シーン2親友ロットの死…そして。
親友である『ロット』の死。
俺はその衝撃に苛立ちを覚えていた。
そんな時………俺は上からの呼び出しをうけていた。
◇
『なん……だって?』
『レギオン……一度言っただけでは理解出来なかったか!?』
『いや、確定ではありませんが……敵はやはり『エクステリオ』かと思ってるのですが。』
『だが、それは不確定要素が多すぎるだろう……ならばその線は消すように。』
『そんな!!あの組織のBOSS『ベリアル』を放置すれば奴らはこの地で勢力は拡大してしまう…………その事は貴方も分かっているハズだ………………………。』
すると上司はため息をつく。
『ふぅ……ああ、分かるが……レギオン………お前も上を目指すのであれば世の中をもう少し知る必要があるだろうな。』
『どういう意味ですか!?』
『俺達の目も時にはつむる必要もあるという事だ………この事件に、これ以上の詮索は不要だ……いいな!?』
上司は俺を追い出すようにそう言葉を終える。
俺はこの時、呆気にとられていた。
自分の同僚の死。
敵の正体が分かったのか、それも明らかにできないような力がエクステリオの無言の圧力だとでもいうのか。
その捜査をいとも簡単にこうして潰されてしまった事に俺は只々押し黙る事しか出来なかった。
『これが……この組織が街の平和の為に尽力する……この街の自警団の実態なのか?』
俺はそう呟く。
するとそこへ声をかけてきたのは部下であるアルベルトだった。
『レギオン隊長……』
『どうした?』
『少し話………いいですか?』
アルベルトは何かしらの考える事があったのだろう……俺との会話を望んできたんだ。
俺は部下との会話に場所を変えたんだ。
◇
◇
◇
『隊長…………ロットさんの事件………やはりエクステリオが絡んでいるようです。』
『なっ!?』
俺はアルベルトの会話に心が揺れ動く。
先程この件に関しては捜査不可と止められたばかりなのだ。
まあ、まだこの事は部下達には知らせる時間もなかったのだ。
これまでの流れからしたら話を知らぬ部下の発言は当然なのである。
むしろ新展開を迎える程の内容なのだったならば。
俺はそう考えてしまう……すると彼は続ける。
『レギオン隊長……ロットさんは偶然エクステリオのアメリスアードのBOSSとされる『ベリアル』を見かけ……そしてその後をつけた……するとそこで見かけた者がいたらしいのです……その男は建物内へと入っていった……もちろん怪しまれぬよう近くに数名の部下を引き連れて……。』
そして、彼は続ける。
「彼らに気づかれぬよう入り口からそっと覗いた男……その男が目を向けると中から声が聞こえてくる。」
◇
◇
◇
「おい……そこで何をしている。」
そんな声が聞こえたのだという。
「貴様らがあのエクステリオのメンバーであろう?この俺は「自警団」のメンバーの一人……副隊長のロットだ。」
「ほう?自警団………とな?」
「ああ………貴様らが裏で何かを企み、動いている事は聞こえてきていた……そこへ中々シッポを出さないお前達をつけていてやっとこうしてその現場を目撃したのだ。」
「そうでしたか?でも、上層部からは聞いていませんか?我々は何もしていないし……もう我々には関わならないようにすると。」
「何の話だ?そんな話_…俺は聞いちゃいない。」
「ふむ……まぁいい……我々はなんの悪戯もしてないのだが、こうして勝手な罪をきせようとするのがこの国の自警団なのか?」
「なに?」
「そういう事だろう?副隊長ロット……何かの勘違いをし、ここまで我々の後を追ってくるとはな。」
「なっ!?何を!?」
「こうして虚偽にも関わらず我々に罪を擦り付けにきたのではないのか?」
「う、うるさい!?この国に麻薬を蔓延らせ…そしてその影では犯罪者を増やし犯罪を助長させているという話……金がある者に力を貸しそして亡きものは金を生ませる為奴隷としている……この真実を我々は知り得た………今を逃せば貴様らを捕らえることはできまい!!!」
そう言い放ったロット。
だが………部屋の最奥から怪しい声が聞こえる。
ぐおおおお――――――――――――――っ!?
「なっ!?なんだ!?」
ロットがそう叫ぶと………何か怪しげな黒煙が立ち込めていた。
「副隊長ロット……お前が我々への罪を着せたという事は我々は実に不服である……そしてこの現実を知ってしまった貴様をこのまま返す訳にはいかぬのだ………………。」
「なっ!?何を!!!???」
「死ぬ前に教えてやろう………我々は……そう………魔族だ………お前はこのまま我々の前で消えるのだ………そうすれば………もうこうして我々に牙をつけようとしてくる馬鹿な輩は居なくなるであろうな。」
副隊長ロットの目の前には恐るべき魔族が。
そして。
男は逃げ出してきた……………と語ったんだ。
その後…ロットの遺体はこの自警団に郵送されてきたのだ。
俺はその話に。
何かを考えてしまっていたんだ。
◇
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