取り戻すには、少し時間がかかるのだ。

「ウィノナ。彼には言葉を話せるまで時間がかかるの」

「何で、それを最初に言わなかったの?」

「あなたが最初に聞かなかったからです」

 大人げないと思いつつ、先ほどのささやかな仕返しのつもりだった。

 だが、ウィノナが吊り上がった眉に冷めた瞳をこちらに向けた時、失言か思惑通りなのか迷った。目の前の再生者が、失敗作だと思っているに違いない。

 エノラは間髪入れず、ある提案を出した。

「彼に、隠し場所を案内させたらどうですか?」

「案内?」

「最後にいた町まで連れて行く頃には、ものを話せるようになるでしょう。ここで、ずっと待たせるのは、どう考えても時間の無駄だわ」

「あたしに指図すんの?」

「違います。あなたと同じ考えで出した答えを言っただけです。それに……」

「それに、何さ?」

「もっと、あなたと話がしたいの」

 エノラは手を伸ばし、突きつけられたボーガンをゆっくり下ろさせた。

「一体何企んでんだ、このアマが!」

 喰いかかろうとする小男を制し、ウィノナは言った。

「悪いけど、お兄ちゃん達で、レイナードを連れて確認してくれる。あたしは一人で、こいつを見張っとくから」

 他の二人が何かを言おうとすると、「そっちの方が手っ取り早いよ。三人もいれば、今度はデブを逃がしたりはしないだろ」

 三人は渋々従った。エノラは改めて、少女の主導権の強さを知った。

レイナードに汚いローブを無理やり着せ、彼の両サイドを掴んで逃げ道を断つと、雪上車の方へと連れて行く。

「いい、殺さずに帰って来てね」大声でウィノナは言った。

 入口の鉄扉が閉められ、外から鍵が掛けられる音がする。外から雪上車が唸りを上げて雪をかき分ける音が微かに聞こえ、徐々に静かになっていった。

 ウィノナがクスリと笑い、彼女に向き直る。

「望み通り、また二人きりになれたね」


 7 夢物語


 一時間が経った。スワイブ達は、まだ戻って来る様子はない。

 ウィノナは、階段を上がり二階へ引っ込んだまま、出てくる様子はない。そう思っているとちょうど、彼女が部屋から出てきた。

 その手には、湯気が立つタライがある。

「髪と顔、洗う?」

 エノラは誘いを快く受けた。タライのお湯に顔を漬け、凝固した血の汚れを洗い落す。続いて、長い黒髪にへばりつく垢や埃を落した。

 一体、最後に沐浴をしたのはいつだろうか? 酸っぱい臭気が鼻先を突き、普段は感じないはずの恥じらいが生じた。

「あんたさ、外面を気にした事ないだろ」

 ウィノナに呆れたように言われ、思わず顔を湯気の立つ桶に落した。少女は汚く染まったタオルを渡した。少し黴臭いが、エノラは気にせずに使う。洗顔以上に予想外の収穫を得たからである。

 ウィノナが、足に続いて両手の拘束を解いたのだ。

「エノラは綺麗なんだから、身だしなみに気をつけないと」

「なぜ私の名前を?」

 少女は、傍のテーブルに置かれた銃を持ち上げた。エノラの得物、ダブルバレルである。水平二連式の散弾銃のそれは、元々は長い銃身であったのを切り詰めてあり、大きな銃床とアンバランスな形をしている。

 左右に並ぶ引き金の上に、右側に【HUMAN】、左側に【EVIL DEAD】と刻印され、脇に挟むためにある銃床には、【Enola Greed】と彫ってあった。

「何、この人間とか死霊って?」

「ただの飾りです」

 いちいち説明するには面倒だった。

「それにしても、下の名前は変わってるね。“貪欲”“欲張り”だなんて」

「本当の名前じゃないわ。親はいない」

 素性を話すのは、彼女で三人目だ。一人は、自分に黒い血を与えた男。もう一人は、旅の道連れだったシルベスター。

 もしかしたら、すでに二人とも、この世にはいないかもしれない。

「そうか、あんたは孤児なんだ」

「あなたの家族はどうしたのですか?」

「あたしのパパはね、医者だったの」腕を組み、少女はゆっくりと立ち上がった。「馬鹿な偽善者。こんなご時世に金にもならない患者を助けて……あたし達やママをほったらかしたまま、荒れ地に出て行ったきり、とうとう帰ってこなかったの」

