番外編 宇宙漂流記ルミナス 158 夢色セレナーデ4
ダ・ラバはダン・ジェム隊のバナンが乗る機体だ。
ダン・ジェム隊は愚連隊丸出しのまるで世紀末のマッドな世界から抜けて来たような見た目のキワモノ連中でギルノスの廃棄物と呼ばれているダン・ジェムをリーダーとした極東支部特別攻撃部隊だ。
隊長のダン・ジェム大佐は、またわけのわからないファッションセンスで、首に巨大な数珠の首飾りをつけて将棋のコマを紐で結んでイヤリングやアクセサリーにした大男だ。
そしてダ・ラバに乗っているのはそのダン・ジェム隊のバナン大尉という凶人だ。
バナン大尉は身体中傷だらけのパンクロッカーのような姿のモヒカン男で、まさに世紀末から抜けて来たようなキャラで、四獄隊に混ざってても違和感の無さそうなヤツだ。
そしてナイフや刃物を舐めるのが好きという見るからにお友達になりたくないようなヤツだとも言える。
そのバナン大尉が乗っているのが水陸両用MAダ・ラバ。
カニの甲羅のような見た目に巨大な鋏を備えた特化型の機体だ。
そのダ・ラバは鋏を使い地球連合軍の艦船を次々と鋏で断ち切っている。
そして後方から迫ってきたのはボル大尉の乗るMAストーク・ランドールだ。
ストーク・ランドールは巨大バイクのような下半身に上半身に長距離砲を搭載したMAといった外見のキワモノ機体で、これがまた機動力と砲撃特化のかなり厄介なモノだ。
そしてそれに乗るボル大尉の見た目は、巨大なゴリラが軍服を着たような姿で、まるで巨大なトロールやオーガーかオークといったところだ。
その巨体で通常の大きさのコクピットに入るもんだからコクピット内で身動き取れないのをオレは本編で見て大笑いした覚えがある。
だがそんな悠長な事は言ってられない。
ボル大尉は見た目こそアレでオツムも足りない話し方だが、ロボットの操縦技術に関しては天才的な能力を発揮する。
だからあまり舐めてかかるとこちらが返り討ちのスクラップになりかねない。
さて、あの二体を相手にどうやれば良いのか……。
肝心の地球連合軍はダ・ラバの猛攻で艦船が壊滅状態だ。
いわば無事な艦船を探す方が早いくらいになっている。
オレはここで一旦MAYAに頼んで地球連合軍のチャンネルに通信を設定した。
「こちら、敵ではない。我、ギルノス軍にあらず。地球連合軍に通信を請う。我、敵対の意思無し!」
まあそれっぽく軍人の使いそうな言い方で通信を試みると、思ったより早く地球連合軍側から通信が帰ってきた。
「貴艦に敵対の意思無き事、了承した。貴艦の名称を問う、敵対の意思無ければ艦船名を名乗れ」
「こちらルミナス号、現在ダン・ジェム隊の追撃から退却中、至急の受け入れを願う!」
「ルミナス号、了解した。だが我等も今ギルノス軍MAと戦闘中だ。十分な支援は期待しないでもらいたい」
どうやら舞鶴基地はダ・ラバ一機のせいでかなりの大打撃を受けているようだ。
さて、どうにかしてあのダ・ラバとストーク・ランドールを同時に倒さないと、片方だけでも残せばこのままでは舞鶴基地は壊滅だ。
その時、日本海側の向こうの大陸側から数機の飛行型MAが到着した。
アレは、バリグーン! そうか、重慶基地の方から飛行してきたのか。
バリグーンとは、バリグナーを元にクラート博士が完成させた量産型MAだ。
本来なら本編の登場はあと数話先のはずなんだが、本編に無い舞鶴基地強襲の影響で前倒しになって実戦投入されたようだ。
このバリグーン、バリグナー単騎より強いはずなのだが、それでもダ・ラバに勝てる気がしない。
さあ、どうにかしてコイツを倒さないと。
残り少ないエネルギーでルミナス号が出来るのは、小型のワープフィールド形成までで電磁バリアを張るのは無理そうだ。
どうにかしてこの状況を抜けないと、それに竜安寺の方に向かったセドリック達の事も気になる……。
さあ、どうやってダ・ラバとストーク・ランドールを同時に倒そうか……。




