番外編 宇宙漂流記ルミナス164 パーフェクト・ソルジャー1
ここは硝煙のむせかえる戦場のジャングル。
どうやらオレ達のルミナス号が到着したワープ先はカメンのようだ。
カメンはヒッタイト星系に属する惑星メルキドの国で、ジャングルが土地の大半を占める熱帯地域だ。
この世界は――装甲鉄機メタルズ――の世界だ。
――装甲鉄機メタルズ――
パーフェクト・ソルジャーと呼ばれた女に振り回される事になる傭兵、キリオ・ジューヴィがATと呼ばれる小型ロボに乗り、戦うリアル系SFロボアニメの金字塔だ。
ヒッタイト星系とアッシリア星系の二つの星系の戦争は百年以上続いていた。
アッシリア星系の主星であるメルキドは幾度となく戦火に見舞われ、戦いはいつ終わるとも知れない泥沼の中にあった。
その中でアッシリア星系の軍に属していた戦士、キリオ・ジュービィは惑星メルキドの都市クドで特殊カプセルに入った女性を見かけた。
その後、治安警察やグーンファミリーといった勢力を敵に回し、キリオはカプセルの女性と協力してその追従を逃れ、混乱の中で火薬庫を破壊し、クドの街は灰燼に帰した。
クドから飛行船を奪い、カメンに到着したキリオは、そのままカメン王国の反乱軍である傭兵団に身を寄せる事になる。
その傭兵団の名前が悪名高いクァン・ユゥーのいる独立傭兵隊アンサンブルEX‐10というわけだ。
クァン・ユゥーは上司にしたくない男、ロボアニメ最悪のクズ、最凶のネタキャラ、外道が服を着て歩いている、等と言われている程の最悪のキャラだ。
ロボアニメの不人気悪役は色々いるが、その中でもバワード長官と同じくらい嫌われている。
もう一つのロボアニメの悪役は古い作品でよく覚えていない、まあ最近はパチンコにもなってるというがパチンコはオレが興味ないのでノータッチだからよく分からないままだ。
まあなんだかんだで、オレ達が到着してしまったのはそのアンサンブルEX-10が所属しているカメン王国というわけだ。
ここで下手にあのウィンセルやランセル、ガンセルといったMVを出してしまえば、サイズの問題等でかなりややこしい事になりそうだ。
下手すれば軍に鹵獲されてもおかしくはない。
ここでは大人しくしておいた方が良さそうだな。
「MAYA、どこか着地出来そうな場所はありそうか?」
――どうやらこの付近の古い遺跡の跡地にそこそこ広い場所がありそうです。――
ではその辺りに着地したほうがよさそうだな。
ここでは下手に子供達は外に出ない方が良さそうだ。
そうなると、ここで外に出て食料などを調達するのは……オレって事になるのかよ!!
「な、なあ。オレが出かけて何か食い物を調達してくるけど、誰か着いてくるか?」
「了解であります! マルコ軍曹、食料調達の任務を成し遂げるであります!」
あ、そうか。そういえばコイツは軍オタの兵器マニアだったな。
だがあこがれだけでここを生き抜けるとはとても思えないが、ここはセドリック、ジャッキー、マルコとオレで出かけた方がまだ良さそうだな。
さて、使える車があったはずだから整備しておくか。
せめて車で移動くらい出来ないと、いざ戦闘に巻き込まれそうな時に逃げる方法が無い。
ついでにショック式の電子銃も護身用に用意するか。
準備の終わったオレ達はカメンの小さな町を目指した。
売り物としては、ルミナス号にあったガラクタを修理したモノ、まあこれがあればそこそこの金額にはなるだろう。
オレはこのアイテムを買ってくれる当ては目星がついている。
闇商人のボウト、彼ならルミナス号のガラクタを高値で買ってくれるはずだ。
クドの街から逃げて来たボウトはアイス、ココアの二人と共にこの街の酒場にいるはずだ。
オレはセドリック、ジャッキー、マルコと一緒にパブの中に入った。
「オイ、ここはガキの来る所じゃねーぞ、さっさと帰ってかーちゃんのおっぱいでも吸ってな」
「オレ達はボウトさんに用があって来たんだ、」
ボウトの名前を出すと酒場の空気が変わった。
そこに、一人のパイロットスーツの男が姿を見せる。
「おい、何か飲み物を出してくれ、そうだな……コーヒーはあるか?」




