番外編 宇宙漂流記ルミナス190 レッド・ブルー・イエロー1
今度の世界はパパンッと手拍子してください
オレ達のワープした先はトライシティと呼ばれる未来都市だった。
未来都市って事は、どう考えてもワープ失敗という事だ。
このワープ失敗……一体いつまで続くのやら。
仕方ない、ここでもどうせロクでもないトラブルに巻き込まれるのは確定だから、その前に先に問題を解決してしまえばいいんだろ。
しかし、ここは何て作品の世界なんだ?
オレ、大河内先輩と違ってこの時代のスーパー系ロボアニメをダサいと思って見ていなかったのでここがどこなのかがまるで分らないんだが……。
見た感じどう見ても合体しますと言わんばかりの少し貧相な赤いロボットがオレ達の前に立ちふさがっている。
「聞いているのか? お前達はエルザ―軍のテロス指令の部下か!」
だからエルザ―軍もテロス指令も知らないっての。
それよりここがどこのロボアニメの世界かさっさと教えてくれ。
「テロス、は知らないが……オレ達は別の世界からワープ装置の故障でここに迷い込んできたんだ。オレ達は敵じゃない」
「何だって、お前達は……地球人なのか?」
だからそうだっての、あ……ルミナス号の子供達は地球からの移民か。
「そうだ、オレは日本人だ! オレは……か」
い、イカン。ここで亀木と名乗ったら、オレが偽名を使っていた事が子供達にバレてしまう。
「か……海外留学の経験のあるオレはレイジ、日本人のレイジだ!」
苦しい言い訳になってしまった。
だが、これで話が進めれるのだろうか。
「わかった、お前達が敵でないというなら、武器を出さずにそこで大人しくしていてくれ。この空神王でそちらに向かう」
空神王? 確かどこかで聞いた覚えのある名前だな。
「わかった、大人しくするから攻撃はしないでくれ」
オレはルミナス号の武装を解除させ、その場に着陸した。
どうやらここはトライシティの飛行機発着場らしい。
そこに丁度プライベートジェットらしいものが降りて来た。
どうやら武装などはしていないようだが、金持ちの私有機のようだな。
「なんじゃこれは?」
「あ、カクチーノさん、どうやら漂着者といった感じみたいです」
「エルザ―軍の罠じゃないんだろうな?」
いかにも金持ちの成金親父といったてっぺんハゲの初老の男性がオレ達のルミナス号を見ている。
「罠ではないと断言できませんが、エルザ―軍ではなさそうです。オレ達は彼らを案内してから世界科学者サミットに向かった風間博士の元に向かう予定です」
風間博士……聞き覚えあるぞ、確か最終回近くで裏切った事で有名な博士だ!
って事は……思い出した! ここは光速超神ゴッドマグマの世界だ!
――光速超神ゴッドマグマ――
西暦2050年、人類は謎の敵エルザ―軍と接触、そのエルザ―軍による侵略に対抗する為に地球最高の科学者である風間博士が作ったロボットが光速超神ゴッドマグマ。そしてゴッドマグマは空神王、海神王、陸神王の三体が合体して完成する巨大ロボットだった!
そうか、ある意味タチの悪い世界に飛ばされたってワケだ。
何故ならここでワープ装置についてまともに研究できるのは風間博士と敵のエルザ―軍だけだ。
下手にここで風間博士を裏切らせてエルザ―軍に行かれたらワープの方法を失ってしまう事になって詰みだ。
それを避ける為には風間博士を追い詰めてエルザ―軍に行かせる展開を阻止しないといけない。
「風間博士は一体どちらに向かったんですか?」
「お前達、何故それを知っている。コレはトップシークレット案件だ」
「それが、オレ達は風間博士の息子さんを捜していて……」
これは口から出まかせだ。
だが、実際考察サイトとかでは、風間博士を精神的に追い詰めたのはプレッシャー以外にスポンサーであるカクチーノとその娘のワガママっぷりと思うように命令を聞かないゴッドマグマチーム、そしてとどめになったのが息子の死だったはずだ!
確かロボットシミュレーションゲームで博士の息子を死なせないシナリオをプレイすると、最強武器マグマブラストの強化版を手に入れる隠しシナリオに入れたはず。
さあ、どうにかして風間博士の所に行かないと!
ネオページで新作始めました。
異世界ゴーレムカンパニーです。
https://www.neopage.com/book/30496626311219900
異世界に転生した建築家がゴーレムマスターのスキルと現代日本の建築技術ででエレベーターや橋などを作り、人助けをしていく話です。
こちらもよろしくお願い致します。




