番外編 宇宙漂流記ルミナス 149 シリーズ初!? 悪が勝つ2
ルミナス号の近くにやってきたテッペイとアユミ、この二人がルミナス号の入り口をノックした。
「ごめんくださーい、誰かいますか? いなかったら返事してくださーい」
ズコーッ、そういえばこの作品、敵も味方もそんなノリのヤツばかりのタイムドカンシリーズだったな……。
ヤッテヤルマンがここにいるという事は、どうやらオレ達はどこかの時代にタイムワープしてしまったようだ、
ヤッテヤルマンとビジョーヌ達の悪だくみトリオ、彼等はコリャナンダー王国の秘宝であるパーツを探してタイムワープ先でそのパーツを巡った争奪戦を日々繰り返している。
コリャナンダーの秘宝、それは超エネルギー体がその正体で、それを手に入れることで黒幕が地球を支配しようとするのだが、その黒幕は最終回近くまで正体を隠していた。
まあ、作品を見ていた人なら、ああ、アイツが黒幕だったのかー、と納得できる内容なのだが、あえて今それを言う必要もなさそうなので黙っておこう。
「アユミちゃん、こんな得体のしれない宇宙船、やめとこうよ。もし凶暴な宇宙人の物なら取って食われたりするかもしれないんだよ」
「何よ、だらしないわね。アンタそれでも男なの? 文句を言うなら立て替えてる家賃全額払ってから言いなさいよ」
「そ、それを言われるとー」
どうやらテッペイはアユミの尻に敷かれているような関係のようだな。
「アンタって、肝心な時にいつもいないんだから。ヤッテヤルマン様の爪の垢でも煎じて飲ませたいわ」
「自分で自分の爪の垢煎じてどうしろってんだよ……」
「ん? アンタ何か言った?」
「い、いえ。何も言ってませんよ」
ヤッテヤルマンの正体はこの何とも情けないテッペイなのだが、アユミは最終回近くまでそれに気が付かない。
「これが宇宙人の物だとしたら、ワタシ達って宇宙人とファーストコンタクトした地球人ってことになるのよ、それってロマンチックじゃない」
「へいへい、そうでございますね」
「何よアンタ、この歴史的瞬間に感動しないの?」
いや、オレ達は宇宙人じゃないんだけどな……。
ここはそろそろ姿を見せた方がいいかもしれないな。
おや、そういえばマルコとジャッキーとアルフレッドはどこに行ったんだ?
何か……嫌ーな予感がするぞ。
テッペイとアユミがルミナス号の中に入ると、そこには誰もいなかった。
「ほ、ほら。誰もいないじゃん、さっさと外に出ちゃおうよ」
「アンタって本当に憶病よね……って、後ろ、うしろー!!」
「何だよ、アユミちゃん、驚かそうったって」
アユミはテッペイの後ろを見てとてつもなく驚いた変顔をしていた。
「ガオー」
「「ぎゃぁあああ! 出たぁー!!」」
ルミナス号の中で宇宙人を見たテッペイとアユミはびっくり仰天、二人そろって変顔のままその場に気絶してしまった。
「マルコ、やりすぎよ。この人達驚いてしまったじゃない」
「いや、ついつい、あんなに宇宙人だ何だってビクビクしてたから悪ノリで驚かせちゃった」
「言い出しっぺはジャッキーだろ」
あーあ、あとでこの二人はみんなにこっぴどく怒られるんだろな。
気を失ったテッペイとアユミはセーラ達によってルミナス号のメディカルルームで介抱してもらう事になった。
「ン……? ここは?」
「あら、気が付いたのね。大丈夫よ、ここはルミナス号の中」
「……って、宇宙人が、ここには凶悪な宇宙人が! うわぁー! 出たぁあぁ!!」
「コラー、マルコ! いい加減にしなさい!」
セーラはジュラルミンの薬箱で宇宙人に仮装していたジャッキーとマルコの後頭部をフルスイングした。
「え? 宇宙人……の中に子ども?」
「ごめんなさい、話すと長くなりそうなのですが……」
セーラはマルコとジャッキーをテッペイとアユミの前に座らせて謝罪させた。
「ごめんなさい、この子達にはきちんと反省させますので」
テッペイとアユミはまだ状況がよく理解できていないようだ。




