第九話 巨大獣ザザンザー 北原未来要塞ベース危機一髪! 6
「ガハハハハッ! 行ける! 行けるぞっ!」
バルガル将軍は絶対の自信で北原未来要塞ベースを見ていた。
機動要塞ドグローンの最強拠点殲滅兵器スカル砲が放たれたからだ。
スカル砲の巨大な砲弾がドグローンの眼窩に当てはまる部分から放たれた。
しかしスタジオきまいらのセンスはぶっ飛んでるなー……。
髑髏から巨大な目玉の形の砲弾を二発ブチかますなんて、普通の発想ではまず出てこない。
そのスカル砲は北原未来要塞ベースの司令塔――後の宇宙船マグネコンドルの艦橋部分になる――を目指し、飛んでいた。
「どうするんだよっ! おっちゃん!」
「おっちゃん言うな! くそっ、まさか超電磁バリア発生装置が不具合で動かないなんて……」
「ガッダイン5でアレを倒せないのっ?」
「無茶ですたいっ! 今から出撃しても間に合わんでごわす!」
北原未来要塞ベースの指令室は今大混乱の中にあった。
そんな中、竹千代がみんなにアイデアを伝えたらしい。
「皆さん! アレはどうでしょうか? ビッグミサイルッ!」
「ビッグミサイル? って……その手があったか!」
「おっちゃん! ビッグミサイルは使えるかよっ!」
「龍也、冷静になれ。お前がビッグミサイルを撃つわけじゃないだろうが」
どうやら北原未来要塞ベースでは竹千代がビッグミサイルでスカル砲を撃ち落とせばと言っているようだ。
この展開、原作でも見覚えがあるので覚えている。
「うーむ、ビッグミサイルか。確かにその手があったな! よし、ビッグミサイル装填準備、急げっ! 時間が無いぞい!」
「了解ですっ博士っ!」
北原千草が一人基地のコントロールシステムをいじっている。
どうやら彼女は母親の北原みどり博士に一通りの基地のシステムは教えてもらっているようだ。
どうやら千草はメインパネルを使い、ビッグミサイルをダインマシン発進口のダインクルーザーから遠隔操作で発射するようだ。
「ビッグミサイル発射!」
シュゴォオオオッ! ドゴォオオオン!
北原未来要塞ベースに衝撃が伝わる。
スカル砲の二つの砲弾はビッグミサイルによって基地の傍の海上で爆発したらしい。
「ぐぬぬぬ、小癪な。ブキミーダ殿! ドグローンをあの基地の近くの上空まで移動させろ!」
「わかった。マーヤ、機動要塞ドグローン移動!」
「了解です、ご主人様」
マーヤちゃんが真面目に仕事をしている。
こうやってまじめに仕事をしているキリっとした顔のマーヤちゃんはマジでカッコいい。
マーヤちゃんマジ戦乙女。
「よし、それでは揚陸用巨大獣、ザザンザー投下だっ! 吾輩も出る!」
「バルガル将軍殿、ご武運をお祈りしております」
「うむ。ブキミーダ殿よ、後は頼みましたぞ」
バルガル将軍は俺の事を信頼してくれているようだ。
第一話のあの態度から考えると、俺……相当努力したよなー。
巨大獣ザザンザーは北原未来要塞ベースの敷地内に降り立ち、基地の司令塔目指して歩き出した。
地上からは熱線砲や小型ミサイルによる迎撃が行われてるが、俺が整備したザザンザーはその程度ではビクともしない。
巨大獣大図鑑では特徴も無く弱そうなイメージではあったが、それでもそれはガッダイン5という最強のロボットに対する感想であり、ファントム戦闘機や戦車程度では傷一つ付かないのがこの巨大獣ザザンザーだ。
ザザンザーは司令塔近くに立ち止まり、腕を伸ばして五階部分に、足を伸ばして一階部分に、頭部を伸ばして七階部分にそれぞれ兵士を送り出した。
全員の兵士が揚陸し終わった時、ダインマシンが基地から現れた。
どうやらビッグミサイルを撃った直後、ガッダインチームが基地占拠前に全員出撃したらしい。
「くそっ! ダバール星人めっ! オレ達の基地にまで攻めて来るなんて、絶対に許せないぜ」
「オイも怒りがトサカに来たでごわす!」
「ぼく達は負けるわけにはいかないんだっ! ケン坊くん、ぼくがキミを守る! みんな、行くよ!」
ガッダインチームは巨大獣ザザンザーの前で合体を開始した。
「「「「「レッツ! ガッダイーンッッ!」」」」」




