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第八話 巨大獣ガゴンゴ ミザーリンの美しき罠 7

 うーむ、原作では非の打ちどころのないカッコよさで女性人気の高かったシャールケンが、今やシスコンの残念なイケメンにしか見えない。


 何といっても妹が口を聞いてくれない愚痴をよりによって本来では一番相談するはずでないブキミーダ(俺)に相談するか?


 まあバルガル将軍が軍事以外の事でまともな返事をするとも思えないし、ミザーリンは地球に行っていて相談も出来ない、そうなると俺しか相談相手はいないのか。

 ひょっとしてシャールケンってぼっち?


 そう言えば原作でもシャールケンは親友とかいなかったような気がする。

 だから戦場で相見えた紅井龍也と戦いを超えた何かを感じたのだろう。


 だが今回それが吉と出るか凶と出るか。

 本編では彼の妹エリーザ様は不幸にもブキミーダのせいで死亡してしまった。

 だが、今は生きてここに戻ってきた上、テレビっ子になって部屋でずっとテレビを見ている状態だ。


 この後どうせこのじゃじゃ馬娘は地球に何度も降りるつもりだろう。

 そうなると彼女と龍也の接点が何回か重なれば二人に愛が生まれてもおかしくはない。


 だがその際に気を付けないといけないのが、三島防衛長官の姿をしたアイツだ。

 アイツは間違いなくエリーザを誅殺し、地球との交渉が出来ないようにしてしまおうと考えている。


 そうなるとエリーザが地上に降りる度に俺が後ろから見守らなければいけない。

 ああ、やる事がさらに増えてしまった。


 とにかく今は巨大獣で地上に向かおう。

 俺はマーヤちゃんと巨大獣ガゴンゴを詰め込み、機動要塞ドグローンで地球に向かった。


 スパイドローンで様子を見た地球ではミザーリンが渚として流をかく乱しているようだ。


「流、もう危ない事は止めて、姉さんと暮らしましょう」

「姉さん、そんなわけにはいかないんだ! おれがやらないと、不幸な人が増える」

「そんなの紅井さんにやらせればいいじゃない、あの人がリーダーなんでしょ。貴方の代わりなんてすぐに見つかるわ。姉さん、もう流が苦しむのを見たくないの……」


 うむ、迫真の演技だ。

 知らない人が見たらどう見てもこの姉が偽物のミザーリンの変装だとはわからない。

 だがそこにいらないヤツがしゃしゃり出てきた。


「ワシは防衛長官の三島である。その基地に女スパイが潜入したとの報告を受けた! 怪しい者を見かけたらすぐに連絡するように。報告を終わる!」


 この報告を受け、ミザーリンは北原未来要塞ベースに押し寄せた防衛隊員に逮捕されてしまった。


「姉さん!」

「流、――姉さんを信じてくれるわよね……」

「当然だ! おれがガッダイン5を操縦して姉さんの無実を晴らして見せるっ!」


 さて俺達の出番か、巨大獣ガゴンゴよ、北原未来要塞ベースに向かえ!


「巨大獣ガゴンゴよ、北原未来要塞ベースを破壊するのだ!」

「ギャゴオオオオンッ!」


 全身丸く手足が申し訳程度に生えた巨大獣ガゴンゴはドグローンから発射され、北原未来要塞ベース近くの海岸に到着した。


 そこにガッダインチームがダインマシンで到着したのはそのすぐ後だった。


「今回は俺にやらせろ、行くぞっ!」

「えっ! 流、お前……」

「お姉さんの無実を証明するのねっ。わかったわっ」

「オイは準備万端でごわす!」

「皆さん、行きましょう!」


 そして流を中心に全員が叫んだ。


「「「「「レッツ! ガッダイィーン!」」」」」


 合体シーンが終わり、巨大獣ガゴンゴとガッダイン5の対決が始まった。


「メタルダート!」


 流が鋼鉄の矢をガゴンゴに放つ。

 だがガゴンゴはそれを避け、口から火炎弾を吐いてきた。


「ウワァッ!」

「くそっそれならこれだ! フィンガーミサイルッ!」


 流は腕にある武器、つまりガッダイン5合体前のダインボンバーの武器を使ってガゴンゴに攻撃をした。

 だがあまり効果は無いようだ。


「くそっそれならマグネティックアローだ!」

「流さん、ストップ! 一旦攻撃を止めてください!」

「何だって! どういう事だ!?」


 流の攻撃を止めさせたのは竹千代だった。

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