番外編 宇宙漂流記ルミナス183 コング! コング! コング!1
オレ達の到着した世界は戦闘の真っ最中だった。
白に青のラインの入ったマッシブなロボット、どうやらこれがこの世界の主役機のようだな。
「お前達、ここは危ないぞ。俺はキャプテン・ローランド。この特殊チームコングのリーダだ。ここでは俺の指示に従ってくれ」
なんだ、いきなり偉そうな言い方だな。
だが実際あの白いロボットは無数の敵を次々と倒している。
ここは素直にローランドの指示に従った方が良さそうだ。
「キャプテン、敵さんどんどん増援が増えてますぜ。このままじゃちょっとキツそうかもよ」
「トラッカービークルモードで敵に体当たりをかけてみるか」
白いロボットのパイロット達がローランドに話しかけてきた。
「マウンテン、クロスリバー。わかった、それじゃあいくぞ。グラングル・トラッカービークルモードチェンジ!」
そうだ、あのマッシブなデザインの主役メカ、アレは時空大作戦グラングルの主役機、グラングルだ。
――時空大作戦グラングル――
ザンシンガーやアクロバッティ、アルディオンを作った会社が作ったロボアニメで、海外の○○大作戦系のスパイアクションやコンバットアクションを前面に押し出したロボアニメだ。
主役機のグラングルにキャプテン・ローランドをはじめとする特殊チーム・コングの面々が乗り込み、悪のギルティ原人の末裔である犯罪結社ギルティと戦うロボアクション作品だった。
特殊チームのコングはリーダーのキャプテン・ローランド、ニシ、ヒガシ、ラインリバー、マウンテン、グラウエリの六人で構成されていて、これらのメンバーが小型メカやグラングルに乗り込み戦うのだ。
主題歌ではやたらとコングを主張する前期版と、後半のエアロダイバーを装備したハイパーグラングルの出てくるfighting fly! の二種類が存在するが、グラングル=コングってくらいにコングのイメージが強い作品とも言える。
どうやらオレ達が到着したのはその時空大作戦グラングルの25話辺りらしい。
この話でコング基地が犯罪結社ギルティのメカ群の大攻勢による襲撃に遭い、初期メンバーのニシ・ヒガシの二人が戦死、重症により離脱、その後ドンキー、ピンキーの二人が参戦する話になっている。
つまり、この25話が後半への路線変更のきっかけになるというワケだ。
だが今はまだ戦闘がスタートしたばかりで、コング基地にいるニシ・ヒガシ、そしてコングの司令官とも言えるドクター・マイティはまだ健在だ。
つまり、本編ではグラングルだけで戦闘していた為、手薄になっていたコング基地にオレ達が加勢すれば、ニシ、ヒガシ、ドクター・マイティを助ける事も出来る。
ここはキャプテン・ローランドにオレ達がコンタクトを取った方が良さそうだ、時間が無い。
オレはMAYAに頼み、通信回線のチャンネルを探してもらった。
「アンタがキャプテン・ローランドか、」
時空の乱れでどうも回線が安定しない、もう一度コネクトし直してみよう。
「アンタがキャプテン・ローランドか、オレ達はアンタに味方する」
「誰だ? お前達は一体何者だ、そう簡単に会ったばかりの相手を信用出来ると思っているのか。ギルティの罠でないならそれを証明してみろ」
まあそうなるわな。
いきなり会ったばかりの相手を信頼しろと言っても、そりゃあ信頼できるわけが無い。
そうなればやはりここは実際に行動で信用してもらうしか無いな。
オレはルミナス号のマスドライバーカノンに空きコンテナを設置させ、一気にギルティ原人の神の船、(レヴィアタン)目掛け撃ち出した。
ズドゴォオオオン!
凄まじい音を立て、レヴィアタンのブリッジ部分の横を空コンテナが直撃、船が少し傾いた。
「スゲェ、アイツらやるじゃねえか」
「ほら、マウンテン。ボサッとしてたら後ろからバッサリよ」
「わかったぜ、ラインリバー。グラングルランチャー発射!」
グラングルはギルティメカ目掛け、肩のランチャーを一斉発射した。