 また、天井のトタンが音を立てる。吹雪が強くなってきた。

「そのうち、暮らしも余裕がなくなって――あ、それとママも偽善者の馬鹿。シスターをしていてさ、家の食い物を片っ端に、貧乏人に分け与えて。信じられる?」

「慈善精神の医者にシスター。まさに、最悪の組み合わせね」

 エノラは話を合わせた。少女があるものに関心を逸らさせるために。

「さすが、分かってんじゃん。それで、早い話、ババアは貧乏人らにレイプされて、殺されちゃった」

 親の死んだ話にもかかわらず、ウィノナは吹き出した。エノラも、苦虫を噛み潰すような笑みを浮かべながら、目は決して笑わず、一点だけに向いていた。

 少女の持つ、自分の武器を。

「シスターなら本望じゃないですか? 体を張った隣人愛を成し遂げて」

 エノラが適当に放った一言に、少女はとうとう我慢できずに、両手で腹を押さえながら爆笑した。当然、手に持ったダブルバレルは、テーブルの上に置かれた。

 いつでも奪える。後は隙と窺い、然るべき機会を見極めるだけ……。

 エノラは衝動を抑え、さらに話を続けた。

「しばらく二人で住んでたんだけど、村の連中がいきなり押しかけてきて、家を壊し始めたの」

 大人のいなくなった家は空き家と同じ。無駄に残すより、更地にして開墾した方が、村にとっては効率がいいという。異常気象のため栽培できる野菜は少なく、ウィノナの村はただでさえ田畑に乏しかった。どさくさに紛れて、家具や金品もすべて没収された。

 村の中で一人勝ちしていた医者の家に対する、貧乏人どもの陰湿な嫌がらせ。ウィノナはそう言った。

 兄妹は路頭に迷った末、同じ浮浪児だった三人の悪友と意気投合する。

「しばらく、五人で村にいたけど、とうとう喰う物に困って、村長の寝こみを襲って、家族は皆殺しにして、食料と金を奪って逃げてやったの」

 逃げるついでに、村中の家々に火を点けたとも語った。ウィノナは自慢げに、略奪と殺戮の過去を語っていく。

 一方、エノラは適当に頷いたり、相槌を打っていたりしたが、意識はずっと別の方向にあった。もちろん、目線は少女に向けたまま。

 彼らがこの倉庫を見つけたのが、荒れ地を旅して数か月後だという。驚いた事に、雪上車も使え、燃料となるガソリンもタンクと備蓄してあったのだとか。それから、ここを拠点に野盗家業をして、今日に至るらしい。

 賛同も批判もしなかった。いくら凄惨でも過去は過去。そもそも、エノラには無関係だった。唯々、ウィノナが背を向ける瞬間を待ち望んだ。その前に、相手が気まぐれで銃を再び取るか、内心冷や汗ものだった。

 杞憂に終わった。銃は、ずっとテーブルの上に置かれたまま。

 後はタイミングを計るのみ……。

「もしも、戦利品を取り返したら、あなた達は以前のように繰り返すのですか?」

 そう言った途端、ウィノナはしばし沈黙し、真顔に変わる。

 潮時か、とエノラは右手に全神経を集中させようとした直後――。

「エノラ。あたしと組まない?」

 少女の言葉に、一気に手首の力と意識を弛緩させた。まさに、藪から棒であった。自分に野盗の仲間になれというのか?

