第一話 巨大獣ドドンガー 東京侵略作戦! 8
クソ雑魚よわよわだった巨大獣ドドンガーは、俺の経験とスキルでつよつよへの道を歩んでいた。
だが所詮は一話のやられメカ。
どこまで強化してもガッダイン5に勝てるわけが無い。
それでもやらないわけにはいかない、何故なら俺が生き延びる為だ。
それならば、せめて爆破までの時間稼ぎといかにも地球軍に打撃を与えましたをアピールする為に米軍基地のある横田や、海自の本拠地のある横須賀を狙った方がマシだ。
まあ税金で作った飛行機とかがポコポコ落ちるかもしれないが、この後日本は好景気になるんだし、ちょうどいい軍縮にもなるだろう。
それよりなにより俺の命の方が大事だ!
……って何だか俺、原作のブキミーダみたいなこと考えてるな、
軍や周りよりも自分の自己保身。
だが、きれいごと言ってて処刑されたら身も蓋も無い。
それなので俺は今この巨大獣ドドンガーをどうにか魔改造する必要があるのだ!
ここに巨大獣ゲスラーのパーツがあります、これをここをこうしてこうして……こうじゃ!
何という事でしょう! あれだけよわよわだった巨大獣ドドンガーに遠距離武器が付きました。ゲスラーの火炎砲です。
これでどうにか射程5~6程度の武器は手に入れた。
まあその分次の話のゲスラーをどう改造するか、それは帰って来てから考えよう。
「ご主人様、出来ましたわね」
「ああ、マーヤのおかげだ、ありがとう」
「あ……あの、ご主人様。ワタシ、ご主人様にどんな顔をすればいいのでしょうか? 今までご主人様がワタシにありがとうなんていった事、無かったですから」
「笑えばいいと思うよ」
「笑えば……こうですか?」
ドキューン!!
何この可愛さ、マジで嫁にしたいんですけど!
マーヤの笑顔はとても可愛らしく、アニメーターの安川氏の設定画でしか見れないようなものだった。
まさに安川美人と言わんばかりの清楚な中にどこか温かさのある……前作、王者エメラインのヒロイン、桜野麗に似た可愛さだ。
マジでブキミーダの野郎、この子に毎回作戦失敗のたびに当たり散らすなんて許せん!
俺が絶対この子を幸せにしてやるっ!
「う、うーん、そうだな。お前には笑っていてもらいたい。これは命令ではなく、お願い……だ」
「はい、ご主人様。それでは私はご主人様にはいつも笑顔でご対応致します」
だが悪の軍団のメイドロボがいつもニコニコというのもある意味威厳に欠けるかもしれない。
そう考えるとやはり人前ではあの吊り目のキリッとした美人系でいてもらおう。
それにあの可愛らしい笑顔は優しくしてあげる俺だけの特権にしてやる。
「マ。マーヤよ。やはり、その笑顔はやめてもらえるか?」
「え? ええ、ご主人様がおっしゃるなら……」
マーヤは元のキリッとした美人の顔に戻っていた。
「い、いや……その、あのな、あのニコニコした顔が嫌ってわけではない。むしろ俺はあの表情が好きだ、常にそれでいて欲しいくらいだ。だがな、ここは軍だ、俺は何だかんだ言っても技術将校という者になる、だから威厳が必要なのだ。だからお前にも外ではキリっとした顔でいて欲しい。あのニコニコした笑顔は、俺の部屋の中だけで頼む」
この言い方で伝わるのかな?
「はい、わかりました。ご主人様」
マーヤはキリっとした表情に戻り、俺の指示を待っていた。
「ご主人様、次はどのようになさいますか?」
「そうだな、とりあえず巨大に組んだグローン円盤の上にドドンガーを乗せて飛べるかの重量テストだ」
この要塞デラヤ・ヴァイデスは人工重力発生装置があるので、地上と同じ環境を作ることが出来る。
オレは巨大獣ドドンガーを空中に浮かせるテストを実施した。
成功だ! ドドンガーはグローン円盤の上で墜落せず踊ってみせた。
よし、これでようやく東京侵略作戦に取り掛かれる!