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第十二話 巨大獣アゴゴル 三島長官の選択 3

 俺は監視カメラの整備をしながらテレビ設営作業を続けていた。

 もう全体の配備は完了したので後はメインシステムからの電波受信状態の確認くらいだ。


 このアナログの時代に地上波デジタルみたいなチューナーを整備できるのは俺くらいのものだろう。

 もし侵略をしないのなら、この薄型テレビ製造技術だけでも地球のシェアを握っても正直、経済を牛耳る事も出来るくらいだ。


 下手すりゃコンピューターシェアで時代の覇者になる事も可能かもしれない。

この時代の最高峰コンピューターは大型コンピューターの巨人MBI。

 ディストピア小説系作品で大体コンピューターの反乱で出てくる大型コンピューターのモデルになった米国の大企業だ。


 このコンピューターの反乱を物語の元にしたのがロボット特撮番組の――鉄巨人イチナナ――。

 鉄巨人イチナナに出てくる巨大頭脳ブレイン総統の元になったのがMBIコンピューターだと言われている。


 まあコンピューターの整備の事は今は置いておいて、基地の監視カメラの確認と行こうか……あれは、三島防衛長官の姿のアイツとマーヤちゃんか。


「おい、地球人。ご主人様からお前の面倒を見てやれと言われた。これがお前の食事だ」

「その声、マーヤか。キサマ、ずいぶんと偉そうな言い方だな!」

「黙れ地球人、お前にキサマ呼ばわりされる筋合いはない」

「マーヤ、一つ聞こう。キサマの主人は誰だ?」


 アイツ、何を言っているんだろうか?


「ワタシのご主人様はブキミーダ様だ、それがどうした地球人」

「そうか、そうなのか」

マーヤちゃんは三島防衛長官の姿のアイツを見て何か話しているようだ。


「イタタタタ、腹が。腹が痛い……」

「どうした地球人?」

「すまない、牢の中に入ってきてくれないか? 腹が痛くて」

「そうか、大丈夫か? 地球人」


 マーヤちゃんが牢に入った瞬間、三島の姿のアイツがマーヤちゃんに何かをした!


「ガッ……ガガッ……ピッ。初期設定に戻します」

「そうだ、キサマはワシの下僕。言う通りに動くのだ」

「リョウカイ、シマシタ……ゴシュジンサマ」


 何だ何だ!?

 マーヤちゃんが三島の姿のアイツを連れて牢屋から出てきたようだ。

 これは何かあったに違いない、俺は牢屋のある方に走った。

 そこには三島防衛長官の姿のアイツと、眼の光の無いマーヤの姿があった。


「ゴシュジンサマ。アレハドウシマショウカ?」

「フン、邪魔者は殺せ!」

「――ショウチイタシマシタ……モクヒョウ、マッサツシマス」


 え!? えええぇ!???

 マーヤちゃんが何か無表情のまま俺に手持ちの箒で殴りかかってきたんだけど!

 これはただのスチール製の箒だが、マーヤちゃんの破壊力でそれを持てば、最強最悪の武器になりかねない!


 ブキミーダのヤツ! まさかこれが目的だったのか!

 という事は、ヤツは間違いなく原作経験者だ。


 このマーヤのシステム初期リセットは、マーヤをアンドロイド爆弾として利用する為にブキミーダが四十話で使ったシステムだ。

 体内に設置された自爆装置でアンドロイド爆弾になる事を泣いて嫌がったマーヤをブキミーダは首の後ろのスイッチを押す事で初期リセットし、学習前の初期状態に戻してガッダインチーム達から逃げる為に自爆させた。


 そのマーヤの初期システムをあの三島の姿のアイツが知っているという事は、間違いなく番組後半、下手すれば処刑された後のアイツが入り込んだという事だろう。


 だが今はそんな考察をしている場合ではない!

 このままでは俺がマーヤにぶっ殺されてしまうっ!


 俺はどうにかマーヤの攻撃を避けたが、それも長くは続かなかった。


「――モクヒョウ……マッサツシマス」


 ガキイイイィン。


「アンタ、一体ブキミーダ様に何やってるのよ!?」


 なんと、目を閉じた俺の前でマーヤの攻撃を食い止めたのは、ミザーリンだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] あの野郎、無能ではあるが厄介さに関しては超一級品だな…… 現に、マーヤが洗脳されちまった。不味いぞ……
[一言] マーヤに任せて大丈夫かと心配したらやっぱり大丈夫じゃなかった。 でもよくやったミザーリン! 愛してるってブキミーダ様が言ってました!!
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