「私も襲われる役をしろと?」

 ウィノナは首を振った。もう笑ってはいない。普通の子供の顔ですらない。

「違うよ。野盗の話じゃない。もっと別のビジョンさ」

「ビジョン?」

 ウィノナは彼女の真横に腰を下ろした。肩同士が密着する。

「正直、あたしはこのまま、野盗で終わる気なんかさらさらないの」

「何か大きな夢でもおあり?」

「約束して。絶対に笑わないで」

「笑いません。言って下さい」

 まるで恋人に告白するような大袈裟に深呼吸して、ウィノナは答えた。

「王国を造るの。そして、あたしは女王になるの」

 エノラはわざと呆れるように顔を逸らせた。失笑するのはもちろんだが、褒めちぎるのはあまりにも不自然だ。むしろ、冷たいリアクションがちょうど合う。

「子供は、いつも荒唐無稽の夢物語を欲するわ」

「そうだよね。夢物語だったさ。でも、あんたが現れて、可能性がゼロじゃなくなった。最低でも、一つの町が手に入るかもしれない」

「説明してくれる?」

 口をニンマリと開けて、ウィノナは自慢げに切り出した。

「例えば、あんたが週に三人の死人を生き返らせるとする。一か月で、十人が生き返る。半年後には、六十人。一年経てば、百人以上の人間が生き返るでしょ」

「私が甦生させるのは、態のいいゴーレムじゃない。生前の記憶や感情を持った人間ですよ。彼らが、すんなり野盗に転職するとは限りません」

「ごめん、訂正。最初は正味十人ぐらいでいいわ。それぐらいなら、金で釣るなり脅すなりして仲間にできる。手始めに、小さな村ばかりを寝込みに襲って占拠する。食料と金を頂いて、大人の男達は殺す。後に残った弱い連中は奴隷にする。畑仕事や建物を造らせるの。ただし、子供は外す」

「なぜ?」純粋な疑問だった。

「洗脳して、あたしらの強さと正しさを教え込むの」

「地道ですこと」

「こいつがミソなんだ。ガキが使えるようになれば、遠征して、近くの村や街を潰していく。乗っ取った街の規模と殺した敵の数で、報酬をボーナス制にして、段階的に階級を与えるの。まるで、ゲームみたいにね」

 この世界では、よっぽど密接していない限り集落同士の交易は稀である。ウィノナの考えも意外と現実味を帯びてくる。

 自分が仲間になるという点を除けば。

「街を四つぐらい占領したら、互いに交易を結ばせるの。それで、その中心に、あたし達の街をつくらせるの」

「私はお役御免ですか」

「大丈夫。ちゃんと大役は用意するわ。命令に従わなかった奴を、私が罰して死刑にして、あんたがそいつを生き返らす。厳罰と慈悲を与えるの」

「刃向えば死の罰を与え、罪を悔いたら再生の赦しをもたらす」

 エノラが言うと、肩を陽気に叩いた。

「そのフレーズ良いね。街の中心に、その文言を刻んだ石碑を置く。決定ね」

「あなたが女王で、さしずめ私は神官ね」

 ウィノナは首を振る。「あんたは女神だよ。神官なんか、口八丁の馬鹿にでも任せたらいい。せっかく、すごい力があるのだから、利用する手はないじゃない」

 ウィノナの理想郷が、アムールの村と重なる。村人全員が自分に向かって平伏し、顔を見ただけでご尊顔を拝したと有難がる。

 まことに、夢物語の域を出ない。エノラは冷ややかに、少女の横顔とテーブルの銃を一瞥した。瞬時で笑顔に戻る。

 いつの間にか、手が小刻みに震え始めていた。

「ウィノナ、生憎、私には旅の目的があるの。あなたの計画が面白いけど……」

「パパとママを生き返らせに行くとか?」

 ウィノナの一言に、心臓は一瞬止まる。よもや、目の前の少女は人の心を読む術を持っているのか。

「やめときな。親なんて信用できない。あたしの話聞いたろ。血が通っているだけの他人に会いに行くなんて、見かけによらず幼稚なんだね、エノラは」

「あなたに何が分かる?」

 冷静の溶け、むき出しの感情がもたげる。自戒はあまりにも脆弱である。もしくは、己の感情があまりにも強過ぎるのか、エノラには分かりかねた。

「そんなに大きくなっても、パパに抱っこしてもらいたい? ママのオッパイが恋しい? ねえ、エノラ、あたしが――」

 少女は立ち上がり、刹那、大きな瞳が天井に向いた。

 途端、エノラの右手が俊敏な動きで、テーブルの銃を奪い取った。

 得物を手中に収めたら、習慣で染みついた動作が勝手にやってくれる。右脇に銃床を挟み、引き金に右手の人差し指をかけたまま、機関部から延びる先台部分を左手で支え、銃口をウィノナに向けた。

