第十三話 巨大獣ゲゲルル 見えない敵を討て! 5
そんなこんなで、俺達は気持ちがイライラしたまま巨大獣を作成する事になった。
こんな気持ちじゃ良い作業が出来ない。――そうだ!
オレはロボット格納庫の大型コンピューターのプログラムを使い、スペースエイリアンのゲームを作った。
するとこのゲーム、マーヤちゃんだけでなく、基地司令代行のエリーザ様にミザーリン、そしてロボット制作班に加え、地球人の捕虜達も全員が夢中になってしまった。
まさか、俺がここでスペースエイリアンブームを再現する事になるとは……。
もしここにゲーム機のファミリードライブがあったら、ダックマン、ダンキーコング、スーパーホリマーとかデビウス、バラディウスにドラゴンズスター等のゲームでゲーム大会会場になってしまいそうだ。
だがファミリードライブがこの世界に爆誕するのは今から七年後の事、この作品の放映時期には到底間に合わない。
むしろスペースエイリアンですら、本来登場するのはあと約二年後だ。
それを俺が転生者の記憶を使い、先行で作ってしまったというわけ。
まあこのゲームによるレクリエーションは成功だったらしく、全員がモチベーションあがった状態で作業に取り掛かれるようになった。
さて、それではいつものガッダイン5大百科からの巨大獣図鑑……。
――巨大獣ゲゲルル――
全長56メートル、重量1300トン
空戦型特化巨大獣で、奇岩島基地防衛用に作られた物。
奇岩島基地周辺の悪天候に合わせ、腹部のファンによる小規模の気象コントロール装置を搭載しているので乱気流を自ら巻き起こす事が出来る。
この乱気流は内側に吸い寄せるタイプと外側に弾き飛ばすタイプの二種類の使い分けが可能で、遠距離攻撃する際にはミサイルを乱気流に混ぜて撃ち出すハリケーンミサイルを、近距離で相手を攻撃する際にはサイクロンクラッシュを使いこなす。
ガッダイン5を乱気流に隠れながら攻撃する事で奇岩島基地周辺に近寄らせず、空中でガッダイン5を翻弄するが、竹千代に気流の流れが変わった瞬間を見極められ、流の投げたマグネティックランサーを中央部の乱気流発生装置のファンに受けて機能が使えなくなり、動けない所を超電磁ウェーブからの超電磁スマッシュで爆発。
俺、これの本編の戦い見られてないんで、今回のバトルは初見なんだよね。
しかしやりようによっては強いが、特殊能力特化過ぎでそれが使えなくなると途端に弱体化か……。
今回は魔改造する必要がありそうだ。
とりあえず腹部のファンはマグネティックランサーを投げられた事で機能不全になってしまう、それならばファン発生装置を腕にして両腕からの天候変装地にすればそう簡単にファンが壊される事は無いだろう。
また、ステルス機能が可能ならそれを使うのも一つの手だ。
ステルス機能を持った巨大獣は……十九話の巨大獣ゾンゾンだったはず。
この巨大獣ゲゲルルにそれを搭載すれば、見えない場所からの竜巻でガッダイン5を倒せるかもしれない!
よし、それでは作業開始だ。
今回の巨大獣制作、スタッフ全員がモチベーション高い状態で作業に取り掛かれたのですんなりと完成した。
魔改造にかかった時間を追加しても、本来の作業時間内に完成したので……スタッフ達やマーヤちゃんも作業を終わらせてお菓子を食べながらスペースエイリアンを楽しんでいる。
まあ一ゲーム100円にしているのでこの時代にしては結構高いゲームだとは思うが、それでもスタッフ達は夢中になって遊んでいる。
この百円玉、量が増えるとメチャクチャ重くなるんだが、百円の回収はマーヤちゃんがやってくれた。
マーヤちゃんマジ力持ち。
そしてそのままではお金が使えないので銀行への両替はミザーリンが小型艇で日本の銀行に行って両替してくれるようだ。
しかし聞いた話によるとこの大量の百円玉、一体どこでどうやって手に入れたのかビックリされたらしい。
まあこれが巨大獣制作の軍資金の足しになれば良いか、




