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シーン4魔族との遭遇。

俺はアルベルトとロットの敵討ちという名目を題し自警団を退職した。

もしかしたら……退職した俺に圧力をかけてくるかも知れない……そうさせない為に今既に俺はここ、アルベルトの家の前に立っていたんだ。


『アルベルト……お前の仇はこの俺が。』


俺が今いるのはアルベルトが殺された現場である彼の自宅だった。


(アルベルトの自宅まで奴らがきたのは偶然なのか?それともアルベルトが奴らに繋がる何かを目にしたのか?)


俺の中にそんな疑問が湧いていたんだ。

だからこそここ……アルベルトの殺害現場である自宅まできていたんだ。


(悪いなアルベルト……勝手だが上がらせてもらう。)


俺は保護しているアルベルトの妻の了承を得てここへ来ていた。

何か魔族に繋がるものがないか………今更この俺が正当に組織として奴らを裁く事は出来ないのだ………ならば俺自身がこの事件に白黒をつけてやる……それが親友と部下の弔いだと俺は思う。

そして俺はアルベルトの自宅の鍵をガチャリと開けると中へと入っていく。

だが足元にはおびただしい程の拭いきれなかったのだろうアルベルトの血液が血溜まりとなり存在していたんだ。


(これは……………アルベルト………。)


俺は一歩ずつ中へと足を踏み出していく。

乾ききってない血溜まりがぴちゃぴちゃと足音を立ててしまう。

俺は玄関から廊下へと歩を進め部屋の様子を 見て回る事にする。

まず目に飛び込んできたのは居間である。

そこには数々の幸せそうな写真が飾られていた……それはこの家庭のかけがえのない思い出という素晴らしい時間を切り取ったものだ。

これからこの家庭の未来の写真はもうここには飾られる事はないのだ。

そう考えると胸が締め付けられる思いだ。

そしてアルベルトの妻が話していた彼の書斎を見つけた俺は書斎へと足を踏みいれたんだ。

そこには大きな本棚………そしてアルベルトがそこでデスクワークをしていたのだろう机があったんだ。

俺はアルベルトの机に目を向ける。

彼の妻曰く仕事を家に持ち込む事を良しとしない彼は何かがあると書斎に籠る事もあったという。

だから彼女にはアルベルトが何かの情報を掴んだとしても全く分からないのだという。


(まあ……下手な話をして奥さんや子供まで巻き込む事は避けたかったんだろうな……まあアルベルトらしいが。)


俺はそんな事を考えていると机の上に一通の便箋を見つける。


『これは………!?』


便箋の差し出し人はもちろんアルベルトの名が記されていた……………そして表を返し見ると、そこに書かれていた名前………『ヤシュア』宛。


『『ヤシュア』…………………………。』


俺はどこかで聞いた事があるようなその名前に違和感を覚える。

アルベルトはこの宛に手紙を送ろうとしていたのか……これは中身を確認しなければな。

俺はアルベルトの送ろうとしていた手紙を明け中を確認する。

すると中には数枚の手紙が入っていた。

俺は目を通していく。

拝啓……『ヤシュア』様。

このアメリスアードにて僕が偶然見つけてしまった情報からエクステリオの犯罪の何か掴めないか?

という疑問にかられこうして手紙として送ろうと思い送った次第です。

この世界の歴史に詳しい貴方ならこの何かを調べられるのでは?と思い同封いたします。

そして、そう書かれていた手紙の二枚目にはとある魔法陣が描かれ………そしてなんとそこへ何かが封じられていたんだ。


『これは『封魔便箋ふうまびんせん』……特殊な魔法をかけ……魔法や、そして魔導具などもこの便箋の中に閉じ込められるという魔導具か。』


俺はその便箋の宛名をもう一度確認しようとする。

だがその時の事だった。

ガタンっと玄関に誰かが侵入したような音が聞こえたんだ。

俺は手紙を胸の内ポケットへと忍ばせる。

そして、拳銃を握り構える。

怪しい音は確実に調査という名目のある俺とは違い明らかに招かれざる侵入者のものなのだ。

そろりと、ゆっくり……なるべく音を立てないように近づいていく俺。

だが侵入者もまた物色はしているのだろう。

何かを投げる音も聞こえてくる。


『くっ……………ヤツめ…………我々の隙をつきいつの間に『魔神具』を持っていったんだ……あれは我らエクステリオの力を確実に世に知らしめる為の力なのだぞ……それが消えたとBOSSに知られたらこの俺の生命も危ういじゃねえか……くそっ……忌々しいヒューマンめ。』


俺が見ているのにも気づかずそうぼやきの声を上げる何者か。

俺は影からやつの行動を見ていると………奴は部屋からこちらに向かいはじめる。


(これは………ここでこいつを拘束……しっぽを掴んでやる。)


俺はやつの前に飛び出し拳銃を構える。


『魔族め!!貴様…………ここの住人であるアルベルトを殺ったのはお前か!?』


魔物は呆然とこちらを見、立ち尽くしていたんだ。


『おっ!?ああ……アイツか……ああ…味は良かったな。』


魔物は下卑た笑みを浮かべ……そう告げたんだ。

お読みくださりありがとうございました。


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