 一切の無駄はなく、エノラの、頭に思い描いていた所作に過誤はなかった。

 呆けたような顔で、少女はダブルバレルの銃口に向き合う。衝動には勝てない。ここに来て初めて、エノラ・グリードは微笑を浮かべた。

 明かりの点った廃墟の中、数秒ぐらいの静寂が続き――ウィノナ・ウォーカーがケラケラと笑い出した。

「ダメダメ、エノラ。あと何回騙されたら、気が済むのさ!」

 少女はポケットから、二種類の銃弾を取り出した。どちらもエノラの武器に装填されていた薬莢である。

 通常のスラッグ弾の実包と、黒い液体の詰まった空包。

「分かりやすく釣ったら、引っかかるのはあんたの悪い癖だよ。さっきあたしが添い寝した時と同じ轍を踏んじゃってる」

 よく見ると、銃に付いていたはずの負革がない。

「あなたは、私をどうしたいのですか?」

 少女は再び真顔に戻った。

「さっきの話は嘘じゃないんだよ。本気であんたが欲しい。死人を生き返らせるだけじゃない。あたしとエノラは似てる。同じ方向を向いて、牙をむき出しにしてるの。あたしは自分のユートピアが欲しい。あんたは親に会いたい。そのために手段を選ばない。そんな人間、この世界には全然少ないと思うの」

「私はあなたとは組まない」

「目的地まで、あの雪上車に乗せて行ってあげると言ったら? あんたの夢を手伝うよ。叶ったら、お返しにあたしの夢を今度はあんたが手伝う」

 少女の声には切迫感があった。明らかに演技ではない。

「正義と欲望。エノラは、一体どっちにグリード(貪欲)なの?」

 少女がエノラの体に抱きついた。銃で殴る事もできただろう。エノラは金縛りになったように、何もできなかった。

 ウィノナが白い頬に手を置いてくる。小さく震え、エノラと少女の瞳と合う。オッドアイがまた妖しく光る。ルージュが塗られた小さな唇がゆっくり近づき、エノラのそれに重なろうとする。

 寸前で、遠くから雪上車の音がした。

 ウィノナは何事もなかったように立ち上がり、入口へ向かった。


「やっと帰って来た。あの話、考えといてね。それと銃だけ先に返してあげる」

 鉄扉が重い響きと共に開き、四人が入って来る。肥満体のレイナードが必死に暴れる。少女が彼らに向かって駆け寄っていった。

 話し声は、エノラには届かない。やがて、ウィノナが彼女の所まで戻ってきた。

 肩を落としながら、ウィノナは言った。

「ごめん、エノラ。あの話はなしね」

「え?」

「女に騙されて、戦利品を全部持って行かれちゃったんだって。街に着いた時、レイナードが全部白状したってよ」

 レイナードの言葉によると、以前から街で知り合った女性、ナンシーについ自分の素性を放した事がきっかけらしい。意気投合し放すうちに、彼女はさも言いにくそうに切り出した。『一緒に逃げましょう』と。分かりやすい嘘だが、結果的にレイナードは反対しなかった。

 ナンシーという女が境遇の割に、派手な服で放つ色香に溺れたのか、彼女の演技が上手なのか、レイナードの好みだったのか、普段からウィノナ達に鬱屈を抱いていたのが造反の追い風になったのか、エノラには分からない。

 とにかく、レイナードはナンシーと示し合せ、仲間の寝込みを狙い、戦利品を強奪した。数日後、とある町の宿に泊まっていた時、知らない強面の男が入って来た。いきなり胸倉を掴まれ、『俺の女に――』と殴られ、彼女と荷物のすべて持って行かれ、レイナードは一文無しになった。

 挙句、仲間に報復され、トドメに、出戻りの憂き目に遭った次第である。

 ――なんと、哀れなレイナード。エノラは、すぐに同情を打ち消した。よく考えてみると、元はと言えば本人が悪いのだ。

「いわゆる美人局という手口ですね」

「それくらい知ってるわよ! あたしが、ブリザードの中、フリフリのスカート履いて能天気にスキップする、ドタマがお花畑に染まったお嬢様に見える?」

 逆上したウィノナは、エノラに向かってボーガンを構えた。

「まあ、つまり、デブもあんたらも全部用済みというわけさ、クソッタレ」



               《次回へつづく》

 次回は、再来週の2月10日(金)になります。

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