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第十二話 巨大獣アゴゴル 三島長官の選択 2

 まああの三島防衛長官の姿のアイツの事は考えないでおこう。

 それよりも俺は今エリーザ様に呼び出されているのだ。


「はい、エリーザ様。どのような御用でしょうか?」

「ブキミーダ、私、アイドルになりたいの」


 は?? ポンコツメイドロイドだけでなくアンタもですか!?

 頼むからここの住所ではがきを出すのだけはやめてくれ。


 マジで頭痛くなってきた……。

 俺はこの連中にテレビ文化を教えた事を後悔している。

 まあテレビを見ている限りは地球侵略をそこまで本格的には動かないだろう。


 俺はどうにかエリーザ様の話を受け流し、アイドルの話は別のアニメを見せる事で頭から忘れさせることが出来た。

 しかしまたこの話、持ち出してこられたら困るなぁ

 原作とは違う流れとはいえ、このままではこのエリーザ様もポンコツキャラ化してしまいそうだ……。


 さあ、マーヤちゃんに頼まれていたメイドロイド用の足パーツを作るとしますか。

 俺は奇岩島の自室に戻り、自分のラボでアンドロイド用の足を作っていた。


 何というか傍から見ると不気味な姿の男が美少女の生足相手に真剣な目をしているなんて気持ち悪い光景にしか見えない。

 肝心のマーヤちゃんはチロリンチロリン物語を見てるし、アンタ精神年齢いくつですか?


 なんだかんだでここにあった材料でマーヤちゃんの足は完成した。

 さて、マーヤちゃん、待望の足ですよ。


「ご主人様ー。足完成したんですか?」

「ああ。これで問題無いだろう」

「ありがとうございますー」


 さて、フロートユニットを取り外して、換装可能なパーツで作った足を付けるわけだが、アンドロイド美少女のお尻に顔を近づけてなにかをやっている光景は犯罪にしか見えない。

 もしこんな光景を誰か他人に見られたら間違いなく変態のレッテルを貼られかねない。


「あ、これで足が付いた! わーい、これなら歌って踊れますー」

「そうかい、よかったな」


 とても楽しそうなマーヤちゃん、キミの笑顔が私のエネルギーです。


 ドタッ。


「あれっ?」


 マーヤちゃんがコケた。

 その後もう一度立ち上がった。


 ドテッ。


「あれれっ??」


 どうやら換装した足パーツがきちんとバランスが取れなかったようだ。

 バランスは間違っていないはずなんだがな……。


「うわーん、きちんと歩けないよー」

「マーヤちゃん、どんまい」


 マーヤちゃんは泣きだしてしまった。

 泣いてしまったマーヤちゃんマジお子様。


 普段がフロートユニットで移動したり行動していたので、地に足を付けた足での移動が難しいようだ。

 ふくれっ面になったマーヤちゃん、かんしゃくを起こしてしまい周りの物に当たり出した。

 気持ちは分からないではないが、後で掃除するのはキミなんですよ、マーヤちゃん。


 彼女に足パーツを作ったものの、結局使えないので俺は元のフロートユニットに戻すことにした。


 この足パーツ、せっかく作ったので捨てるのは勿体ないな。

 だが部屋の中に女性の生足が有ったら間違いなく猟奇的な光景だ。

 さてこれをどこにしまっておくのか……まあ後で考えよう。


 さて、マーヤちゃんにあまり任せたくはないが、この基地は人員不足だ。

 仕方ないので俺は捕虜の三島の姿の食事をマーヤちゃんに持って行かせた。


 俺は俺でやる事が山ほどあるのだ。

 この奇岩島基地、アンテナを使ってテレビ設置が出来るが、それが出来るのは俺だけなので……捕虜たちの部屋や食堂、この建物のあちこちにテレビを設置するのをエリーザ様に命令された。


 エリーザ様、ひょっとしたらシャールケン提督より人使い荒くない??


 まあ生き残った彼女には紅井龍也と再び接触してもらい、この二つの星の戦争を止める役割をお願いしたいので、ここは素直に従っておくとしよう。


 さて、三島の姿のアイツ……大人しくしていればいいのだが……。

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