シーン53ヤシュア様の試験。
私はここマジェスト協会で育てられた。
ここにいる半数の人達はマジェストなのだ。
そんな所へ私は幼くして預かってもらい、そしてここまで成長してこられたのだ。
私にとっては皆が家族だった。
そんな私は今成人を迎え……そしてヤシュア様によりアフリエイトへ行き聖獣様への道を許可されたんだ。
そして私はその為の試験を受けようとしていたの。
ヤシュア様が指示された場所まで向かった私。
そこは私達がいつも戦闘訓練していた場所ではなく更に広い場所で辺りが囲まれている闘技場だった。
『ここがヤシュア様が待つ試験を行なう場所だ……中に入るがいい。』
『はい…………。』
私はラグナに案内されながら闘技場へと入っていったんだ。
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私が立ち入ったのは地面は砂地で辺りが囲まれている闘技場だった。
『ここは………………………………?』
すると私の問いに応えるラグナ。
『ここは太古の民族により、このアフリエイトに建てられた闘技場……ここは今は我々マジェストの為の訓練の場となっているのだ………そしてあちらに。』
ラグナはそういうと指を指す。
そしてそこに居たのはヤシュア様だった。
『ヤシュア様!?』
私の目の前には普段のヤシュア様からは感じる事のないオーラが見え、私とのバトルを待っていてくれたのだろう。
『きたか、アキニー。』
『ヤシュア様…………はい。』
『では………ここからは…………お前の戦闘訓練の成果を見せてもらう………そしてその結果によっては聖獣様の元へ行く事を許可しよう……だがそこクリア出来なければ……お前もタダではすまんぞ………そうなる前に……』
ヤシュア様の背後に何かの姿が見えてくる。
そう、それはヤシュア様の魔神トーンウイングだった。
そしてその力は私に向けられた敵意を感じる。
『ヤシュア……様………………………………!?』
サーーーーーーーーーーーーーーーーッと風が吹き上げてくる。
『…………………………………………………っ!?』
視界が一瞬遮られる。
次の瞬間。
ゴーーーーーーーーーーーーーーーッという激しい突風に変わる。
『えっ!?』
私の身体は立っていられない程の風にフラつく。
するとヤシュア様が叫ぶ!!!
『アキニーよ!!我がトーンウイングの力を退け………そしてお主が力を示してみせるが良い!!!????』
『ヤシュア様!?でも………………私………ヤシュア様相手になど力を使うなど……できるハズがありません!??』
私は精一杯の声を上げる。
ヤシュア様もまた続ける。
『アキニーよ……いいか?お前がなそうとしているケニージア国家の政権奪還という夢…………それはお主の考えている以上に過酷で厳しい事なのだぞ………………それには様々な事が起こるであろう…………確かに今の国政は民衆が過酷な生活を送らされているのであろう…………だがそれでも国民はそのことに反旗を翻せない状況であるという事も事実なのだ。それには現在のケニージアの国王を守る強力な兵達が揃っておるのだ。国民の暴動がいつ起きてもおかしくはないがそれを許さない兵達によりそれは抑え込まれる。』
ヤシュア様のトーンウイングの威力が突然増す!!!
私の身体は宙を舞う!!!
『アキニー!!!そんな状況を変えるにはお前の優しすぎる思想だけでは政治などやっていけはしないのだ!!??』
『うっ!?ああっ!??』
『アキニーよ、その力を示すが良い!!!それがお前に課せられたこの地の歴史と政治の変革となるのだ!!!???思い出せ……………………………お前の仲間達…………そして母親はどうして消えていったのか!?』
ヤシュア様はそう叫ぶ。
私はその声に…………………………………………………。
頭の中に浮かんだ母親の顔。
私にたくさんの愛情を貧しいながらも注いでくれた母親。
私はその母親の言葉でこの国を変えようと誓ったんだ。
すると。
ゴオッと私の背後から現れる私の魔神……………。
『おお、やっと出てきたな………お主の魔神。』
『ヤシュア様。』
『見せるがいい………お前の力を、そしてこの地を守る力を見せるがいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』
襲いかかってくるトーンウイング。
そして私の魔神が飛び出す。
ごーーーーーーーーーーーーーーーっと激しい 炎が舞い降りトーンウイングを押さえ込む。
『ぐっ!?きたかお前の魔神……………………………さすがに強力すぎるか……………………ぐっ!?』
『ヤシュア様………………もうやめてください…………私はこんな事したくない。』
『なめるな…アキニー……………………………。』
そういうと構えるヤシュア様。
『風……………………………鳳凰………………………これはわしの最大の技じゃ………。』
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