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シーン15この地の動物。

村の英雄だというベルーガ。

そんな彼らにリオを任せ俺はキリマジャーロへと向かう。

だがこの国は獣人国家。

村の人々もほとんどが獣人だった。

だからこの村の人々は俺のようなヒューマンではなく皆が何かしらの力を持ち合わせている。

この村の人々になら大切な愛娘リオを任せる事ができるといえよう。

そしてこの俺を村へと案内してくれた男ベルーガ。

彼とは妙に気があった。

リオも彼にはすぐになつき、それもまた有り難い事だった。


『ベルーガ………リオは俺にとって何よりも大切な宝なんだ……ここから先に何があるのかも分からない……俺に何かがあった時は………………。』


するとベルーガは満面の笑みで立ち尽くしていた。


『当たり前だ……レギオン、お前の娘は俺の娘と同様……俺はあの娘の笑顔を必ず守ってやる……だからなレギオン……お前は俺に約束するんだ。』

『ん?約束?』

『ああ……お前が無事で帰る事があの娘の笑顔を守る事に繋がるんだ…………だから!!!!!』

激しく声を上げるベルーガ…そして。

『無事に帰ってこい。』

『ああ。』


そして俺はあのキリマジャーロへと聖獣様とお会いする為に向かったんだ。

俺の進む先に見えるキリマジャーロ。

そこまで辿りつくには困難が予想されるという……だがここか獣人国家でもある。

マサイア族の人々はほとんどが何らかの獣人であったりする。

ベルーガは熊……そしてあのイシメール君もまたゴリラの獣人だったようだ。

しかし元々ここは野生の大陸なのだ。

だから至る所に野生動物を見かけるのも確かなのだ。

だからこの野生動物王国での立ち回り方というものがあるらしい。

野生動物は基本的になにか攻撃でもしないであるとか彼らの縄張りにでも入らない限り人間にすら無下に攻撃はしてこないんだという。

故にマサイア族とてこの大地で暮らせて行けるのだという。

そんな会話を思い出していると目の前の遠い場所から何かの動物達の群れに出くわしたんだ。

それは象の群れだったんだ。

象はこのケニージアでも最強の部類でもある。


『あんな群れに襲われでもしたら……ひとたまりもないだろうな。』


俺はそんな事を考えながらその様子を見ていたんだ。

すると後方に一頭の子象がフラフラと足をもたつかせながらも群れの後を追っていたんだ。

だが親のような象の姿は確認出来なかったのだ。


『あれが野生か。』


俺はその光景に心を痛ませてしまう。

不思議だな……やはり子を持つ親になるとこんな気持ちになるのだろうな。

そんな事を考えていると目の前象の群れは何事かを感じたのだろう走り初めたのだ。

すると象の群れの背後から何かが追うように走行してきたのだ。


『なにっ!?あれは車か!?』


こともあろうに象の群れを猟銃を持って爆走する車がいたんだ。

一人が運転し一人が後方で猟銃を構え象を狙う。

俺は先程の子象の事が頭に浮かぶ。


『くそっ!?』


俺はなんの考えもなしに走り出していた。

すると男達は笑いながら大声を上げていた。


『クククッ……大自然の中でも最強と言われる象………その群れを襲い、殺し、そして金にもなる……この遊びはやっぱりやめれねえ!!』

『確かに違いない……これが俺達の道楽だからなあ!!!???』


そう叫んでいたゲスい二人の男。

俺は走る!!!

だが車になど当然かなうはずもなく。

バーーーーーーーーーーーーーンッと放たれる銃声と共にその銃弾はなんと子象を狙ったようだ。

するとあまりの驚きに子象は立ち止まってしまう。


『なにっ!?くそっ??止まるな!!止まるんじゃない!!???』


その時。

子象に気がついた男達は叫ぶ。


『やったぜ!!これで今日は収穫ありだぜ!!』

『おう!!せめてあの子象だけでも仕留めてやろう!!』


二人の男達はそう言いながら子象を仕留める体制に入る。

驚き、そしてすくみ震えながらも立つ子象。

周りの象達もその恐ろしさから子象を守ろうと するも後一歩が出ない。

親、そうこの子象の親はどうしたのだろう。

すると男達は俺の考えなど一瞬で跳ね除けてしまう言葉を言い放つ。


『子象の親はさっき麻酔銃を打ったらあんな深い谷底に落ちていったからな……この子象だけでも仕留めてやる!!!!!』

『なんと、そうだったのか……やはりこいつらは。』


その時。

俺の背後に巨大な何かが立ち尽くす。

そして俺の姿に立ち止まり振り向き目を向けてくる象の群れ。

そう…………俺の背後には。


『なんだ!?象共が急に立ち止まったぞ!?これなら子象を狙う必要も無いぞ!!』

『ああ、俺はせっかくだ!!デカイのをねら……ん!?』

『おい!?どうしたんだ!?』


この時、男達は何かを察したように背筋が凍りつく。

俺は奴らの目の前に立ち尽くす。

そう………ここまで俺は一瞬で辿り着く。


『さあ……悔いろ…………お前達はもう………………』

『終わりだ。』


俺の声。


『ファイナル………クラッシュ……』


ずがががーーーーーーーーーっと放たれたなにか。

そして潰れる男達と奴らの車。

お読みくださりありがとうございました。


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