プロローグ “ユージュアル・ヴィクトリア”
私の名前はユージュアル・ヴィクトリア
ヴィクトリア王国の第一王女…だった
ヴィクトリア王国が人間達の侵攻よって滅ぶまでは
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「ユージュアル様、お目覚めください。朝でございます」
そう言われ、私は微睡の中から覚醒する
「ふぁ〜あ…もう朝なの〜?」
… 覚醒できていないようだ
「はい。時計は7時を示しています」
こう言っているのは側近のフラン。人間だ
「7時ぃ〜?私は吸血鬼だよ?夜に起きるべきだよ〜」
何故フランが人間だという説明をしたのかというと、私がそうではないからだ
「わがままを言われても困ります。ディフェクト様から怒られても知りませんよ」
「お父様〜?お父様は私に興味なんてないでしょ〜」
これが私の記憶
「いえ、とてもご心配なされていますよ」
フランが裏切るなんて考えもしていなかった、幸せな頃の日常の記憶
「ふーん…ま、いいけどさ」
「そんなことより、早く準備をなさってください。今日はユージュアル様の誕生日ですよ?」
「え?そうだっけ?」
「やはり忘れられていましたか。
その様子では十三歳の誕生日を迎えた吸血鬼には血継の儀式があることも忘れているのでしょうね」
「ちつぎ?なにそれ」
「血継の儀式とは、満13歳の吸血鬼がその適性を詳らかにし、新たなる適性を神より授かる儀式でございます。
まぁ、記憶力が致命的にない代わりにその他全てが平均以上であるユージュアル様には必要のない儀式の可能性もありますが」
「えーつまんなそーいきたくなーい」
「ディフェクト様から引きずってでも連れてこいと言われているのですが、どうしましょう?」
「え…フランなら本当に引きずりそうだね。行きますよ〜、行けばいいんでしょ〜?」
「吸血鬼として必要な儀式ですのに、何故不本意なのでしょう?」
「それはそうなんだけどさ〜」
「では、早く準備してください」
ディフェクト(不具合・欠陥)って名前としてやばいですよね
プロローグなのでここで一旦切ります