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シーン9二人のその後。

俺の脳内に聞こえてきた何者かの声。

それは明らかにヤシュア様達ではない声だった。

時が止まったかの様な俺の脳内だけに聞こえてくる声。

俺は、その声に意識を奪われていた。


『レギオンよ……聞こえるであろう!?この私の声が。』


俺の脳内にそう訴えかけてきた、その声は俺は本能で感じ取ってしまったのだが……そう……こいつはヤシュア様が手にしているあの魔神具から聞こえてくきていたんだ。


(ああ……確かに聞こえているぞ……お前は?)


(俺はエレファモス……世界に存在する神が作りし古代三大魔神が一人である。)

(古代三大魔神…………)

(ああ……そうだ………神がつくりしこの世界……世界には三種族が暮らしている………ヒューマン族……精霊族……そして魔族である……やがて三種族の中ではその絶対的な魔力を持つ魔族から生まれた魔王は二種族を支配しようと考える、そして魔族であるあの魔王はヒューマンと精霊の生み出した勇者により封じられた……それを機に神は世界の安定の為に我々三大魔神を、この地に納められたのだ。)


エレファモスの話は納得のいくものだった。

俺もその話は昔話として聞いた事があったんだ。

俺はその言葉に驚きを隠せなかった。

するとエレファモスは続ける。


(我が声が聞こえるという事はお前は俺との同調が確認されている。)

(同調だと?)

(ああ、それはお前が我が力を受け入れる事が出来る器だという事だ。)

(そう……なのか?ならば俺の力となり……この世界の魔族を押さえそして潰す力を貸してほしい。)

(ああ……ならば我が力を受け入れよ……レギオン。)


次の瞬間。

俺の目の前には一本の杖が光り輝き浮いている。

俺はそれを手にする。

すると俺の中に膨大な魔力が流れ込んできたような感覚。


『うっ………うおおおおおーーーーーーーーっ!?』


そして俺は……この瞬間、絶対的な力を手に入れたんだ。

『レギオンよ……どうやら…魔神を受け入れたようだな。』


そう声をかけてきたのはヤシュア様だった。


『はい……魔神エレファモスは俺の力となってくれたようです。』

『そうか…………お前はこれからどうする?』

『はい………俺が、あの魔族を倒した事…そしてこのエレファモスを手にした事で…それはきっと奴らにとって俺を狙う理由が生まれてしまったでしょう。』

『それは当然か……ならば我々と共に戦うといい………我がマジェスト協会は対魔族を掲げている……お前の助けにもなるであろうよ。』

『ええ………確かにそうかもしれませんが、きっとここに御迷惑をかけてしまうかも知れないが。』


すると、そこへ入ってきたのは俺をずっと看護してくれた『リーナ』だった。


『レギオン……………貴方はまだ私に迷惑をかけたままな事忘れてませんか?』

『!!???リーナ、何を言って……』


俺の言葉を遮り続ける『リーナ』。


『いやいや待て!!??俺は確かに迷惑をかけたかも知れない……その迷惑というものはいずれ返す!!だからここは。』


すると俺を見て微笑みながら彼女は。


『それなら………私に一生かけて………その迷惑を……償ってくれませんか?』


リーナの言葉に俺は時間が停止してしまう。


『えっ!?それはどういう事なんだ!?俺はどうすれば………』


次の瞬間……俺に抱きついてくるリーナ。

俺はこの時、どうやら………大切な人を一生かけての償いをする事を、彼女をこの手に抱きしめる事で決定させたようだ。

俺とリーナはこの数ヶ月後。

籍を入れた。

彼女はいつも俺の為にいてくれる。

俺はヤシュア様の元……このマジェスト協会で働く事にした。

そんな彼女は俺に愛情を注いでくれた。

俺にとってこの時間が一生の中で幸せな時間だったのだろう。

そしていつしか二年の時が経った。

おぎゃあ、おぎゃあと元気なうぶ声をあげたのは俺の大切な愛娘だった。

遂に俺とリーナには大切な宝物である子供を授かったんだ。

俺は彼女と話しあい…愛娘の名前を『リオ』と名付けた。

『あはは!リオーーーーー!!今日もパパは仕事から帰ってきたぞーーーーーーっ!!』

『あらあら……あなた!リオをそんなに抱きしめたらリオも苦しいでしょ?』

『あはは!リオ?そんな事ないよなー?』


抱きしめるとニコニコと笑う愛しい愛娘。

俺達は幸せの絶頂だった。

彼女とリオと三人でこの幸せな時間がいつまでも続くのだと思っていた。

そんな俺達の幸せな時間が急な事件で奪われるとは……俺はこの時……まだ知る由もなかったんだ。

お読みくださりありがとうございました。



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