第十一話 巨大獣バグゲグ 人質の命はあと一分! 2
代々木博士と話をしたケン坊は今後の事について話をした。
「ケン坊くん、今後は君が基地に魚を届けてくれると聞いたぞい。お父さんから話は聞いているから、これからよろしく頼むぞい」
「はい、それで……代々木博士にお願いがあるんじゃ」
「はて、お願いとは?」
「ワイを助手にしてほしい! お願いします」
いきなりの言葉に代々木博士は戸惑った。
「ケン坊くん、無茶は言わないでほしいぞい。ここは危険だ、とても子供に仕事の務まるような場所ではない。さあ、魚の荷下ろしが終わったなら帰るんじゃぞい」
「お願いします! ワイ、どんな事でもしますから」
「うーむ、どうやら遊びや興味本位だけでやりたいわけじゃないんだな」
そこでケン坊が言ったのはこの方法だ。
「ワイはここの人達に助けてもらったと聞きます、それで何もお礼を返せなければ男とは言えません! ワイは命を助けてもらったここの北原未来要塞ベースの人達に命を懸けてもお礼をしたいんです」
この直談判にはさすがの代々木博士も首を縦に振るしかなかった。
「わかった。だが無茶はするな。そして、学校の勉強もきちんとやる事。この約束を守れるならば見習いとしてここに来る事を許可してやるぞい」
「代々木博士! ありがとうございます!」
この展開は想定外だった。
だがこれで代々木博士だけでなく三島長官がこの基地に常時いるのと同じ状態だ。
これで原作以上にこの基地に攻め込む事は難しくなるだろう。
だが問題は現在三島長官の姿をしているブキミーダだ。
アイツは地球人もダバール星人もどちらもを自身の踏み台としか考えていない。
下手すれば人質ですら簡単に見捨ててしまうだろう。
人質といえば! ガッダイン5大百科で見た第十一話、十二話がそういった話だった。
ブキミーダ参謀長は度重なるバルガル将軍、ミザーリンの失態をほくそ笑み、自分ならもっと確実に効率的に地球を侵略できるとシャールケン提督に提言する。
その方法は、巨大獣バグゲグを使い、政府要人の子供達の乗る幼稚園バスを襲撃する事だった。
政府要人の子供達は巨大獣バグゲグに捕まり、ブキミーダは防衛軍に対して絶対服従の奴隷になって敗北宣言を出せと脅す。
その要求に対し、――ワシが人質になろう、戦えない一般人を人質にするくらいならワシが身代わりになる!――と言って三島防衛長官が丸腰のままダバール兵に拿捕される。
その後幾多の拷問を受けても決して折れなかった三島防衛長官に対し、バルガル将軍が現れてブキミーダに――後は吾輩に任せろ、お前は地上に人質を返してこい――と言う。
だがブキミーダは人質のバスを返そうとするフリをして。時限爆弾をバスに仕掛けていた。
そこに駆け付けたガッダインチームは子供達を全員助け出し、残り一分といったところで全員を連れて脱出する。
人質を失ったブキミーダは巨大獣バグゲグで攻撃を仕掛けたが、所詮怒りに燃えるガッダイン5の敵では無く超電磁スマッシュで巨大獣バグゲグは爆発する。
作戦の全てが失敗したブキミーダは機動要塞ドグローンで逃げようとするがガッダイン5のビッグミサイルを受け、海上に不時着する。
一方地上の新たな拠点となる奇岩島の基地建設現場では幾度もの拷問に耐えた三島長官をバルガルが牢屋に閉じ込める。
だがバルガルは三島防衛長官の男気に感心し、これ以上の拷問は科さないと約束する。
満身創痍の三島長官は牢屋の中で今後の在り方を考える事になる。
それは、もし三島防衛長官が降伏を認めるなら、ダバール星はこれ以上の民間人への殺戮、侵略行為は一切せず、人道的に地球人を扱おうというバルガル将軍の提案に対する答えだった。
この選択は次回に持ち越しになり、俺は三島長官がどうするのか本気でハラハラしたもんだ。
さて、今の話だとコレがどう変化するのやら……。




